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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「ねえ、死んでくれない?」



夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。
きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、
彼の死体は忽然と消えてしまう。
一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。
僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。
あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

***

久々再読。
やっぱりトンデモミステリは何度読んでも面白い(〝翼ある闇〟ももう何度も読み返してるし)。

それにしてもこれ、表紙の爽やかさとあらすじの面白さに惹かれて
小学生とかが手に取ったらちょっとやばいんじゃないかな的な。。。
内容モラルギリギリだし。
大人が読めばいろんな意味で〝面白く〟読めるんだけど。

個人的な感想としては、ものすごく丁寧な小説のプロットを読んでいるような感じだった。
こう進めようか、いやそれじゃ詰めが甘い、ならこうしようか、お、いい感じ。。。
そんな著者の心の声が本書を通して聞こえてくるような(だから物書き目指すひとにはおすすめ)。
また同時に、主人公の少年・ミチオが、自分や自分を取り巻く人間たちとの関わりや
生きていく上で起こった出来事(要するにこの物語)をどう帰結させるか悩んでいるところが面白い。
(ミチオは本来なら著者に操られる側の〝キャラクター〟なのに。
まあ〝ミチオ〟という名前からして、彼は著者〝道尾〟氏の象徴、つまるところ分身なのでしょうが)

動物が動物とは思えない動きをするところ(たとえば自分の掌を見つめたり)
ちょっとアンフェアだと思うけど、かなり斬新な小説です。
中には「ふざけんな」と本を壁に直行なひともいるのでしょうが私は好きだ。

怖くて子供には薦められないけど。
(内容じゃなく、本作を読んだ子供への精神的影響が怖い)
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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