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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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『その時』がくるまで。



『KAGEROU』――儚く不確かなもの。
廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、
絶望を抱えた男。そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。
命の十字路で二人は、ある契約を交わす。
肉体と魂を分かつものとは何か?
人を人たらしめているものは何か?
深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、
かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。
水嶋ヒロの処女作、哀切かつ峻烈な「命」の物語。

***

タイトルに絡んだ文章がまったく出てこないとか
内容が単純だとか
伏線が未回収だとか
比喩表現が稚拙だとか
多少(いやかなり)展開がご都合主義的だとか
美少女がうだつのあがらないオッサンに無根拠に優しいとか
突っ込みポイントは山とあるものの、それ以外は普通に読めた。普通に面白かった。
文章も割とうまい。どうして世間で(受賞までの経緯うんぬんは措いといて)ああも叩かれてるのか
わからなかった。
読む前は私も偏見で「あーこの人この一作で消えるんだろうな。。。」と思ってたけど、
才能にかなりのびしろがあると思うので書けば書くほどうまくなりそう。
実際ちょっと鼻につんとくる(つまり感動する)エピソードや表現があったりしたし。
今後もがんばってほしい。応援します。

それにしても、〝天才バカボン〟で、馬とバカボンの脳が入れ替わっちゃって
天才のはずのバカボンがアホになってしまった、という実話だか都市伝説だかわからない逸話を
この著者は知っていたのか訊きたい(ラストを読む限り知ってそうなんだけどなー)。

割とおすすめ。さらっと読めます(1.5時間で読破しました)。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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