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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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その存在の永遠が。



「貴方(あなた)が、いなかった、彼方(あなた)」。
あなたは、ここにいるけれど、いない。この世界には、自分がいることの出来ない場所が無数にある。
だからこの本で、本当のあなたを見つけ出して下さい。
小説による挿絵、多重同時進行小説、絵画を文字で描くetc.紙の上で挑戦し得る
様々な形式の作品を集めた画期的試みの短篇集。

★収録作品★
 
 やがて光源のない澄んだ乱反射の表で…『TSUNAMI』のための32点の絵のない挿絵
 鏡 
 『フェカンにて』
 女の部屋
 一枚上手
 クロニクル
 義足
 母と子
 異邦人#7‐9
 モノクロウムの街と四人の女
 慈善

***

昔一度読んで途中で挫折してしまった本作。
今回はどうにかついていけました。

どの話もオチが弱いのと、何が言いたかったのか(難解じゃない話でも)わからないものが
多かったという点で高得点はつけがたいけど、まあ面白かった。
ただこれは平野啓一郎作品、もしくは純文学を読み慣れてない人が
最初に手にとるべき本じゃない。
平野氏の小説なら〝日蝕〟〝葬送〟(あとは読みやすいという点で〝顔のない裸体たち〟)を、
読んでから読むことをおすすめします。

実験的小説、というよりは冒険的小説であると本作を読んで思う。
たった一行の小説なんかが出てくるし、思考より視覚に訴えてくるとんでもない短編も入ってる。
それが小説という垣根を飛び越えようとした結果描かれた物語なのだとすれば、
諏訪哲史氏の〝りすん〟のほうが成功していると言わざるを得ないけど、
これはこれで面白い。

おすすめです。
ただし上記のとおり、純文学、もしくは平野作品の入門書として読むのだけは×。



余談:
表紙は著者本人なんだろうか。。。
何かそんな風に見えるんだけど。。。
気のせいか?
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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