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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「大好きだから、そうしたのよ」



善悪ってなに? 何を基準に誰が決めるの?
医学部合格の太鼓判を押されている桂木涼子が始めた「悪魔の実験」。それは、
最愛の母親に劇薬タリウムを飲ませることだった…。
『ポンツーン』連載を加筆・修正し単行本化。

***

面白いといえば面白いんだけど、
実際にあった事件に多少の色づけをして書いているだけ、という点では
著者の力量を素直に認めづらい作品ではある(〝東京タワー〟(リリー・フランキー)や
〝フラッシュバック〟(永井泰宇)と同じような)。
それにやっぱり実話となるとさすがに面白いと思っている自分に嫌気がさして
どうにものめりこみづらいんだよな。。。(じゃあ読むなよという話ですが)

ヒロインが猟奇的行動に走るに至った理由や経緯も、とりあえず作中で
説明されてはいるもののどこか輪郭がぼんやりしていて掴みづらいし、
彼女が何度も声高に叫ぶ〝主張〟も、ありがちな上にちょっと宗教がかっていて
賛同しにくかった(って賛同しちゃまずいんだけど)。
しかもところどころに、彼女は統合失調症を発症しているのではと匂わせる描写があり、
一体ヒロインは独自の論理に基づいて冷静に行動しているのか、それとも病が彼女に
そうさせているのか、最後までよくわからなかった。
最後といえば、オチの会話ベタすぎて冷めた。

決してつまらなくはないんだけど。。。
おすすめはしづらい作品です、いろんな意味で。
〝ミステリ〟ってジャンルにおいては、実話を基にした話なんて
読むもんじゃないなと思い知らされた一冊だった。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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