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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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現実とも非現実ともつかない世界を。



植物状態になった患者と、コミュニケートするための医療器具
「SCインターフェース」が開発された日本。
少女漫画家の淳美は、自殺未遂を起こして数年間意識不明に陥っている弟の浩市と
対話を続けている。
「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いかけに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。
そんなある日、謎の女性からかかってきた電話によって、
淳美の周囲で不可思議な出来事が起こりはじめる…。
『このミステリーがすごい!』大賞第9回(2011年)大賞受賞作。

***

ミステリというよりはSF。
ここまでの設定を考え付いた独自性は本当にすごいと思うけど、
読み物として面白いかと言われれば若干首を捻らざるを得ない。
序盤はぐいぐい引き込まれたものの、物語が進むにつれ
どこまでが現実でどこからか非現実かがわからなくなってくるので(とはいってもそれが
著者の狙いなのですが)、作中で大きな出来事があっても「どうせ非現実なんでしょ」と
薄いリアクションで読んでいる自分がいた。
主人公の弟が海で溺れたときの回想シーンもしつこくてちょっと辟易(〝赤い竹竿〟って単語、
作中で何度見たことか)。
半ばまで読んだあたりでオチはだいたい予想がつくし。
〝このミステリーがすごい!〟大賞の受賞作なのだから、もうちょっとミステリしてても
よかったんじゃないかと思う。

文章力はさすがに大賞受賞に堪えるものでしたが。

ミステリとして読まなければまあおすすめです。

ちなみに本作が面白かったひとは、〝クラインの壷〟(岡嶋二人)と映画〝バニラ・スカイ〟も
おすすめです。


おまけ:
マグリット〝光の帝国〟。
hikarino.jpg












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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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