私たちは響き合っている。
「…殺してしまった」という父の呟き。疑いもしなかった、母の人生。
そこに、父がいた。父は眠っていた。私の記憶にある父の顔ではなかった。
痩せ細り、肌はかさついている。髪は乱雑に刈られ、髭もまばらに剃られていた。
口をわずかに開き、寝息を立てていた。
職業柄、見慣れている姿のはずだった。毎日同じような老人を何人も相手にし、
世話をしているのだから。なのに今、私はひどく動揺していた――。
父危篤の急報を受け、二十数年ぶりに実家に戻った阿南は、
予想もしなかった両親の謎に直面することになる。
十三年ぶりに描かれた阿南シリーズの新作にして、現時点における著者の最高傑作。
***
以前同著者の〝月読〟を読んだときと同じ。
シリーズの途中からいきなり読んだということを差し引いても、心に響いてくるものがなかった。
ストーリーパートも地味でぱっとしないし(もちろん派手ならいいってものでもないけれど、
小説はどんな静かな物語だろうと最低限の華を持たせるべきだと思う)、
ミステリパートも真相は「あ、そうだったんですか」レベル。
つまり読み物として面白くないのだ。
ほかの阿南シリーズは面白いんだろうか?
読んでみたい気もするけれど、これ以上地雷踏みたくない気もする。
太田氏の作風が単に自分に合わないだけだろうか?
それにしてもつまらなすぎると思うけど。
あまりおすすめしません。
タイトルの〝無伴奏〟の意味もフタを開けば陳腐だし。
(そもそもがタイトルに惹かれて読んだのでとんだ肩すかしだった)
やっぱり太田氏の最高傑作は〝ショートショートの広場1〟に掲載されている
掌編(つまりはデビュー作)だと思う。
「…殺してしまった」という父の呟き。疑いもしなかった、母の人生。
そこに、父がいた。父は眠っていた。私の記憶にある父の顔ではなかった。
痩せ細り、肌はかさついている。髪は乱雑に刈られ、髭もまばらに剃られていた。
口をわずかに開き、寝息を立てていた。
職業柄、見慣れている姿のはずだった。毎日同じような老人を何人も相手にし、
世話をしているのだから。なのに今、私はひどく動揺していた――。
父危篤の急報を受け、二十数年ぶりに実家に戻った阿南は、
予想もしなかった両親の謎に直面することになる。
十三年ぶりに描かれた阿南シリーズの新作にして、現時点における著者の最高傑作。
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以前同著者の〝月読〟を読んだときと同じ。
シリーズの途中からいきなり読んだということを差し引いても、心に響いてくるものがなかった。
ストーリーパートも地味でぱっとしないし(もちろん派手ならいいってものでもないけれど、
小説はどんな静かな物語だろうと最低限の華を持たせるべきだと思う)、
ミステリパートも真相は「あ、そうだったんですか」レベル。
つまり読み物として面白くないのだ。
ほかの阿南シリーズは面白いんだろうか?
読んでみたい気もするけれど、これ以上地雷踏みたくない気もする。
太田氏の作風が単に自分に合わないだけだろうか?
それにしてもつまらなすぎると思うけど。
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タイトルの〝無伴奏〟の意味もフタを開けば陳腐だし。
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やっぱり太田氏の最高傑作は〝ショートショートの広場1〟に掲載されている
掌編(つまりはデビュー作)だと思う。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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