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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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私を殺してくれて、どうもありがとう。



新聞に連載小説を発表している私のもとに一通の手紙が届く。
その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた「意外な犯人」モノの小説案を
高値で買ってくれと書かれていた。
差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは?
読後に驚愕必至のメフィスト賞受賞作。

***

ウルチモ・トルッコ。
アルティメット・トリック。
究極のトリック。
久々再読。

今までどのミステリ作家も成し得なかった〝犯人は読者〟オチに
敢えて挑戦した著者の気概は買う。
でも本作におけるこのトリックは正直賛否両論だと思う。
私は。。。まあなるべく深く考えないことで純粋に楽しむことができたけど(二度目だし)、
終盤での主人公の「あのときのあれはこうだったんですよ、だからアンフェアじゃないんです」
って言い訳の連発にはちょっと冷めた。わざわざあそこまで言い訳しなくてもいいのに。
黙ってたって別に誰も文句言わないのに必死に取り繕ってる感じがして何か嫌だった。
というか〝犯人は読者〟トリックよりも序盤~中盤に出てくる双子の姉妹の超能力トリックのほうが
私的には面白かった。初読で「なるほど、こんな手があったか!」と呻らされ、
「このトリック自分が思いつきたかった。。。!」とほぞを噛んだことは未だ記憶に新しい。

ちなみに本書、面白いんだけど読後の後味はかなり悪いです。
何で愉しいはずの読書でこんな目に遭わされなきゃいけないんだ、とかちょっとだけ思ったり。
むしろ被害者はこっちだよ、みたいな(←意味は読めばわかります)。

これってメフィスト賞だからこそアリな物語なんだろうなあ、やっぱり。

でも何だかんだ言っておすすめです。楽しいよ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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