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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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大丈夫、もう僕たちしか残っていない。
楽しもう。




どこまでもはてしなく、リズムとともに続くブルー。
どこまでも細く、蛇のようにうねるスモーク。
これが僕たちの場所。あれが僕たちの墓。
飛ぶために生まれてきた子どもたちの果てしない物語、「スカイ・クロラ」シリーズ完結。

***

。。。わからない。
シリーズ最終巻の本作、全作丹念に読み込んできた私でも理解に難い。
まず語り部が誰かわからない。
巻ごとに語り部が変わる本シリーズ、これまでの語り部は
カンナミ・ユーヒチ、クサナギ・スイト、クリタ・ジンロウの三人のいずれか一人だったのに、
本作ではシーンごとに〝語り部〟の記憶や行動、台詞がその三人にシフトするので(特に
カンナミとクリタにその傾向が顕著)、誰が本作を語っているのか判断できない(皆一人称は
〝僕〟だし)。
敢えてそう描写することで物語とその読み手との間の壁を取り払い、
〝自分が誰かわからない、あいまいな存在の僕〟、つまりは〝僕=読者〟という風に
読み手に思わせたかったのかとも一瞬思ったけど、まさかそんな
ネバーエンディングストーリー的な狙いで著者が本作を書いたとも思えないし。
ラストでソマナカが〝僕〟に言いかけた台詞の続きも情けないことに予測できない。

映画〝スカイ・クロラ〟における解釈を原作である本書にも当てはめれば
何がどうなっているのかを理解することは可能だけど、できれば原作だけで
著者の言わんとすることを悟りたかったな。まだまだ修行が足りないようです。。。

本作を正しく理解できた方は是非ご一報ください。

それにしてもこのシリーズは、最終巻を読んだあと第一作目を読みたくなる小説だよなー。
(時系列的には一作目がエンディングなので、当たり前ではあるんだけど)
読めばこの漠然とした読後感が目からウロコに変わるでしょうか。
もう一度読んでみよっと。

でも、本作のタイトルに〝Cradle(ゆりかご)〟という単語が使われていることを踏まえて考えると、
やはりクリタは全作のラストで死んでいて(どうにも読んでいてそう思えた)、その代わりに
〝製造〟されたクリタの生まれ変わりとしてのカンナミが本作の語り部であり、
時おり記憶がクサナギとリンクするのは〝製造〟の際の些細なミス、もしくは製造者が意図的に
カンナミに織り込んだものであるのかもしれない
、という気がしないでもないけど。。。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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