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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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光が去って、明日の朝また光がここを訪れるまで。



<真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、
わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。>
入江冬子(フユコ)、34歳のフリー校閲者。人づきあいが苦手な彼女の唯一の趣味は、
誕生日に真夜中の街を散歩すること。友人といえるのは、
仕事で付き合いのある出版社の校閲社員、石川聖(ヒジリ)のみ。
ひっそりと静かに生きていた彼女は、ある日カルチャーセンターで58歳の男性、
三束(ミツツカ)さんと出会う・・・。

あまりにも純粋な言葉が、光とともに降り注ぐ。
いま、ここにしか存在しない恋愛の究極を問う衝撃作。

***

どうしても前作〝ヘヴン〟と比べてしまう。
あれに比べるとかなり見劣りのする作品だった。

登場人物はほぼ食べ物や飲み物を間に向かい合って、
会話とみせかけた独自の論を展開するだけでつまらない。
キャラは〝ヘヴン〟ほど立っていないし、
文体も〝わたくし率イン歯~〟や〝乳と卵〟とくらべてあまりに平凡。
ところどころに本作のテーマである〝光〟をさり気なく散りばめるセンスは
さすがだと思ったけれど、ただそれだけ。
読後何の印象も残ることはなかったし、尻切れトンボだとすら思った。
まあたぶん彼はラストで彼女のためにああしたんだろうとは思うけど、
そこに至るまでが唐突というか、もうちょっと丁寧に書き込んでほしかったとは思う。

主人公の職業は校閲者なのだけど、
あの、何度文章を読み返してもまだどこかに間違いがあるんじゃないかと落ち着かない感じ、
ノイローゼのように何度でも何度でも推敲を繰り返してしまうあの感じだけは
小説家を志す者としていたく共感できた。

おすすめも否定もしません。
やっぱり私の中では〝ヘヴン〟が最強。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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