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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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望んだことはただそれだけなのに。



父親が被害者で母親が加害者――。
高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。
遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。
その家族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。
『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。

***

家族ドラマ。ミステリではない。
〝告白〟のようなものを期待しているひとは読まないほうがいい。

というか、デビュー作はたまたま小説の神が気まぐれで著者に降りてきただけとしか思えないほど
その後出す作品がことごとく面白くない。
本作はデビュー作と比較したら言わずもがな、単品で捉えてもつまらない。

そして湊さん、〝告白〟のような語りかけ一人称はうまいけど三人称だと文章がへた。
誰がどういう状況で何をやっているのか把握するのにいちいち読み返さなきゃいけなかったり、
会話の意味がわからなくてしばらく考え込んだりということが度々。
これは面白い面白くない以前の問題。

極めつけは登場人物がことごとくムカつく性格。共感できる人間ひとりもなし。
〝告白〟はそのせいで返って面白さが倍加していたけど、
こうも毎回気に食わないキャラばかり出されるとだんだん読みたくなくなってくるので
そろそろやめにしてもらいたい。

ていうかいっそ作中で何度も引き合いに出されるアイドル・高木俊介が
最後の最後で親を殺してニュースにでもなる
、って展開にしておけば神だったのに。
まさか終わりまでまったく彼が本筋に絡んでこないとは思わなくて拍子抜け。

著者の書きたいテーマは終始一貫していたのでブレなく読み切ることはできたけど。
この著者に期待するのはもうやめにしておこうかな、というのが
彼女の著作を全部読んだ上での率直な感想です。

表紙デザインだけはやたらとよかったな。中身よりそっちを評価したい。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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