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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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ピアノの響きは導く。



シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。
彼に焦がれる音大受験生の「わたし」。
卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。
現場に居合わせた修人はその後、ピアニストとして致命的な怪我を指に負い、
事件は未解決のまま30余年の年月が流れる。
そんなある日「わたし」の元に、修人が外国でシューマンを弾いていたという
「ありえない」噂が伝わる。
修人の指にいったいなにが起きたのか――。
野間文学賞受賞後初の鮮やかな手さばきで奏でる書き下ろし長編小説。

***

以前一度読んだときには、中盤まで続くわけのわからない音楽うんちくに辟易して
(マジで、クラシックからPOPSまで、音楽をずっと演ってきた自分でさえもちんぷんかんぷん)
途中で投げ出してしまった本作。
でも中間地点を抜けると一気に読みやすくなるとの某サイトのレビューに力を得て
今回読破した次第。

この著者はちょっと文章がくどいところがあって、同じ言い回しの反復とかも
正直鬱陶しかったんだけど、そこに眼を瞑ればまあ面白かったかな。
ただ、物語半ばの、天才少年・修人がピアノを弾く見せ場のシーンの描写はあまりうまいとは思えず
「音楽小説なのに。。。」とちょっと肩透かしだった。
(田中啓文氏や乾ルカさんはそこらへんかーなーりうまい。興味のあるひとは是非
〝永見緋太郎シリーズ〟及び〝四龍海城〟を)

純文学とミステリの融合作品としてはクオリティが高いと思うけど。
そして、音楽家であるにも関わらず〝音楽〟がいつしか聴こえなくなっていく恐怖の描写。
そこは、さすが芥川賞受賞作家だなと思った。

まあおすすめです。



おまけ:
BGMにはこちらをどうぞ↓

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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