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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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祭の後片付けは終わらない。



そのテッペンで死体ハッケン、東京タワー立入禁止。
数に呪われた男。謎に愛される少女。
東京タワー、東京ビッグサイト、東京駅、東京スカイツリー。
東京中がミステリー空間に変貌する最新・最速エンターテインメント。

★収録作品★

 333のテッペン 
 444のイッペン
 555のコッペン
 666のワッペン

***

雑誌(今は文庫にもなっています)〝Story Seller〟に掲載されていたものをちょこちょこと
読むよりも、こうして一冊になったものを通しで読むほうがより主人公の内面がわかる。
探偵・赤井との関係の進捗や、主人公の性格の変化もわかりやすい。

独特の筆致で読者を煙に撒いてミステリ的解決(動機とかそういうこと)をぶん投げてしまっている
ところなんかはちょっとおいおいと思うし、韻を踏んだ文章が出てきまくることもちょっと鬱陶しいけど、
まあ楽しめました。
特に一話目と四話目のラストが好きだな。

おすすめです。
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もう少しだけこの夢の続きを。



友なし恋人なし定職なし貯金なし生きがいなし根性なしのダメダメ24歳男子。
ある事故から、希望や夢を俺に与えようとするヤツが現れた。

***

若い!
内容も文体も若い!
ていうか若すぎる。。。成人した大人の読むものじゃなかった。。。というのが率直な感想。
カタカナの使い方も(わざとなんだろうけど)サムいし。
ただ思いつくままに頭に浮かんだエピソードを並べていったらたまたま一冊の本になった、
ってぐらい練り込みも展開もキャラ造形も拙いし。
〝僕の~〟なんて言ってるくせにエア全然主人公に大切にされないし(結局は自我だからか?)、
最後まで絆らしき絆も生まれない。

結局何だったんだろう、と読後あっけにとられた小説。
時間かえせ



でも脳内を思ったようにいじってもらえるのは正直読んでて羨ましかった。。。

うずくまる。この闇の中に。

 

秀明はやや軽めの明るい浪人生。
明るいといっても二浪目に突入したのだから、多少の屈託もないわけではない。
しかし、女子大生の彼女もちゃんといて、携帯メールを間断なくやりとりして、
にやけてみたり、ふて腐れてみたり…。
受験の年の元日の未明、秀明の身体を異変が襲った。
胃を握り潰されるかのような激しい吐き気、強烈な圧迫感。
それは底なしの恐怖の序章に過ぎなかった。

***

ページ数の割に読みやすい本作。
すいすい進んで読破しましたが。。。

オチよめる。
かと思いきや伏線も何もなくとんでもない新事実が出てきたりして
驚くというより呆気にとられ、
と思ったらいかにもな感じで引かれた伏線が拾われないまま終わったりして、
本を閉じるときには「何だったんだこれ。。。」と虚脱状態。

本物のホラーやミステリを期待している人は絶対読まないほうがいい。
ていうかこれが、直木賞作家の小説。。。? 信じられない。

おすすめしません。

whiteowl.jpg








その存在の永遠が。



「貴方(あなた)が、いなかった、彼方(あなた)」。
あなたは、ここにいるけれど、いない。この世界には、自分がいることの出来ない場所が無数にある。
だからこの本で、本当のあなたを見つけ出して下さい。
小説による挿絵、多重同時進行小説、絵画を文字で描くetc.紙の上で挑戦し得る
様々な形式の作品を集めた画期的試みの短篇集。

★収録作品★
 
 やがて光源のない澄んだ乱反射の表で…『TSUNAMI』のための32点の絵のない挿絵
 鏡 
 『フェカンにて』
 女の部屋
 一枚上手
 クロニクル
 義足
 母と子
 異邦人#7‐9
 モノクロウムの街と四人の女
 慈善

***

昔一度読んで途中で挫折してしまった本作。
今回はどうにかついていけました。

どの話もオチが弱いのと、何が言いたかったのか(難解じゃない話でも)わからないものが
多かったという点で高得点はつけがたいけど、まあ面白かった。
ただこれは平野啓一郎作品、もしくは純文学を読み慣れてない人が
最初に手にとるべき本じゃない。
平野氏の小説なら〝日蝕〟〝葬送〟(あとは読みやすいという点で〝顔のない裸体たち〟)を、
読んでから読むことをおすすめします。

実験的小説、というよりは冒険的小説であると本作を読んで思う。
たった一行の小説なんかが出てくるし、思考より視覚に訴えてくるとんでもない短編も入ってる。
それが小説という垣根を飛び越えようとした結果描かれた物語なのだとすれば、
諏訪哲史氏の〝りすん〟のほうが成功していると言わざるを得ないけど、
これはこれで面白い。

おすすめです。
ただし上記のとおり、純文学、もしくは平野作品の入門書として読むのだけは×。



余談:
表紙は著者本人なんだろうか。。。
何かそんな風に見えるんだけど。。。
気のせいか?

僕は人間ではないのだから。



飼育係になりたいがために嘘をついてしまったマサオは、
大好きだった羽田先生から嫌われてしまう。
先生は、他の誰かが宿題を忘れてきたり授業中騒いでいても、
全部マサオのせいにするようになった。
クラスメイトまでもがマサオいじめに興じるある日、
彼の前に「死にぞこない」の男の子が現れた。
ホラー界の俊英が放つ、書き下ろし長編小説。

***

乙一氏が編集サイドに「好きなように一作書いてください」と依頼され執筆した本作。
確かにのびのび書いているのが読んでいて伝わってきた。
〝ビックリマン〟とか〝コロコロコミック〟とか〝ゾイド〟とかの固有名詞がばんばん出てきて
著者と同世代の身としては非常に懐かしくて嬉しい。

人物の心が丁寧に書かれているのでそこも読んでいて面白かった。
というかもうこれひょっとして乙一氏の自伝なんじゃないの?ってぐらい
主人公を通して著者の人となりが伝わってくる。
その点ではエッセイのようで興味深かった。

学生時代古典の教師Kに授業中に机を蹴っ飛ばされた(実話)身からすれば
ラストの主人公の復讐の仕方は真似したかったところだ。

おすすめです。
見えない敵と戦うことの地獄。



首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、
虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。
彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?
事故か、他殺か、1本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。
第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。

***

前半は業界話ばかり、中盤~後半は主人公と麻生の意味不明なストーカーごっこが延々。
何度途中で投げ出そうとしたか知れませんが、読み終えた今、
最後まで読み通してよかったという感想しかない。
ここまで大きなテーマを孕んだミステリというものをここしばらく読んだことがなかったので、
琴線に触れた。この物語に出会えてよかった。
クライマックスの〝~に身を投じよう〟という表現、そしてラスト二行に寒気が走った。
素晴らしいです。でもだからこそ、うんちくで終わってしまった前半と
やたら冗長だったストーカーごっこに物語の大部分が割かれてしまったことがもったいない。

でもおすすめです。
〝パラサイト・イヴ〟だって専門用語連発だったけど面白かったもんね。。。

嘘は書かない。



あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。
高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。
女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。
そこには五年前の「事故」が影を落としていた。
真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る――。
書簡形式の連作ミステリ。

***

連作ミステリというから全部の話が繋がってるのかと思いきや、
三話の中篇からなる本作。
感想を言えばまあまあの秀作。それ以上でも以下でもない。
あの大ヒット作〝告白〟と比べることはもうさすがになくなったけど
それでも手放しで面白いとは思えない。文章の意味がわからなかったり構成が稚拙だったり
するから。
最後の一話なんか途中まで知人の面白くも何ともないホームビデオ観させられてる感覚だったし、
オチは甘甘。何だか薄っぺらい印象を受けた。

でもここのところ湊さんの作品は(個人的見解だけど)劣化の一途をたどっていたから
今回の微妙な盛り返しは読者としては嬉しい。
メールメールのこのご時勢に手紙の温かさやいい意味での直裁さ、
手紙でしかできないやりとりを読む人に思い出させてくれるだろう点も評価。

まあおすすめです。
扉は開かない。



最も注目される若手ナンバーワン、乙一のホラー短編集。
毎日届く恋人の腐乱死体の写真。
彼女を殺したのは誰?
「犯人探し」に奔走する男を描く表題作ほか、書き下ろしを含む全10編を収録。

★収録作品★

カザリとヨーコ
血液を探せ!
陽だまりの詩
SO-far そ・ふぁー
冷たい森の白い家
Closet
神の言葉
ZOO
SEVEN ROOMS
落ちる飛行機の中で

***

表題作〝ZOO〟がすごすぎて素晴らしすぎて
それ以外にも傑作が目白押しでついつい何度も手にとってしまう本作。
(あまりに好きすぎて映画版のDVDまで買ってしまったほど)
もうこれで何回読んだの、って感じで今更レビューも何もないのですが、
やっぱりいい。読むたびに新しい発見がある。面白くない話も正直2、3入ってるんだけど
本作を読んで面白いと思わない人とは私は気が合わないと思う。

ただ読んでいて面白いと思うだけじゃなく「こんな文章書きたい」とも思わせてくれる名作。
映画版もかなりおすすめ(残念なことに、私の一番好きな〝ZOO〟が駄作なのですが。。。)

おすすめです。
あとはただ狂うだけだ。



中学校で起きた無差別殺傷事件。物語が二転三転していくなかで暴かれる戦慄の真相とは…。
11月4日午前8時30分。ある私立中学校に1人の男が侵入する。1人の女子生徒が、
彼の行動を見て叫んだ。「みんな逃げて!」果敢に男に立ち向かう彼女を悲劇が襲う。
そして事件後、警察で秘かに行われた、ある特別な「再現」。そこから、思いもよらない事実が
明らかになっていく…。
スピーディーな展開に目が離せない。斬新な視覚効果を図った実験的小説が誕生。
第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

***

めっちゃ面白い&斬新!!
と思うか
何だこのオチ。ふざけんな。
と思うかに分かれそうな本作(ちなみに私は折衷派です。
ラストの真相にはかなり驚いたし興奮でゾクゾクもしたけど
そこに至るまでがちょっとはしょりすぎじゃないかと思ったので。
オチ以外も「あとは読者の皆さんの想像におまかせします」的なところが多すぎ)。

でも一つの物語をここまで熱く「先を読みたい」「早くどうなるか知りたい」と思いながら読んだのは
久々なので著者に感謝。楽しませてもらいました。

ある中学校の教室で起きた殺人事件を超丁寧に図解しながら物語が進むので
非常に読みやすい。起きていることを把握しやすい(そして真相がわかるときの図解が怖すぎる)。
ミステリ入門書として読んでも結構いいかも知れない。

おすすめです。
「幼稚園児でも知ってるよ」
「幼稚園児が知っていても、大人が知らないことはあるんだよ」



元殺し屋の「木村」は、幼い息子に重傷を負わせた相手に復讐するため、
東京発盛岡行きの東北新幹線“はやて”に乗り込む。
狡猾な中学生「王子」。
腕利きの二人組「蜜柑」&「檸檬」。
ツキのない殺し屋「七尾」。
彼らもそれぞれの思惑のもとに同じ新幹線に乗り込み――
物騒な奴らが再びやって来た。『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。
3年ぶりの書き下ろし長編。

***

前作〝グラスホッパー〟において、著者の伊坂氏は
「本当は四人主人公がいて彼らを交互に書くことで物語を進めていきたかった。
だが知人に『四人は多すぎる』と言われ本作は三人主人公で書くことにした」
と言っていたのに、今回は何と六人。多いわ! と思ったものの、
いざ読んでみるとさして苦もなくすらすら読めるこの不思議。
やっぱり伊坂氏の筆力(構成力)が上がっているのかな。
構成の妙は本作よりも〝ラッシュライフ〟のほうがずっと上だけど。

これだけばんばん人が死ぬのにコミカルで後味の悪くない小説というのも珍しい。
ただ、中学生のキャラだけは氏のデビュー作〝オーデュボンの祈り〟の某キャラと被るので
もうちょっと違った性格でもよかったんじゃないかと思う。

めちゃくちゃ面白い!というほどではありませんが、楽しめました。
(今回は伊坂作品に特有のあのサムい(ごめんなさい伊坂さん)ギャグも少なかったし)
おすすめ。



ところで各エピソードの頭に捺してあるハンコ、
どうして〝木村〟がひとつだけ歪んでるのがあったんだろ。何か意味あるのかな? 
気になる。。。
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kovo
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自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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