歌が、始まる。
誰にでもその人だけの歌(ストーリー)がある――
恋人に、友達に、きっと伝えたくなる7つのやさしい物語。
『東京バンドワゴン』の著者が描く珠玉の短編集!
★収録作品★
クラプトンの涙
左側のボーカリスト
唇に愛を
バラードを
笑うライオン
その夜に歌う
明日を笑え
***
著者の既刊に〝歌〟がやたらタイトルやモチーフに出てくるものが多いので
たぶん音楽好きな作家さんなんだろうなとは思ってましたが、ついに
音楽だけをテーマにした短編集を出してきましたねー。
歌をやっている私としては嬉しい限り。
全体的にちょっとクサめですが(そして文体が甘くてやわらかい感じなので
どちらかというと小説というより童話っぽいですが)なかなかの良作でした。
〝クラプトンの涙〟はほどよくミステリ要素が入っていてラストであっと驚かされるし、
〝左側のボーカリスト〟も登場人物二人の運命的な絆の深さにじんとさせられる。
多少ネタやオチがかぶっている話があったり、〝バラードを〟のように
「それはちょっと無理があるだろ」的な話も中にはあるし(ネタばれにならない程度にいうと、
もしこの話が現実にあったら、書かれる曲はバラードではなくレクイエム、あるいはもっと
絶望的な旋律になるはず)、クサすぎて思わず失笑してしまった話も(すいません性格歪んでて)
いくつか収録されていますが、読んで決して損はしないはず。
それにしても、作中のある登場人物が奏でる曲のタイトルに
〝HEART BEAT〟(小路氏の既刊)が使われていたのには
氏の遊び心を感じてファンとして嬉しかったなー。
おすすめの一冊です。
ただ細かい難をいえば、氏の作品って語尾が「~なんだ。」「~だったんだ。」が多くて
しかもその使い方が不自然なので、そこさえ直してくれればなーと読むたび毎回思ってしまう。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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