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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「そんなァ。あたしはただ、長い間解決できなかった猟奇殺人事件を解決しただけですから」



ぼく花山仁は迷宮入り事件を捜査する特捜班に配属された。
憧れの刑事になれたと喜んだのも束の間、他のメンバーを知って愕然とする。
囮捜査で左遷された前泊ナナ、定年間近の久保主任…。要は警視庁のお荷物軍団なのだ。
極めつけは波田煌子とかいう犯罪心理分析官。
野暮な容姿と惚けた言動。プロファイルはおろか心理学についての知識さえ覚束ない。
「エレベーターガール生首ゴロリ事件」「プロ野球スモール人形殺人事件」など、
立ちはだかる七つの難事件をぼくらは解決できるのか。

★収録作品★

 涙の赤い薔薇 
 涙の冷蔵庫殺人
 涙の海岸物語
 涙のエレベーターガール
 涙の少女人形 
 涙のクニタチーゼ
 涙のサヨナラホームラン

***

なみだ研究所へようこそ!〟の続編。
心療クリニックから警察へと場を変えて、波田煌子がまたしても大活躍です。

。。。が、一時期デスノート第二部でのニアの推理が「超能力推理」と揶揄されていたのと
似て、「いくらなんでもそれだけの情報でそこまでわかるわけないだろうよ」と
突っ込みたくなってしまう部分がけっこう多かったかな。
シリーズ一作目は辛うじて真っ当な推理によってたどり着ける地点に答えがあったし。

でも猟奇殺人を犯す人間の心の動きはリアルに描写されていて全部面白く読めた。
毎回時事ネタがギャグとして入るのにもくすりとできる(まあ、数年後に読み返したら
「うわ、ネタ古っ!」と思うんでしょうが。。。)。
オチが一作目と同じになるかと思いきや斜めに逸れていったのにも笑えた(一作目のラストは
正直「ケッ」と思ってしまったもので)。

天才ながらものほほんとした煌子のボケへの語り部・花山くんのツッコミも、
いささかお高くとまっていて自信過多だった一作目の語り部と比べるとほほえましいし
息も合ってるし楽しく読み進められた。

やっぱり鯨氏はこういうコメディっぽいミステリを書かせたほうが圧倒的に面白いよなー。
(前回読んだ同著者の〝MORNING GIRL〟には正直キレかけたし)

おすすめです。
因みに前もってこれ↓を読んでおくと、本作がより面白くなること請け合い。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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