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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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声のする方へ帰っておいで。



これは愛の短篇集だ――乙一

怪談専門誌『幽』2号から7号までに連載された6篇の怪談短編に、書き下ろし作品を加えた
愛と哀しみの短編集。幻想的な異界への境界と、親と子を描いた叙情的な物語は、
怪談ファンのみならず幅広い読者の支持を得る。待望の初単行本。

★収録作品★

 長い旅のはじまり
 井戸を下りる
 黄金工場
 未完の像
 鬼物語
 鳥とファフロッキーズ現象について
 死者のための音楽

***

正直各話とも内容にはそこまで目新しい印象は受けないんだけど、この著者は
そういった物語たちを輝かせるセンスが並じゃない。
何気ない食材で極上の料理を作り上げてしまう人、
とりたてて高価というわけでもない服を組み合わせてモデル並にセンスよく着こなす人、
見た目は普通なのに表情や仕草や喋り方で自らを魅力的に魅せる人、
シンプルなメロディを戦慄するほど感動的な楽曲にアレンジしてしまう人、
そういった才能を本作の著者からは感じた。

個人的に一番よかったのは〝鬼物語〟。
ラストの語りかけで全身に寒気が走った。
それ以外にも最終話以外は全部よかったと思う(〝死者のための音楽〟は
ちょっと狙いすぎの感が。。。
あとは〝鳥と~〟の中盤で主人公がファフロッキーズ現象について調べるのが意味不明。
だって全然関係ないし)
 
ちなみに本作の著者があの有名な二文字の作家だと知って驚きました。
女性名で書いてるのね。
初期の朱川湊人氏、常川光太郎氏が好きな人には是非読んでほしい作品。

おすすめです。



余談:
正直この本で一番怖いのは内容じゃなくスピン(しおりのひも)だと思う。
(初めて見た瞬間思わず「うおあっ!」とか叫んだ)
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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