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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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生まれる前に戻りたい、と。



1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。
主人の乙太郎さんと娘のナオ。奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で
亡くなっていた。どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。そして、
彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕舞い込んだままでいる。
乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、私は死んだサヨによく似た女性に出会う。
彼女に強く惹かれた私は、夜ごとその屋敷の床下に潜り込み、老主人と彼女の情事を
盗み聞きするようになるのだが…。
呑み込んだ嘘は、一生吐き出すことは出来ない――。
青春のきらめきと痛み、そして人生の光と陰をも浮き彫りにした、極上の物語。

***

純文テイストの強いミステリ。
その割りには主人公、あれだけのことをしておいて何で自殺しようとか思わないの?と
心理描写の描き込みの甘さをちょっと指摘したくなったけど。
特に葛藤するでもなく結婚して子供まで作ってってのもちょっとなあ。。。

タイトルもいまいち内容に合ってない感じ。
ありがちに蛇=死とたとえるならまだわからなくもないけど。

そしてサヨという少女、彼女のキャラをもっと活かせたんじゃないかと残念。
それは智子も一緒かな。

それにしてもこういう、自分に非があるのかないのかわからない罪で
苦しんで自分を責めている人っていうのは思った以上に世の中に存在するんだろうな。

しかし道尾氏、〝星の王子さま〟好きですね。

蛇足ですが本作を面白いと感じた人は似たテイストの〝チューイング・ボーン〟もおすすめ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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