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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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無駄にするな。



存在を秘匿された組織、市ヶ谷・防衛庁情報局で過酷な任務に身を投じる
工作員の男たち、女たち…。
「いまできる最善のこと」「畳算」「サクラ」等、全6編を収録した初短篇集。

★収録作品★

 いまできる最善のこと
 畳算 
 サクラ
 媽媽(マーマー)
 断ち切る
 920を待ちながら

***

直木賞候補にもなった福井氏初短編集。
上下巻組の大長編を執筆することが主な彼の、短編ならではの魅力を堪能することができます。
(とはいえ〝断ち切る〟は〝媽媽〟の後日談だし、〝920を待ちながら〟は
同著者の某長編と主人公がかぶっていたりするので、正確には連作といったほうが
いいのかもしれませんが)

福井氏の長編は〝暗い過去を抱え心を閉ざした青年の心をうだつのあがらない中年主人公が
行動を共にしていくうちに徐々に開いていく〟というパターンが多いですが、
この短編集はそのマンネリパターンを(一話をのぞいて)見事に一掃しているので、
長編モノしか読んだことのない人でも新鮮に読むことができるはず。

ちなみに私的には〝媽媽〟が本作中で一番琴線に触れた物語なのですが、
ヒロインの性格が自己中で軽くメスっ気(汚い言葉ですいません)が強くて
どうしても好きになれずそれだけが残念。
それ以外の主人公はほぼ皆好印象なのですが。

福井作品の入門書としてor〝亡国のイージス〟ファンにおすすめの一冊です。

因みに蛇足ですが、上記で紹介した文庫版じゃなくハードカバーのほうが
表紙も帯も無茶苦茶かっこいいです。
なので私は敢えてそっちを買ってしまった。



本作と〝亡国のイージス〟の時間軸的にちょうど中間になる物語↓
もおすすめ(福井氏原作のマンガですが)。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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