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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「だが、本物だ」



インチキ催眠術師の前に現れた不気味な女性。突然大声で笑い出しては、
自分は宇宙人だと叫ぶ彼女が見せる予知能力は話題となり、
日本中のメディアが殺到した。その頃、二億円もの横領事件の捜査線上には、
ある女性が浮かび上がっていた。
臨床心理士・嵯峨敏也が超常現象の裏を暴き巨大な陰謀に迫る松岡ワールドの原点。

***

うーん。。。
多重人格系の話なら〝ISOLA〟(貴志祐介)とか〝39〟(永井泰宇)のほうが
よっぽど面白かったなあ。。。
本作は心理学をテーマに扱っている割に精神病理についての説明があまりにもアバウトというか
いい加減というか。。。これがけっこう昔の作品だということを差し引いて考えても、
これは統合失調症や解離性同一性障害(いわゆる多重人格)という病気に対して
読み手に間違った解釈を与えかねない小説のような気がする。
ミステリとしても冗長で、やたら長い割りにはありきたりな結末だったし。
ただ、〝催眠〟というものに対して抱いていた私の偏見(というか思い違い)を
修正してくれたことには感謝。恥ずかしながら催眠ってものは、よくテレビでやってる類の
うさんくさいものだと思っていたので。
(でも実際〝催眠療法〟と銘打っている病院にもヤブなはかなりあるので
受診する人はよく下調べをしてから治療を受けるのが賢明です)

で、最後に言いたいのは。。。
あとがきで解説を書いていた某氏が「そんなことは突っ込むだけ野暮だ」と書いてはいたけど、
敢えて突っ込ませてもらう。

こんな臨床心理士いねえよ!


一人の人間にここまでいちいち時間割いて心砕いてたら(しかも無料で)身がもたんわ。
まあ私自身が今カウンセリングを受けている身なのでやっかみも多少ありますが。。。

因みに蛇足ですが〝統合失調症〟〝解離性同一性障害〟等の精神病について
正しい知識を得たい人には〝症例A〟(多島斗志之)がおすすめ。
かなりリアルに精神病理の実情が書かれており、小説としても面白いです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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