いつでもつなぎ合うことができる。
結び合うことができる。
リサイクルショップ・カササギは、店員二人の小さな店だ。
店長の華沙々木は謎めいた事件に商売そっちのけで首をつっこむし、
副店長の日暮はガラクタを高く買い取らされてばかり。
でも、この店には、少しの秘密があるのだ――。
あなたが素直に笑えるよう、真実をつくりかえてみせよう。
再注目の俊英による忘れ得ぬ物語。
***
ミステリの賞でデビューした作家さんがどんどんミステリじゃない方向へ行ってしまうことの
多い昨今(伊坂幸太郎氏然り、佐藤友哉氏然り。。。)、
道尾氏のミステリ魂は未だ健在で本作は読んでいてとても嬉しかった。
直木賞受賞作〝月と蟹〟は全然ミステリじゃない上にあまりいいとも思えなかったのだけど、
本作はよかった。
まずはホームズ役とワトソン役の逆転が面白い。
本作においてホームズ役は大々的に推理を披露するのだけど、それがことごとく外れで、
一見冴えないワトソン役が、その後始末とばかりに密かに名推理を繰り広げるのだ。
ところどころに散りばめられた、笑いと作者の人柄が滲み出ているような暖かい描写もいい。
(ここ最近は文章がカチカチだったのが、初期のように砕けて久しぶりの著者の素を見た感じ。
道尾氏が楽しんで書いているのがこれでもかと伝わってきた)
デビュー作からずっと好きだったけど、本作を読んで改めて「好きだなあこのひと」と思った。
おすすめです。
第二話〝蜩の川〟が個人的には一番おすすめ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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