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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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それがぼくの唯一の夢。



1991年、宮崎県の慈育病院で発足した嬰児のためのレスキュー制度
「コウノトリ・ポスト」の第1号として、一人の男の赤子が預けられた。
彼は全身を切り刻まれる虐待を受けていたが、手厚い看護によって一命を取り留め、
飯塚慈男と名づけられた。
頭脳明晰な優等生に成長した慈男は、日本中を恐怖に陥れる犯罪者へと変貌していく…。

***

序盤と終盤の展開の派手さは福井晴敏氏の著作に通じるものがある。
中盤が同じ展開の繰り返しでちょっと中だるみだったけど、
面白かった。ラストはだいたい読めてしまうけどそれでも切ない気持ちになった。
本作を読んで面白かったひとは、浦沢直樹の〝モンスター〟なんかおすすめ。
天才的な悪が悪の素顔を隠して自分に心酔する人間を操り世界を闇に陥れていく、
どっちもそんなモチーフでちょっと似てるので。

〝ミスターM〟とか〝世紀のスーパー・アイドル〟とか〝2チャンネル(本当は〝ちゃんねる)〟
とか言葉使いがちょっと古臭くて、若者言葉も無理して使ってる感があったけど、
著者は50を過ぎた方だそうでそれも納得。まあ気にしなければ気になりません。
警察が出てくるシーンで、皆がいちいち(再登場時も)階級で呼ばれるので文字がごちゃごちゃして
読みづらかったことも、〝未曾有〟って単語が出まくりだったことも、
気にしなければ気に(以下略

ただ思うのは、あのラストにするならもうちょっと〝あのふたり〟の絆を掘り下げて
書いてほしかったなということ。
でないと慈男の最後の行動に説得力が伴わないので。まあ脳内補完しましたが。

何だかんだ言っておすすめです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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