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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「悪くないね。そいつは」



「もしかして俺たち――遭難してるのかな」
「遭難と決めるのはまだ早い。要は気の持ちようだ」
軽い気持ちで登った山で道に迷い、その夜無人駅に泊まる羽目に陥った
大学生・佐倉とその友人・高瀬は、廃屋と思い込んでいた駅前の建物“三上理髪店”に
深夜明かりが灯っているのを目撃する。好奇心に駆られた高瀬は佐倉が止めるのも聞かず、
理髪店のドアを開けてしまう。そこには…。
第四回ミステリーズ!新人賞受賞作の「夜の床屋」ほか、
子供たちを引率して廃工場を探索することになった佐倉が巻き込まれる、
真夏の奇妙な陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全七編。
“日常の謎”に端を発しながら予期せぬ結末が用意された、
不可思議でチャーミングな連作短編集。

★収録作品★

 夜の床屋
 空飛ぶ絨毯
 ドッペルゲンガーを探しにいこう
 葡萄荘のミラージュⅠ
 葡萄荘のミラージュⅡ
 『眠り姫』を売る男
 エピローグ

***

起こる事件は地味なものの筆力のある作家さんなので安心してかつ楽しく読める。
最初の三話までは〝日常の謎〟的のほほんとした物語なのに対して
〝葡萄荘のミラージュ〟以降は一転して壮大な物語になるので
その落差に違和感を抱く人もいるかも知れないけれど、
〝夜の床屋〟でデビューした著者の前年の同賞最終候補作である
〝『眠り姫』を売る男〟を作中にうまく絡めてひと繋がりの長編にしてしまった手腕には
ただただ敬服するばかり。
(ただ、〝『眠り姫』~〟の話そのものがあまり面白くないのが欠点といえば欠点だけど)
(&〝インディアンサマー〟=〝小春日和〟という意味なのに対して
まったく違う季節が舞台だったりといった細かい部分もちょっと気にはなったけど)

なかなかおすすめです。
悔しいけど。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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