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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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それほど、孤独だった。

 

大正時代に東北に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。
1997年3月、村の後継者・東一は美少女マヤと出会った。
自らの王国に囚われた男と、国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、
愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。
過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、脱北者、……
東アジアの片隅の日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。
今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて描き尽くした渾身の長篇小説!

***

〝ポリティコン〟。。。政治的動物、という意味だそうです。

上下巻組の大長編にしては書き込みが足りないような気もしたけど、
(〝政治的動物〟としての人間はこの上なく緻密に描写されているのですが、
登場人物たちの心理描写が中途半端。言ってることとやってることが違ったり、
簡単に前言を翻すその様は最早優柔不断を遥かに通り越して人格破綻の域だし←と言うより
著者に都合よく動かされてる人形のように思える)
面白かった。ラストにも満足。
ただ、〝東一〟と〝真矢〟という本作の柱になっている二人の人間性と関係性を
著者がもっとしっかりと、掘り下げて書いてくれたらより満足がいったのに、とちょっと残念。
同著者の著作〝グロテスク〟と軽く終盤の雰囲気がかぶってしまっていることにも
既視感があってちょっと新鮮味が足りないように感じた。

まあおすすめ。
本作を読んで気に入ったひとは、花村萬月氏の〝王国記シリーズ〟もおすすめです。

それにしても。。。某歌手の歌にもあるけど
〝持つことを欲した者たちは 海と大地を選んだが
自由を欲した者たちは 何も持たずに飛び立った〟
。。。自分ならどっちだろう、とずっと前から考えているけど答えが出ない。
これは人間すべてに突きつけられる命題なのかも知れないな。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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