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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「……ねえ。逃がして」



社会的要人の弱みを人工的に作る女、ユリカ。
ある日、彼女は出会ってしまった、最悪の男に。
絶対悪VS美しき犯罪者! 
大江賞受賞作のベストセラー『掏摸(スリ)』を超える話題作がついに刊行!

***

本作は秋に単行本として発売されるそうですが、
非常によかったので本作が掲載されている雑誌を紹介。

大ヒット作〝掏摸〟とリンクした世界の中で起こる物語。
中村氏の長編小説では初の女性一人称が新鮮。
内容も、純文学ながらサスペンス味たっぷりで読むひとを選びません。
(いや、内容的には頭にこびりついてくるようなシーンや台詞が多いので、
ひとによっては精神をがつんとやられてしまうかも知れませんが)
文章に独特のリズムがあるのですいすい読める。
すいすい読めるのに内容は濃くて、読後も余韻がなかなか頭から離れない。
裏の世界でクールに暗躍する主人公の、時折見せる人間としての素顔の描写もいい。
それがラスト一行に収束を見せ、読み手を魅了する。ぎゅっと心を鷲掴みにする。
主人公のその時々の精神状態が、空に浮かぶ月の変化で語られるのも
独特で雰囲気があってよかった。

ところで本作が掲載されている文藝の五月号なのですが、
最初どの書店に行っても見つからず、仕方なくネットで注文しようとしたら
中古しか出回っておらずしかもその値段が3000~6000円。
私は運よく1890円で売られていたものを(それでも定価より500円ほど高いのですが)
手に入れられたものの、値段は未だ高騰気味で、
「もしや本作を読みたいひとが多くて、だから足元を見た出品者が
値段をふっかけてくるのか?」と思ってしまった。
ファンだからそう思うんだろうと言われてしまえばそれまでだけど、
そう思わせるぐらいの作品だったから我ながら信憑性は高いと思う。

おすすめです。
是非読んでみてください。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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