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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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With one look,I can break your heart.



賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。
その能力を活かして阪神大震災後、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、
西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。
由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。
このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて
幾つかの人格と言葉を交わす由香里。だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、
彼女は身も凍る思いがした――。
第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。

***

読みすぎて単行本が磨り減っているぐらいの愛読書。
とはいえ大人になった今読み返すと、
エンパスだの幽体離脱だのホラーというよりファンタジー要素が強すぎて
子供だましに感じるところもなきにしもあらずなのだけれど、
それでもギリギリ説得力のあるライン内に収めているところが貴志氏の貴志氏たる所以だと思う。

男女の恋愛描写の下手さ(貴志さんすいません)は
初期も初期の作品なだけあり貴志作品の中でダントツですが。。。

それにしても、漢字の意味から解離性同一性障害(多重人格障害)の別人格たちに
名前を付ける、という貴志氏のセンスには脱帽。
それが〝ISOLA〟の意味にもうまく絡んでるしラストの恐怖に一役も二役も買ってるし。
よくテレビで多重人格のひとのドキュメンタリーやってるけど、
そこに出てくる別人格の名前よりありそうで物語が現実的に感じられた。

おすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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