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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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私を見ないで。



東京でカメラマンとして活躍する弟。
実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。
対照的な兄弟。だがふたりは互いを尊敬していた。あの事件が起こるまでは…。
2006年7月公開映画を、監督自らが小説化。

***

様々な人の証言から意外な真相が導き出されていく――
〝愚行録〟(貫井徳朗)や〝Q&A〟(恩田陸)っぽい構成の小説です。
ただ、映画のノベライズであるせいか、上記二作と比べると、文章や構成がうまい割りに
小説と呼ぶにはどこか薄っぺらであっけない印象を受けた。
けれど、その後の展開を敢えて書かず読み手の想像に委ねるラストシーンには
感動と心地よい焦燥感がこみ上げてきて、思わず主人公二人のために祈ってしまった。
〝ハイドラ〟(金原ひとみ)のラストでも感じたけど、こういう
「え、結局どっちに転ぶの?!」というところで終わってしまう話というのが
切なくてスリリングで自分的にはすごく好きです。

おすすめですが、でもやっぱりこれはまずは映画を観るべきかもな、と思う。
今度借りてくる予定です。



◆後日談◆



映画観ました(10/14)。
オダギリジョーの演技が微妙だったことをのぞけば、終始淡々とはしているものの
良質な映画だった。
ラストの兄弟を隔てる道路が〝川〟を暗示しているようで、そこに橋がかかるかどうか
思わず息をつめて見守ってしまうのはやはり〝映像〟ならではの効果。
でもラストシーンの緊張感と余韻は小説のほうが好きかな。
映画はその後〝兄〟がどうするかなんとなく予測できてしまう感じだったし。
でも全体的には映画のほうがよかった。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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