けれどもやはり最後には、孤独だけが残るだろう。
自殺した親友が残したフロッピーと彼の名を使って僕は作家になった。
ある日突然何も書けなくなった僕は、彼が生きているのかと疑い、死の真相を追い始める。
生と死のパラレルワールドを潜りぬけて神を殺す小説家の物語。
***
つまらなかった。
それ以上でも以下でもない。
印象にも残らないので感想を書くのが難しいけど、
特に(自分的に)駄目だったところを以下に箇条書きにしてみる。
◇先の展開どころか次にどういう文章が来るかまで読めてしまう。
「どうせ次は主人公がこんな台詞言うんだろうな」「こういう行動起こすんだろうな」
というところがほとんどすべて先にわかってしまう。これはプロ作家としては致命的なのでは。
◇劣化村上春樹。
知り合った女性と理屈っぽい会話をしながら結局最終的にはセックスするだけ。
それも文章や構成があまりうまくないのでマンネリにもほどがありすぎる、と感じる。
◇モチーフである〝ビートルズ〟〝不思議の国のアリス〟が内容にうまく溶け込んでない。
「そこでビートルズ(もしくはアリス)を出すのはこじつけだろう」という箇所が多すぎ。
◇場面と場面がうまくつながっていない。
パッパと目まぐるしく変わるシーン。
でもだからといって新しい展開の連発、というわけじゃなく
ただ時間軸や舞台や会話相手が微妙に変わるだけなので退屈。
おすすめしません。
唯一褒められる点があるとすればあとがき。それだけは面白かった。本編よりずっと。
本編は〝盗作〟というより〝倒錯〟。ごたごたのぐだぐだだった。
本作を読んだ〝伊藤たかみ〟さんはどんな感想を持つのか知りたい。
それにしても、村上春樹の〝ノルウェイの森〟のキズキなんかは
作中で人となりの描写がほぼ皆無なのにも関わらず圧倒的な存在感を持っていたのに対して、
本作のカツミのキャラクター性の乏しいこと。。。
それだけでも実力の差がしのばれるというもの。
本作を読むなら〝ノルウェイの森〟を読んだほうが遥かにいいです。偉そうに言わせてもらえれば。
(そういえば〝ノルウェイ~〟もビートルズだし)
自殺した親友が残したフロッピーと彼の名を使って僕は作家になった。
ある日突然何も書けなくなった僕は、彼が生きているのかと疑い、死の真相を追い始める。
生と死のパラレルワールドを潜りぬけて神を殺す小説家の物語。
***
つまらなかった。
それ以上でも以下でもない。
印象にも残らないので感想を書くのが難しいけど、
特に(自分的に)駄目だったところを以下に箇条書きにしてみる。
◇先の展開どころか次にどういう文章が来るかまで読めてしまう。
「どうせ次は主人公がこんな台詞言うんだろうな」「こういう行動起こすんだろうな」
というところがほとんどすべて先にわかってしまう。これはプロ作家としては致命的なのでは。
◇劣化村上春樹。
知り合った女性と理屈っぽい会話をしながら結局最終的にはセックスするだけ。
それも文章や構成があまりうまくないのでマンネリにもほどがありすぎる、と感じる。
◇モチーフである〝ビートルズ〟〝不思議の国のアリス〟が内容にうまく溶け込んでない。
「そこでビートルズ(もしくはアリス)を出すのはこじつけだろう」という箇所が多すぎ。
◇場面と場面がうまくつながっていない。
パッパと目まぐるしく変わるシーン。
でもだからといって新しい展開の連発、というわけじゃなく
ただ時間軸や舞台や会話相手が微妙に変わるだけなので退屈。
おすすめしません。
唯一褒められる点があるとすればあとがき。それだけは面白かった。本編よりずっと。
本編は〝盗作〟というより〝倒錯〟。ごたごたのぐだぐだだった。
本作を読んだ〝伊藤たかみ〟さんはどんな感想を持つのか知りたい。
それにしても、村上春樹の〝ノルウェイの森〟のキズキなんかは
作中で人となりの描写がほぼ皆無なのにも関わらず圧倒的な存在感を持っていたのに対して、
本作のカツミのキャラクター性の乏しいこと。。。
それだけでも実力の差がしのばれるというもの。
本作を読むなら〝ノルウェイの森〟を読んだほうが遥かにいいです。偉そうに言わせてもらえれば。
(そういえば〝ノルウェイ~〟もビートルズだし)
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さぁ、進化の時間だ。
停学明けの一週間ぶりの学校で、僕らを待っていたのは、
「第一学年団体訓練開催のお知らせ」だった…。
ザ・ゾンビーズ結成前夜を描く、シリーズ、完結篇。
***
ゾンビーズシリーズで一番つまらなかった。。。
ページ数も少ないし(一時間半で読破)、短編もしくは中編でやってくれたほうがいい薄い内容。
ゾンビーズシリーズは前から好きで、その完結編ということでかなり期待していたのに、
地味な展開に似たような会話や地の文のオンパレード。
「マンネリ」という言葉がぴったりの内容だった。
あまりおすすめしません。
〝フライ・ダディ・フライ〟なんかはすごい面白かったんだけどな~。
残念。
停学明けの一週間ぶりの学校で、僕らを待っていたのは、
「第一学年団体訓練開催のお知らせ」だった…。
ザ・ゾンビーズ結成前夜を描く、シリーズ、完結篇。
***
ゾンビーズシリーズで一番つまらなかった。。。
ページ数も少ないし(一時間半で読破)、短編もしくは中編でやってくれたほうがいい薄い内容。
ゾンビーズシリーズは前から好きで、その完結編ということでかなり期待していたのに、
地味な展開に似たような会話や地の文のオンパレード。
「マンネリ」という言葉がぴったりの内容だった。
あまりおすすめしません。
〝フライ・ダディ・フライ〟なんかはすごい面白かったんだけどな~。
残念。
さようなら。
ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。
しかし幸福な新婚生活は長くは続かなかった。義父である当主・龍之助が何者かに殺害されたのだ。
真犯人は誰なのか? 弁護側が召喚した証人をめぐって、生死を賭けた法廷での闘いが始まる。
「弁護側の証人」とは果たして何者なのか?
日本ミステリー史に燦然と輝く、伝説の名作がいま甦る。
***
昭和30年代に発表されたミステリ。
けれど古臭さというものを一切感じさせず、また内容も非常に面白く一気に読めた。
筆致や物語構成は落ち着いていてシンプルなのに、ラストで見せ付けられた
大逆転劇のインパクトは凄まじく読みながら「うおお」と思わず唸ってしまった。
ミステリファンのひとには片っ端から宣伝して回りたいぐらいにおすすめ。
文庫の最後で道尾秀介氏が解説を書いていて、
「正直この物語は面白すぎて誰にも教えたくなかった」と書いているのだけど、
さもありなんという感じ。
ミステリ初心者でも入り込みやすい内容だと思うので
ふだんミステリにあまり興味がないというひとも是非一読を。
それにしても、ここまで登場人物の印象が最初と最後で覆るミステリには
これまでお目にかかったことないなあ。。。
著者は酔って階段から落ちるという事故で早世してしまっているのですが(中島らもさんと
同じだな)、もし生きていればいつかがんばってプロになった際
是非一度話をしてみたい作家さんだった。
繰り返しになりますが非常におすすめです。
ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。
しかし幸福な新婚生活は長くは続かなかった。義父である当主・龍之助が何者かに殺害されたのだ。
真犯人は誰なのか? 弁護側が召喚した証人をめぐって、生死を賭けた法廷での闘いが始まる。
「弁護側の証人」とは果たして何者なのか?
日本ミステリー史に燦然と輝く、伝説の名作がいま甦る。
***
昭和30年代に発表されたミステリ。
けれど古臭さというものを一切感じさせず、また内容も非常に面白く一気に読めた。
筆致や物語構成は落ち着いていてシンプルなのに、ラストで見せ付けられた
大逆転劇のインパクトは凄まじく読みながら「うおお」と思わず唸ってしまった。
ミステリファンのひとには片っ端から宣伝して回りたいぐらいにおすすめ。
文庫の最後で道尾秀介氏が解説を書いていて、
「正直この物語は面白すぎて誰にも教えたくなかった」と書いているのだけど、
さもありなんという感じ。
ミステリ初心者でも入り込みやすい内容だと思うので
ふだんミステリにあまり興味がないというひとも是非一読を。
それにしても、ここまで登場人物の印象が最初と最後で覆るミステリには
これまでお目にかかったことないなあ。。。
著者は酔って階段から落ちるという事故で早世してしまっているのですが(中島らもさんと
同じだな)、もし生きていればいつかがんばってプロになった際
是非一度話をしてみたい作家さんだった。
繰り返しになりますが非常におすすめです。
もうすぐ君の元へ行く――。
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。
そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる――。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。
***
小説というよりは、数々のひとにインタビューしたものを本にした〝ドキュメント〟の体裁。
(村上春樹氏の〝アンダーグラウンド〟のような)
インタビュアー役の主人公とその姉が、かつて軍人だった老人たちに一人ずつ会いにいく。
そして彼らの物語を聞いていく。
最初は「正直これだったら、わざわざ小説の形態をとらなくても
単なるドキュメンタリーでいいんじゃ?」と思ったけど、
終盤は主人公の祖父である宮部の存在にかなり泣かされてしまった。
彼と主人公たちがいてこその本作だったんだなと思えた。
(というか本を読んで泣いたのは本当に久しぶりで自分でも驚いた)
老人たちの語りに対する主人公の姉のリアクションがいちいち大袈裟で
むかついたけど(というかこの姉のキャラクター自体好きになれなくて邪魔だったけど)
&インタビュイーである某老人の昔語りを聞いてあっさり改心するその老人の不良気味の孫には
「ありえないだろ、簡単すぎだろ」と突っ込みを入れたくなったけど、
それ以外は総じて高評価。
おすすめです。
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。
そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる――。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。
***
小説というよりは、数々のひとにインタビューしたものを本にした〝ドキュメント〟の体裁。
(村上春樹氏の〝アンダーグラウンド〟のような)
インタビュアー役の主人公とその姉が、かつて軍人だった老人たちに一人ずつ会いにいく。
そして彼らの物語を聞いていく。
最初は「正直これだったら、わざわざ小説の形態をとらなくても
単なるドキュメンタリーでいいんじゃ?」と思ったけど、
終盤は主人公の祖父である宮部の存在にかなり泣かされてしまった。
彼と主人公たちがいてこその本作だったんだなと思えた。
(というか本を読んで泣いたのは本当に久しぶりで自分でも驚いた)
老人たちの語りに対する主人公の姉のリアクションがいちいち大袈裟で
むかついたけど(というかこの姉のキャラクター自体好きになれなくて邪魔だったけど)
&インタビュイーである某老人の昔語りを聞いてあっさり改心するその老人の不良気味の孫には
「ありえないだろ、簡単すぎだろ」と突っ込みを入れたくなったけど、
それ以外は総じて高評価。
おすすめです。
「灯りをともすとはいいものだな……」
「しずくは観覧車に乗りたい」
富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、
観覧車の客車から泡となって消えた。水神の怒りに触れて浅草は水中に沈んだのか。
いや、地上という水底から人魚がその身を縛るもののない空へと還っていったのか――(表題作)。
心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。
明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、
新鋭の人情味あふれるデビュー作品集。
★収録作品★
点灯人
真珠生成
人魚は空に還る
怪盗ロータス
***
雑誌記者と超絶美形の画家。。。BL系好きにウケがよさそうだ。。。
という話は置いといて(笑)、
ドラマ部分は非常にいい。明治時代の風情もよく出ていて当時の息吹が伝わってくる。
ただ、ミステリパートが弱い。トリックが予想できてしまう&どれも印象に残らない。
(表題作〝人魚は空に還る〟なんか、表題作のくせに驚くほどトリックがありえない&しょぼくて
途中で読むのをやめようかと思った)
ホームズ役もワトソン役もどっちもエリートという設定も入り込みづらかった。
繰り返しになるけど、人情味溢れる物語性はいいのにそこに絡むミステリが蛇足になっている。
いっそミステリ部分を取っ払ってしまえばいいのにと思う。
(それじゃ元も子もないかも知れないけど)
まあおすすめかなー。。。
ミステリとして読まなければ。
「しずくは観覧車に乗りたい」
富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、
観覧車の客車から泡となって消えた。水神の怒りに触れて浅草は水中に沈んだのか。
いや、地上という水底から人魚がその身を縛るもののない空へと還っていったのか――(表題作)。
心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。
明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、
新鋭の人情味あふれるデビュー作品集。
★収録作品★
点灯人
真珠生成
人魚は空に還る
怪盗ロータス
***
雑誌記者と超絶美形の画家。。。BL系好きにウケがよさそうだ。。。
という話は置いといて(笑)、
ドラマ部分は非常にいい。明治時代の風情もよく出ていて当時の息吹が伝わってくる。
ただ、ミステリパートが弱い。トリックが予想できてしまう&どれも印象に残らない。
(表題作〝人魚は空に還る〟なんか、表題作のくせに驚くほどトリックがありえない&しょぼくて
途中で読むのをやめようかと思った)
ホームズ役もワトソン役もどっちもエリートという設定も入り込みづらかった。
繰り返しになるけど、人情味溢れる物語性はいいのにそこに絡むミステリが蛇足になっている。
いっそミステリ部分を取っ払ってしまえばいいのにと思う。
(それじゃ元も子もないかも知れないけど)
まあおすすめかなー。。。
ミステリとして読まなければ。
たぶん、君にしかできない。
ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。
不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。
放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、
須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、
抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。
それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。
はたして、須川くんの恋の行方は――。
学園生活をセンシティブな筆致で描く、連作ミステリ。
全選考委員が「うまい」と評した第十九回鮎川哲也賞受賞作。
★収録作品★
空回りトライアンフ
胸中カード・スタップ
あてにならないプレディクタ
あなたのためのワイルドカード
***
主人公の須川くんの一人称がラノベ風というかポップ感まるだしで、
慣れるまでにちょっと時間がかかった。
(読み終わるころには逆に「この一人称あってこその本作」と思えたけど)
ミステリパートも正直ユルくて、「これがミステリの賞を獲るのに値するのか?」と
思ったけど、人間がよく書けているし、彼らがそれぞれの裏側に隠し持った
〝このひとはどうしてこういうキャラなのか〟という意味でのミステリなら
非常にうまく表現できているので、選考委員たちはそこを評価したのではないかと思う。
マジックをしながら謎の真相を語る探偵役、というスタイルも斬新でよかった。
(前に読んだ某作の〝ダンスしながら謎を解く探偵〟(←そういや少年隊のヒガシも
そんなドラマやってたな)よりも見目鮮やかで満足がいった)
なぜ主人公のあだ名が〝ポチ〟なのか明かさないあたり次回作もあるんだろうから
出たらまた読んでみるつもりです。
なかなかおすすめ。
おまけ:
作中に出てきた〝フラリッシュ〟です。
ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。
不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。
放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、
須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、
抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。
それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。
はたして、須川くんの恋の行方は――。
学園生活をセンシティブな筆致で描く、連作ミステリ。
全選考委員が「うまい」と評した第十九回鮎川哲也賞受賞作。
★収録作品★
空回りトライアンフ
胸中カード・スタップ
あてにならないプレディクタ
あなたのためのワイルドカード
***
主人公の須川くんの一人称がラノベ風というかポップ感まるだしで、
慣れるまでにちょっと時間がかかった。
(読み終わるころには逆に「この一人称あってこその本作」と思えたけど)
ミステリパートも正直ユルくて、「これがミステリの賞を獲るのに値するのか?」と
思ったけど、人間がよく書けているし、彼らがそれぞれの裏側に隠し持った
〝このひとはどうしてこういうキャラなのか〟という意味でのミステリなら
非常にうまく表現できているので、選考委員たちはそこを評価したのではないかと思う。
マジックをしながら謎の真相を語る探偵役、というスタイルも斬新でよかった。
(前に読んだ某作の〝ダンスしながら謎を解く探偵〟(←そういや少年隊のヒガシも
そんなドラマやってたな)よりも見目鮮やかで満足がいった)
なぜ主人公のあだ名が〝ポチ〟なのか明かさないあたり次回作もあるんだろうから
出たらまた読んでみるつもりです。
なかなかおすすめ。
おまけ:
作中に出てきた〝フラリッシュ〟です。
この子は僕を呼んでいる。
僕の自殺未遂。母の死。失われた“あの日”の記憶。ひきこもり続けて、もう4年。
父が、家に傍若無人な赤ん坊を連れてきて、僕の生活は無茶苦茶になった。
でも生きる目的は復活した…。ツイスト爆裂ミステリー。
***
なかなか面白かった。
ただ、ドラマ部分とミステリ部分を合わせるとやや詰め込みすぎの嫌いがあり、
どちらかにジャンルを絞って書いたほうがいいものに仕上がったんじゃないかとも思えた。
いや、どちらかに絞るなら前者(ヒューマンドラマ)かな。
ミステリ部分は早い段階でオチが読めてしまう&ちょっとごちゃごちゃしてて蛇足に感じたし、
引きこもりの主人公が赤ん坊の存在によって変わっていく描写にページを割いたほうが
ラストもよりよい印象になって読み手側の心に残ったと思うから。
ちなみに表紙に書かれた赤ん坊を見て「どんだけバイオレンスな赤ちゃんが活躍するんだ」と
期待してたものの、実際には普通の赤ちゃんで軽く表紙サギ(は大げさかな。。。)にも感じた。
まあおすすめです。
僕の自殺未遂。母の死。失われた“あの日”の記憶。ひきこもり続けて、もう4年。
父が、家に傍若無人な赤ん坊を連れてきて、僕の生活は無茶苦茶になった。
でも生きる目的は復活した…。ツイスト爆裂ミステリー。
***
なかなか面白かった。
ただ、ドラマ部分とミステリ部分を合わせるとやや詰め込みすぎの嫌いがあり、
どちらかにジャンルを絞って書いたほうがいいものに仕上がったんじゃないかとも思えた。
いや、どちらかに絞るなら前者(ヒューマンドラマ)かな。
ミステリ部分は早い段階でオチが読めてしまう&ちょっとごちゃごちゃしてて蛇足に感じたし、
引きこもりの主人公が赤ん坊の存在によって変わっていく描写にページを割いたほうが
ラストもよりよい印象になって読み手側の心に残ったと思うから。
ちなみに表紙に書かれた赤ん坊を見て「どんだけバイオレンスな赤ちゃんが活躍するんだ」と
期待してたものの、実際には普通の赤ちゃんで軽く表紙サギ(は大げさかな。。。)にも感じた。
まあおすすめです。
それでもあたしは、まだ信じたい。
2007年10月、渋谷センター街で起きた無差別連続殺人事件。
かけがえのない人々の命が奪われたが、犯人は最後、警察によって射殺された。
3年後の2010年、やはり渋谷センター街。琉球空手の使い手、女子高生の宇佐美希莉子は、
3年前の事件で姉を亡くした海東皓介、そして元警察官の水野霧子と出会う。
やがて希莉子はいつの間にか3年前の事件に端を発する大きな戦いに巻き込まれてゆく――。
街は再び戦場になってしまうのか。
***
起承転結がないな、というのが、読み終えて最初の感想。
淡々と物語が進むだけで、さして盛り上がりのないまま最後までたどり着いてしまう。
(私がメフィスト系とかの起承転結の起伏が激しい物語ばかり読んでいるから
そう感じるだけかも知れないけど)
登場人物たちが魅力的なだけに惜しいな、と思ってしまった。
主人公が琉球空手の使い手なのにそれを駆使して戦う描写も少ないし、
(空手の基礎ばかりをやっているという設定なのだけど、
もっと大技キメてみせたりとかしてほしかった)
主人公・希莉子と同じ名を持つ霧子の出番もあんまりないし。。。
せっかく設定がいいのに、見せ場で魅せずに損している感じ。
可もなく不可もなく、というのが正直な感想。
唯一、主人公の友人のゆう香が非常にキャラが立っていてよかった。好き。
次回作に期待します。
2007年10月、渋谷センター街で起きた無差別連続殺人事件。
かけがえのない人々の命が奪われたが、犯人は最後、警察によって射殺された。
3年後の2010年、やはり渋谷センター街。琉球空手の使い手、女子高生の宇佐美希莉子は、
3年前の事件で姉を亡くした海東皓介、そして元警察官の水野霧子と出会う。
やがて希莉子はいつの間にか3年前の事件に端を発する大きな戦いに巻き込まれてゆく――。
街は再び戦場になってしまうのか。
***
起承転結がないな、というのが、読み終えて最初の感想。
淡々と物語が進むだけで、さして盛り上がりのないまま最後までたどり着いてしまう。
(私がメフィスト系とかの起承転結の起伏が激しい物語ばかり読んでいるから
そう感じるだけかも知れないけど)
登場人物たちが魅力的なだけに惜しいな、と思ってしまった。
主人公が琉球空手の使い手なのにそれを駆使して戦う描写も少ないし、
(空手の基礎ばかりをやっているという設定なのだけど、
もっと大技キメてみせたりとかしてほしかった)
主人公・希莉子と同じ名を持つ霧子の出番もあんまりないし。。。
せっかく設定がいいのに、見せ場で魅せずに損している感じ。
可もなく不可もなく、というのが正直な感想。
唯一、主人公の友人のゆう香が非常にキャラが立っていてよかった。好き。
次回作に期待します。
狂っているのはおまえだ。
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。
兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?
出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、
選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。
***
。。。すごい。。。
才能に年齢は関係ないとはいえ、17歳でこれを書き上げる実力はハンパじゃない。
非常に面白く読めた。
最初から最後まで、ページを繰る手が止まらなかった。
物語としても面白いし、文学としても完成している。
ラスト一行を読んだときの戦慄はここしばらく読んだほかの小説の比ではなかった。
末恐ろしい子(とはいえ今は著者は20代半ばですが)がデビューしたもんだ。
ここまで兄弟の確執をリアルに、そして著者独自の味付けで描き切った才能に脱帽。
非常におすすめです。
是非一読を。
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。
兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?
出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、
選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。
***
。。。すごい。。。
才能に年齢は関係ないとはいえ、17歳でこれを書き上げる実力はハンパじゃない。
非常に面白く読めた。
最初から最後まで、ページを繰る手が止まらなかった。
物語としても面白いし、文学としても完成している。
ラスト一行を読んだときの戦慄はここしばらく読んだほかの小説の比ではなかった。
末恐ろしい子(とはいえ今は著者は20代半ばですが)がデビューしたもんだ。
ここまで兄弟の確執をリアルに、そして著者独自の味付けで描き切った才能に脱帽。
非常におすすめです。
是非一読を。
「悪くないね。そいつは」
「もしかして俺たち――遭難してるのかな」
「遭難と決めるのはまだ早い。要は気の持ちようだ」
軽い気持ちで登った山で道に迷い、その夜無人駅に泊まる羽目に陥った
大学生・佐倉とその友人・高瀬は、廃屋と思い込んでいた駅前の建物“三上理髪店”に
深夜明かりが灯っているのを目撃する。好奇心に駆られた高瀬は佐倉が止めるのも聞かず、
理髪店のドアを開けてしまう。そこには…。
第四回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」ほか、
子供たちを引率して廃工場を探索することになった佐倉が巻き込まれる、
真夏の奇妙な陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全七編。
“日常の謎”に端を発しながら予期せぬ結末が用意された、
不可思議でチャーミングな連作短編集。
★収録作品★
夜の床屋
空飛ぶ絨毯
ドッペルゲンガーを探しにいこう
葡萄荘のミラージュⅠ
葡萄荘のミラージュⅡ
『眠り姫』を売る男
エピローグ
***
起こる事件は地味なものの筆力のある作家さんなので安心してかつ楽しく読める。
最初の三話までは〝日常の謎〟的のほほんとした物語なのに対して
〝葡萄荘のミラージュ〟以降は一転して壮大な物語になるので
その落差に違和感を抱く人もいるかも知れないけれど、
〝夜の床屋〟でデビューした著者の前年の同賞最終候補作である
〝『眠り姫』を売る男〟を作中にうまく絡めてひと繋がりの長編にしてしまった手腕には
ただただ敬服するばかり。
(ただ、〝『眠り姫』~〟の話そのものがあまり面白くないのが欠点といえば欠点だけど)
(&〝インディアンサマー〟=〝小春日和〟という意味なのに対して
まったく違う季節が舞台だったりといった細かい部分もちょっと気にはなったけど)
なかなかおすすめです。
悔しいけど。
「もしかして俺たち――遭難してるのかな」
「遭難と決めるのはまだ早い。要は気の持ちようだ」
軽い気持ちで登った山で道に迷い、その夜無人駅に泊まる羽目に陥った
大学生・佐倉とその友人・高瀬は、廃屋と思い込んでいた駅前の建物“三上理髪店”に
深夜明かりが灯っているのを目撃する。好奇心に駆られた高瀬は佐倉が止めるのも聞かず、
理髪店のドアを開けてしまう。そこには…。
第四回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」ほか、
子供たちを引率して廃工場を探索することになった佐倉が巻き込まれる、
真夏の奇妙な陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全七編。
“日常の謎”に端を発しながら予期せぬ結末が用意された、
不可思議でチャーミングな連作短編集。
★収録作品★
夜の床屋
空飛ぶ絨毯
ドッペルゲンガーを探しにいこう
葡萄荘のミラージュⅠ
葡萄荘のミラージュⅡ
『眠り姫』を売る男
エピローグ
***
起こる事件は地味なものの筆力のある作家さんなので安心してかつ楽しく読める。
最初の三話までは〝日常の謎〟的のほほんとした物語なのに対して
〝葡萄荘のミラージュ〟以降は一転して壮大な物語になるので
その落差に違和感を抱く人もいるかも知れないけれど、
〝夜の床屋〟でデビューした著者の前年の同賞最終候補作である
〝『眠り姫』を売る男〟を作中にうまく絡めてひと繋がりの長編にしてしまった手腕には
ただただ敬服するばかり。
(ただ、〝『眠り姫』~〟の話そのものがあまり面白くないのが欠点といえば欠点だけど)
(&〝インディアンサマー〟=〝小春日和〟という意味なのに対して
まったく違う季節が舞台だったりといった細かい部分もちょっと気にはなったけど)
なかなかおすすめです。
悔しいけど。
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kovo
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女性
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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