明日は晴れる。
人生賭けたい夢がある。でも、内定は欲しい。
かつて、高校生でギタリストデビューを果たした山木太郎。しかし栄光も束の間、バンドは解散。
すっかり燻り、大学三年の秋を迎えた太郎の周囲は「シューカツ」に向けて慌しく動き出していた。
その“一発逆転システム”に魅せられ、就活戦線に身を投じる決意をする太郎。
「元有名人」枠で楽々内定を勝ち取れると思っていたのだが――。
就職氷河期「以下」の今に問いかける、書き下ろし最新長篇。
***
面接しては落ち、面接しては落ち、の合間に
ちょこちょこと差し挟まれるちょっとしたエピソード。
その繰り返しで、既視感のある文章表現も多く、シューカツの話にしては
長すぎるなと思ったというのが本音。
でも文章はかなりうまい。
人物描写も巧み(地方への就職が決まりそうになっても
危機感をまったく抱かない主人公カップルにはちょっと違和感を感じはしたものの)。
なのでそれなりに楽しく読めた。
私はシューカツというものをしたことがないので
主人公たちシューカツ生の苦しみはリアルにはわからないけれど、
同世代の友人がかつてシューカツにかなり苦労して
ストレスで太ったりノイローゼ気味になっていたことは記憶しているので
やっぱり大変なんだなあ。。。と改めて思った。
シューカツに四苦八苦してもバンドという夢を諦めない主人公は
私的にはアリだけど、はたしてリアルなのかどうか。
当時苦しんでいた友人たちに訊いてみたい。
まあおすすめです。
人生賭けたい夢がある。でも、内定は欲しい。
かつて、高校生でギタリストデビューを果たした山木太郎。しかし栄光も束の間、バンドは解散。
すっかり燻り、大学三年の秋を迎えた太郎の周囲は「シューカツ」に向けて慌しく動き出していた。
その“一発逆転システム”に魅せられ、就活戦線に身を投じる決意をする太郎。
「元有名人」枠で楽々内定を勝ち取れると思っていたのだが――。
就職氷河期「以下」の今に問いかける、書き下ろし最新長篇。
***
面接しては落ち、面接しては落ち、の合間に
ちょこちょこと差し挟まれるちょっとしたエピソード。
その繰り返しで、既視感のある文章表現も多く、シューカツの話にしては
長すぎるなと思ったというのが本音。
でも文章はかなりうまい。
人物描写も巧み(地方への就職が決まりそうになっても
危機感をまったく抱かない主人公カップルにはちょっと違和感を感じはしたものの)。
なのでそれなりに楽しく読めた。
私はシューカツというものをしたことがないので
主人公たちシューカツ生の苦しみはリアルにはわからないけれど、
同世代の友人がかつてシューカツにかなり苦労して
ストレスで太ったりノイローゼ気味になっていたことは記憶しているので
やっぱり大変なんだなあ。。。と改めて思った。
シューカツに四苦八苦してもバンドという夢を諦めない主人公は
私的にはアリだけど、はたしてリアルなのかどうか。
当時苦しんでいた友人たちに訊いてみたい。
まあおすすめです。
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死の世界から戻っておいで。
日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。
東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により
人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。
アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために
五年間の“凍眠”を選んだのだ。
だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、
彼を守るための戦いを開始する――。
“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー。
***
註:本作をより楽しむには、〝チーム・バチスタの栄光〟ならびに〝ナイチンゲールの沈黙〟を
先に読むことをおすすめします。
医療ミステリというよりは、ファンタジックミステリといった感じだった。
コールドスリープに睡眠学習。。。まともに読んでたら「んなわけねーだろ」と
突っ込みたくなってしまう内容。
まあそうとわかった上で読めばそれなりに面白かったけど。
キザったらしい台詞の連発と量産作家の常である雑な文章、そこに眼をつぶりさえすれば。
それにしてもこの著者の書く女性にショタコンが多いのは何故だろう。
本作の前作にあたる〝ナイチンゲールの沈黙〟のヒロインの看護師もショタだったし。。。
年下の少年にかしずく大人の女性、ってシチュエーションが好きなのかな?
主人公がラストにとる行動の理由がもっと詳細に書かれていれば
より感情移入して読めたのに、とちょっと残念。
短い作品なのでしょうがないといえばしょうがないのだけど、やはり
ページ数を増やしてでもいいから人物描写がもうちょっとほしかった。
まあおすすめです。
バチスタシリーズに共通してあるユーモアは控えめなので
そういうのが好きじゃないひとは注意。
日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。
東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により
人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。
アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために
五年間の“凍眠”を選んだのだ。
だが少年が目覚める際に重大な問題が立ちはだかることに気づいた涼子は、
彼を守るための戦いを開始する――。
“バチスタ”シリーズに連なる最先端医療ミステリー。
***
註:本作をより楽しむには、〝チーム・バチスタの栄光〟ならびに〝ナイチンゲールの沈黙〟を
先に読むことをおすすめします。
医療ミステリというよりは、ファンタジックミステリといった感じだった。
コールドスリープに睡眠学習。。。まともに読んでたら「んなわけねーだろ」と
突っ込みたくなってしまう内容。
まあそうとわかった上で読めばそれなりに面白かったけど。
キザったらしい台詞の連発と量産作家の常である雑な文章、そこに眼をつぶりさえすれば。
それにしてもこの著者の書く女性にショタコンが多いのは何故だろう。
本作の前作にあたる〝ナイチンゲールの沈黙〟のヒロインの看護師もショタだったし。。。
年下の少年にかしずく大人の女性、ってシチュエーションが好きなのかな?
主人公がラストにとる行動の理由がもっと詳細に書かれていれば
より感情移入して読めたのに、とちょっと残念。
短い作品なのでしょうがないといえばしょうがないのだけど、やはり
ページ数を増やしてでもいいから人物描写がもうちょっとほしかった。
まあおすすめです。
バチスタシリーズに共通してあるユーモアは控えめなので
そういうのが好きじゃないひとは注意。
しちゃうぜ。
その日暮らしの気安さに下流生活に甘んじる大学教師・クワコーの周辺で起こる怪事件に、
文芸部の女子大生たちが挑むユーモア・ミステリー。
『オール讀物』『オールスイリ』掲載をまとめて書籍化。
★収録作品★
呪われた研究室
盗まれた手紙
森娘の秘密
***
面白かったあー!
久々にこんなに面白い小説に出会えた。
読み始めこそクセのある文章に手にとったことを後悔しかけたものの、
次第にそれにも慣れてきて、気付いたときにはどっぷりハマっていた。
情けなくも可愛らしい愛すべき主人公・クワコー(桑潟幸一准教授)と個性溢れまくりの仲間たち、
そんな彼らと行動や会話を共にしているような臨場感が読んでいて楽しくて仕方なかった。
(〝運命の人〟とか〝抱かれてもいい〟には腹を抱えて笑ったし)
そもそもこの著者、純文学でデビューして芥川賞まで獲っているのに
本作はミステリなのだから面白い(まあ、純文作家がエンタメにシフトする例は
そう少なくもないけど。中村文則氏とか平野啓一郎氏とか。
過去に何度か芥川賞候補になっていた島本理生さんなんか今回直木賞候補になっていたし)。
物語以前に文章の一行一行が面白い。
こんなものを書ける作家は非常に貴重だと思う。
今からもう続編が俟たれます。
あーでもその前にクワコーシリーズ一作目である〝モーダルな事象〟を読まなければ。
非常におすすめです。
笑いありエンタメありミステリありのてんこもり。
本作を読んだ爽快感で暑さを吹き飛ばしてみてください。
その日暮らしの気安さに下流生活に甘んじる大学教師・クワコーの周辺で起こる怪事件に、
文芸部の女子大生たちが挑むユーモア・ミステリー。
『オール讀物』『オールスイリ』掲載をまとめて書籍化。
★収録作品★
呪われた研究室
盗まれた手紙
森娘の秘密
***
面白かったあー!
久々にこんなに面白い小説に出会えた。
読み始めこそクセのある文章に手にとったことを後悔しかけたものの、
次第にそれにも慣れてきて、気付いたときにはどっぷりハマっていた。
情けなくも可愛らしい愛すべき主人公・クワコー(桑潟幸一准教授)と個性溢れまくりの仲間たち、
そんな彼らと行動や会話を共にしているような臨場感が読んでいて楽しくて仕方なかった。
(〝運命の人〟とか〝抱かれてもいい〟には腹を抱えて笑ったし)
そもそもこの著者、純文学でデビューして芥川賞まで獲っているのに
本作はミステリなのだから面白い(まあ、純文作家がエンタメにシフトする例は
そう少なくもないけど。中村文則氏とか平野啓一郎氏とか。
過去に何度か芥川賞候補になっていた島本理生さんなんか今回直木賞候補になっていたし)。
物語以前に文章の一行一行が面白い。
こんなものを書ける作家は非常に貴重だと思う。
今からもう続編が俟たれます。
あーでもその前にクワコーシリーズ一作目である〝モーダルな事象〟を読まなければ。
非常におすすめです。
笑いありエンタメありミステリありのてんこもり。
本作を読んだ爽快感で暑さを吹き飛ばしてみてください。
それほど、孤独だった。
大正時代に東北に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。
1997年3月、村の後継者・東一は美少女マヤと出会った。
自らの王国に囚われた男と、国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、
愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、脱北者、……
東アジアの片隅の日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。
今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて描き尽くした渾身の長篇小説!
***
〝ポリティコン〟。。。政治的動物、という意味だそうです。
上下巻組の大長編にしては書き込みが足りないような気もしたけど、
(〝政治的動物〟としての人間はこの上なく緻密に描写されているのですが、
登場人物たちの心理描写が中途半端。言ってることとやってることが違ったり、
簡単に前言を翻すその様は最早優柔不断を遥かに通り越して人格破綻の域だし←と言うより
著者に都合よく動かされてる人形のように思える)
面白かった。ラストにも満足。
ただ、〝東一〟と〝真矢〟という本作の柱になっている二人の人間性と関係性を
著者がもっとしっかりと、掘り下げて書いてくれたらより満足がいったのに、とちょっと残念。
同著者の著作〝グロテスク〟と軽く終盤の雰囲気がかぶってしまっていることにも
既視感があってちょっと新鮮味が足りないように感じた。
まあおすすめ。
本作を読んで気に入ったひとは、花村萬月氏の〝王国記シリーズ〟もおすすめです。
それにしても。。。某歌手の歌にもあるけど
〝持つことを欲した者たちは 海と大地を選んだが
自由を欲した者たちは 何も持たずに飛び立った〟
。。。自分ならどっちだろう、とずっと前から考えているけど答えが出ない。
これは人間すべてに突きつけられる命題なのかも知れないな。
大正時代に東北に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。
1997年3月、村の後継者・東一は美少女マヤと出会った。
自らの王国に囚われた男と、国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、
愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、脱北者、……
東アジアの片隅の日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。
今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて描き尽くした渾身の長篇小説!
***
〝ポリティコン〟。。。政治的動物、という意味だそうです。
上下巻組の大長編にしては書き込みが足りないような気もしたけど、
(〝政治的動物〟としての人間はこの上なく緻密に描写されているのですが、
登場人物たちの心理描写が中途半端。言ってることとやってることが違ったり、
簡単に前言を翻すその様は最早優柔不断を遥かに通り越して人格破綻の域だし←と言うより
著者に都合よく動かされてる人形のように思える)
面白かった。ラストにも満足。
ただ、〝東一〟と〝真矢〟という本作の柱になっている二人の人間性と関係性を
著者がもっとしっかりと、掘り下げて書いてくれたらより満足がいったのに、とちょっと残念。
同著者の著作〝グロテスク〟と軽く終盤の雰囲気がかぶってしまっていることにも
既視感があってちょっと新鮮味が足りないように感じた。
まあおすすめ。
本作を読んで気に入ったひとは、花村萬月氏の〝王国記シリーズ〟もおすすめです。
それにしても。。。某歌手の歌にもあるけど
〝持つことを欲した者たちは 海と大地を選んだが
自由を欲した者たちは 何も持たずに飛び立った〟
。。。自分ならどっちだろう、とずっと前から考えているけど答えが出ない。
これは人間すべてに突きつけられる命題なのかも知れないな。
敵は、どうする。
逃げろ、知力と体力の限りを尽くして。
閉鎖された市立図書館に忍び込んだ男女5人を猛烈な悪意が襲う。
***
ひと言で言えば、図書館で主人公たちがラジコンヘリと戦うだけの物語。
でもそんな単純極まりないシチュエーションを、こうやって長編にまで昇華し得た著者のことは
純粋にすごいなと思う。
まあ、一貫して同じような展開ばかりなので読んでいてちょっと食傷気味になりかけたり、
「そこでそう思う(もしくは行動する)のはちょっとおかしいだろ。。。」というシーンも
多かったりするのだけど、
石持氏の十八番で欠点でもある〝登場人物がほかの登場人物をやたらとほめすぎ〟が
今回ほとんどなかったことには(偉そうにも言わせてもらえば)著者の成長を感じた。
でも、
どうやったらラジコンヘリを
そこまで精密に操縦できるの?
。。。これは突っ込んじゃいけないところなんだろうなあ。。。--;
ここに言及しちゃったら本作は物語として成り立たなくなっちゃうからな。。。
深く考えないで読むぶんにはそれなりに面白いです。
突っ込み小説として読むのも楽しい。
だからひとつぶで二度おいしい。。。って褒め言葉なんだろうかこれは。。。
↓ちなみに、本作を今後手に取る予定のひとはこの曲をBGMに読みましょう。
逃げろ、知力と体力の限りを尽くして。
閉鎖された市立図書館に忍び込んだ男女5人を猛烈な悪意が襲う。
***
ひと言で言えば、図書館で主人公たちがラジコンヘリと戦うだけの物語。
でもそんな単純極まりないシチュエーションを、こうやって長編にまで昇華し得た著者のことは
純粋にすごいなと思う。
まあ、一貫して同じような展開ばかりなので読んでいてちょっと食傷気味になりかけたり、
「そこでそう思う(もしくは行動する)のはちょっとおかしいだろ。。。」というシーンも
多かったりするのだけど、
石持氏の十八番で欠点でもある〝登場人物がほかの登場人物をやたらとほめすぎ〟が
今回ほとんどなかったことには(偉そうにも言わせてもらえば)著者の成長を感じた。
でも、
どうやったらラジコンヘリを
そこまで精密に操縦できるの?
。。。これは突っ込んじゃいけないところなんだろうなあ。。。--;
ここに言及しちゃったら本作は物語として成り立たなくなっちゃうからな。。。
深く考えないで読むぶんにはそれなりに面白いです。
突っ込み小説として読むのも楽しい。
だからひとつぶで二度おいしい。。。って褒め言葉なんだろうかこれは。。。
↓ちなみに、本作を今後手に取る予定のひとはこの曲をBGMに読みましょう。
わたしらしい場所は、いつまでもわたしを待っている。
2009年、秋。翌年6月から施行の改正貸金業法がもたらすのは、
借金からの救済か、破滅か――。
四十過ぎの翻訳家、吉野解は貧乏学生の頃に下宿していた神保町の古書店「泪亭」の二階で
謎の美女、白井沙漠と出会う。裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれ、
粗末な部屋で何度も体を重ねる。
しかし、沙漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる――。
***
タイトルからミステリ小説を想像するひともいるかと思いますが、
本作はミステリからはほど遠いです。どちらかと言うと純文学に近い。
内容は。。。小説と言うにはあまりにも大味。
物語にする前段階のプロットでも読まされているような気分だった。
そして独特のどこか古臭い台詞回しが生理的に受け付けなかった。
句読点もやたらと多いし。『二度ともどりたくない。のに。』とか『いま、すぐ、に……』とか
『……ん。おか、えり』とかほかにもたくさん。
著者は何らかの効果を狙って敢えてそうしてるのかも知れないけど、(実際桜庭さんの
ほかの著作は文章は普通なので)完全に空回っている感じがした。
何が言いたいのかもよくわからなかったし。
あまりおすすめしません。
(〝少女には向かない職業〟とか〝赤朽葉家の伝説〟とか〝私の男〟は
面白かったのに。。。次回作に期待)
2009年、秋。翌年6月から施行の改正貸金業法がもたらすのは、
借金からの救済か、破滅か――。
四十過ぎの翻訳家、吉野解は貧乏学生の頃に下宿していた神保町の古書店「泪亭」の二階で
謎の美女、白井沙漠と出会う。裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれ、
粗末な部屋で何度も体を重ねる。
しかし、沙漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる――。
***
タイトルからミステリ小説を想像するひともいるかと思いますが、
本作はミステリからはほど遠いです。どちらかと言うと純文学に近い。
内容は。。。小説と言うにはあまりにも大味。
物語にする前段階のプロットでも読まされているような気分だった。
そして独特のどこか古臭い台詞回しが生理的に受け付けなかった。
句読点もやたらと多いし。『二度ともどりたくない。のに。』とか『いま、すぐ、に……』とか
『……ん。おか、えり』とかほかにもたくさん。
著者は何らかの効果を狙って敢えてそうしてるのかも知れないけど、(実際桜庭さんの
ほかの著作は文章は普通なので)完全に空回っている感じがした。
何が言いたいのかもよくわからなかったし。
あまりおすすめしません。
(〝少女には向かない職業〟とか〝赤朽葉家の伝説〟とか〝私の男〟は
面白かったのに。。。次回作に期待)
ようこそ。ホテルパラダイス銀河へ。
平成の駆け込み寺が東京・上野にあった!!
トラブルを抱えた人や不法滞在する外国人等、曰く付きの客ばかりの「ホテルパラダイス銀河」。
とある事情でこのホテルで働く西島京志はトラブル処理に奔走する!
★収録作品★
東京甲子園
サムライアフェア
闇に潜る
ホテルパラダイス銀河
***
ドラマ化もされた〝インディゴの夜〟シリーズに比べたらキャラクターもストーリーも
若干落ちるかな。
けど通勤(通学)電車の中とかでさらっと読むぶんにはちょうどいいミステリ小説なのではと思う。
作中のギャグとかは(著者が敢えてハズして書いているダジャレとかは別として)スベリ気味だし、
文中でやたらと若者言葉を連発するところも「あー作者若い年齢層狙ってるな~」と
いい大人の身としては読んでいて苦笑いが込み上げてしまうけど、まあそれなりに読めた。
個人的には第一話が一番よかった。
(というか本作、話が進むごとにクオリティが下がっているように思えるのは気のせいだろうか)。
スカッと爽快な物語なのでこの夏には向いているかも。
まあおすすめです。
平成の駆け込み寺が東京・上野にあった!!
トラブルを抱えた人や不法滞在する外国人等、曰く付きの客ばかりの「ホテルパラダイス銀河」。
とある事情でこのホテルで働く西島京志はトラブル処理に奔走する!
★収録作品★
東京甲子園
サムライアフェア
闇に潜る
ホテルパラダイス銀河
***
ドラマ化もされた〝インディゴの夜〟シリーズに比べたらキャラクターもストーリーも
若干落ちるかな。
けど通勤(通学)電車の中とかでさらっと読むぶんにはちょうどいいミステリ小説なのではと思う。
作中のギャグとかは(著者が敢えてハズして書いているダジャレとかは別として)スベリ気味だし、
文中でやたらと若者言葉を連発するところも「あー作者若い年齢層狙ってるな~」と
いい大人の身としては読んでいて苦笑いが込み上げてしまうけど、まあそれなりに読めた。
個人的には第一話が一番よかった。
(というか本作、話が進むごとにクオリティが下がっているように思えるのは気のせいだろうか)。
スカッと爽快な物語なのでこの夏には向いているかも。
まあおすすめです。
楽しい時間が終わる時。
…そう。それは私が死んでしまう四日前の光景。
あの雨の日。大学からの帰り道。突然の交通事故で、
想い人に想いを伝えられないまま息絶えてしまった「私」の瞳に映ったものは――!?
恋愛小説の旗手、泉和良が切り開く、“死(エピローグ)”から始まる物語。
きっとあなたも涙する、せつなさ100%の星海社SF。
***
登場人物のキャラがいいのはさすが泉氏といったところ。
ただ肝心の女主人公が影薄くてあまり印象に残らなかった。
内容も泉氏にしては凡庸。あまり夢中になれないまま最後まで読み終えてしまった。
デビュー作〝エレGY〟は図書館で借りて読後改めて買ってしまったぐらい
よかっただけに残念。
やっぱり泉氏は女主人公の物語を書くより
男主人公とその彼に関わってくるヒロイン、という形で小説を書いたほうが
いいものが生み出せるんじゃないかと思う。
次回作に期待。
…そう。それは私が死んでしまう四日前の光景。
あの雨の日。大学からの帰り道。突然の交通事故で、
想い人に想いを伝えられないまま息絶えてしまった「私」の瞳に映ったものは――!?
恋愛小説の旗手、泉和良が切り開く、“死(エピローグ)”から始まる物語。
きっとあなたも涙する、せつなさ100%の星海社SF。
***
登場人物のキャラがいいのはさすが泉氏といったところ。
ただ肝心の女主人公が影薄くてあまり印象に残らなかった。
内容も泉氏にしては凡庸。あまり夢中になれないまま最後まで読み終えてしまった。
デビュー作〝エレGY〟は図書館で借りて読後改めて買ってしまったぐらい
よかっただけに残念。
やっぱり泉氏は女主人公の物語を書くより
男主人公とその彼に関わってくるヒロイン、という形で小説を書いたほうが
いいものが生み出せるんじゃないかと思う。
次回作に期待。
「……ねえ。逃がして」
社会的要人の弱みを人工的に作る女、ユリカ。
ある日、彼女は出会ってしまった、最悪の男に。
絶対悪VS美しき犯罪者!
大江賞受賞作のベストセラー『掏摸(スリ)』を超える話題作がついに刊行!
***
本作は秋に単行本として発売されるそうですが、
非常によかったので本作が掲載されている雑誌を紹介。
大ヒット作〝掏摸〟とリンクした世界の中で起こる物語。
中村氏の長編小説では初の女性一人称が新鮮。
内容も、純文学ながらサスペンス味たっぷりで読むひとを選びません。
(いや、内容的には頭にこびりついてくるようなシーンや台詞が多いので、
ひとによっては精神をがつんとやられてしまうかも知れませんが)
文章に独特のリズムがあるのですいすい読める。
すいすい読めるのに内容は濃くて、読後も余韻がなかなか頭から離れない。
裏の世界でクールに暗躍する主人公の、時折見せる人間としての素顔の描写もいい。
それがラスト一行に収束を見せ、読み手を魅了する。ぎゅっと心を鷲掴みにする。
主人公のその時々の精神状態が、空に浮かぶ月の変化で語られるのも
独特で雰囲気があってよかった。
ところで本作が掲載されている文藝の五月号なのですが、
最初どの書店に行っても見つからず、仕方なくネットで注文しようとしたら
中古しか出回っておらずしかもその値段が3000~6000円。
私は運よく1890円で売られていたものを(それでも定価より500円ほど高いのですが)
手に入れられたものの、値段は未だ高騰気味で、
「もしや本作を読みたいひとが多くて、だから足元を見た出品者が
値段をふっかけてくるのか?」と思ってしまった。
ファンだからそう思うんだろうと言われてしまえばそれまでだけど、
そう思わせるぐらいの作品だったから我ながら信憑性は高いと思う。
おすすめです。
是非読んでみてください。
社会的要人の弱みを人工的に作る女、ユリカ。
ある日、彼女は出会ってしまった、最悪の男に。
絶対悪VS美しき犯罪者!
大江賞受賞作のベストセラー『掏摸(スリ)』を超える話題作がついに刊行!
***
本作は秋に単行本として発売されるそうですが、
非常によかったので本作が掲載されている雑誌を紹介。
大ヒット作〝掏摸〟とリンクした世界の中で起こる物語。
中村氏の長編小説では初の女性一人称が新鮮。
内容も、純文学ながらサスペンス味たっぷりで読むひとを選びません。
(いや、内容的には頭にこびりついてくるようなシーンや台詞が多いので、
ひとによっては精神をがつんとやられてしまうかも知れませんが)
文章に独特のリズムがあるのですいすい読める。
すいすい読めるのに内容は濃くて、読後も余韻がなかなか頭から離れない。
裏の世界でクールに暗躍する主人公の、時折見せる人間としての素顔の描写もいい。
それがラスト一行に収束を見せ、読み手を魅了する。ぎゅっと心を鷲掴みにする。
主人公のその時々の精神状態が、空に浮かぶ月の変化で語られるのも
独特で雰囲気があってよかった。
ところで本作が掲載されている文藝の五月号なのですが、
最初どの書店に行っても見つからず、仕方なくネットで注文しようとしたら
中古しか出回っておらずしかもその値段が3000~6000円。
私は運よく1890円で売られていたものを(それでも定価より500円ほど高いのですが)
手に入れられたものの、値段は未だ高騰気味で、
「もしや本作を読みたいひとが多くて、だから足元を見た出品者が
値段をふっかけてくるのか?」と思ってしまった。
ファンだからそう思うんだろうと言われてしまえばそれまでだけど、
そう思わせるぐらいの作品だったから我ながら信憑性は高いと思う。
おすすめです。
是非読んでみてください。
…………。
ぼくは、死体が見てみたい――。
森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。
学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を
見物に行くことを決めた…。
触れれば切れるようなセンシティヴ・ミステリー。
★収録作品★
暗黒系 Goth
リストカット事件 Wristcut
犬 Dog
記憶 Twins
土 Grave
声 Voice
***
もう何度読んでるかわからない本作。
読むたびに自分の価値観が覆され、読み終えるころには
決して正常とは言えない精神を持った主人公に完全に同調している自分がいる。
そのことが心地よくて(あとは純粋に面白いから)ついつい何度も読み返してしまう。
蛇足だけど、自分がミステリ作家を志した理由には、本作の存在も含まれています。
「ああ、こんなものを書いてみたいなあ。。。」という憧れ故に。
めちゃくちゃおすすめです。
たった今読み終えたのですがやっぱり何度読もうが面白い。
そして精神がヤバい。主人公と完全にリンクしている。殺したい人間が身近にいなくてよかった。
何はともあれ、是非読んでみてください。
ぼくは、死体が見てみたい――。
森野が拾ってきたのは、連続殺人鬼の日記だった。
学校の図書館で僕らは、次の土曜日の午後、まだ発見されていない被害者の死体を
見物に行くことを決めた…。
触れれば切れるようなセンシティヴ・ミステリー。
★収録作品★
暗黒系 Goth
リストカット事件 Wristcut
犬 Dog
記憶 Twins
土 Grave
声 Voice
***
もう何度読んでるかわからない本作。
読むたびに自分の価値観が覆され、読み終えるころには
決して正常とは言えない精神を持った主人公に完全に同調している自分がいる。
そのことが心地よくて(あとは純粋に面白いから)ついつい何度も読み返してしまう。
蛇足だけど、自分がミステリ作家を志した理由には、本作の存在も含まれています。
「ああ、こんなものを書いてみたいなあ。。。」という憧れ故に。
めちゃくちゃおすすめです。
たった今読み終えたのですがやっぱり何度読もうが面白い。
そして精神がヤバい。主人公と完全にリンクしている。殺したい人間が身近にいなくてよかった。
何はともあれ、是非読んでみてください。
プロフィール
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kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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