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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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きっと魔法が起きる。



絵画、建築、神学、図像学、そして……
ヨーロッパの叡智の結晶たちに
新たな解釈と発見とを見出す「知」と「心」の旅。
その橋渡しは「最新科学」――
17世紀のフランスと近未来の沖縄。
ふたつの時代に生きるふたりの女性、アナと鈴が、
旅の果てに辿り着いた驚愕の真実とは――!?

***

アナと鈴、生きる時代も国籍も違うふたりの女性の物語が
交互に描かれていく本作、
終盤に差し掛かるころに一見まったく接点のない
彼女たちの関係性が明らかになります。
ただ、本を読み慣れていないひとだとその関係性を含め
物語自体の言わんとしていることがわからない可能性は高い。
特に純粋なエンタメを期待して手に取ったひとは
何が何やらちんぷんかんぷん、もしくは
著者・ひいては物語の言わんとしていることがわかったとしてもそれを楽しめない、
そんな状況に陥る確率大。

専門的なうんちくをこれでもかと書き連ねていても
それはそれで理解出来ないなりに面白い、という小説は数多存在しますが、
本作のうんちくは個人的にはあまり魅力を感じられなくて楽しめず、
特に著者の年齢は知らないけれど若者の描写が古臭くそこにも馴染めなくて、
いろいろ気になる点はあったけど
著者独自の世界観を構築することには十分成功していると思うし
その世界観に入り込むこともすんなり出来たので割と好きな作品ではある。
ヒロインのひとりであるアナには大袈裟でなく聖母マリアのような
母性の象徴を見る思いで同じ女性として憧れを抱いたし、
構成的に見ても伏線の回収もうまい。
上述のとおり基本うんちく小説だけど文体が柔らかいので
内容の割にまあ読みやすいし。

ただ、繰り返しますが絵画のように全体に抽象的な物語なので、
読書の初心者にはおすすめしません。
読解力に自信があるひとにだけ手にとることをおすすめします。

まあとかいって、
わたしも全部を理解出来たわけじゃないんだけどね、ホントコ。(←知るひとぞ知る)
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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