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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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人数分の物語を乗せて、
電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。



隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。
片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。
乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。
恋の始まり、別れの兆し、途中下車――
人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。
ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。

***

映画を先に観たのだけど、正直映画のほうがよかったかも。
脚本・演出・キャスティングが見事にハマっていたので。

でも本作もなかなかの名著です。
有川流のサバサバした文章で、軽くないのに一気に読ませる。
この著者の恋愛描写は健全でリアル過ぎてたまに顔が赤くなってしまうのですが、
(微笑ましさが過ぎて数十年前の少女漫画を読んでいるような気にさせられる。。。)
ちょっとそこがいい歳した自分には合わないなーと感じてしまうところもあるのですが、
それでも楽しく読ませてもらった。

電車の中で見知らぬ他人とちょっとした会話を交わして
何だか温かい気持ちになった経験は誰しもあると思いますが、
本作はそういう、小さな出会いと清々しい別れを思い出させてくれる。

ちなみに自分が経験した電車内のエピソードで私が一番印象に残っているのは、
酔ったおじさんがひとりのおばさんに眼をつけて
めっちゃ気さくに話しかけ続けていて、おばさんもひとがいいのか
嫌な顔ひとつせずにはいはいとおじさんの話に耳を傾けてあげていて、
おじさんが降りるときに「どうもありがとね~っ!」と軽快に去っていって
そのあとその車両にいたほぼ全員が「おつかれさま」とでもいった苦笑を
おばさんに向けていたことかな。
あのときは車内が一体になった笑

電車に乗るのはあまり好きじゃないですが
たまにそういう〝物語〟があるからまた乗ってみようかな、と思える。
本作は電車嫌いのひとに「電車も捨てたもんじゃないよ」と
ささやかな希望を教えてくれる物語です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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