あぁ……。
穴、穴、穴。
なぜか穴に入る魅力に目覚めた僕は、ホースや同僚の口を手始めに、
どんな穴でも入りたくなるようになった。その欲望の果てにあるものは――?
奇妙な味わいが癖になる日本ホラー小説大賞短編賞受賞作!
★収録作品★
穴らしきものに入る
金骨
よだれが出そうなほどいい日陰
エムエーエスケー
赤子が一本
***
素っ頓狂なホラー短編集。
どれもが異様な世界観なのに、そこに息づく登場人物たちはそのことにさして疑問も持たず
活動しているものだから、読むうちにこちらもその独特な価値観の中に引き込まれてしまう。
それがなかなかに楽しい。味のある物語を書く個性的な作家さんだと思う。
表題作以外には、〝よだれが出そうなほどいい日陰〟〝エムケーエスケー〟が
純文学の味わいすら感じさせる意外と深みのあるいい物語だった。
「日陰に恋をする」なんて奇抜で斬新なアイデアだと思うし、
脱いでも脱いでもマスクを被ったまま、という奇病にかかった男が
ラストではマスクを被っていない自分に違和感を感じるところなど、
大衆に染まりやすく型にハマりやすい日本人の性質を風刺していて楽しかった。
「○曜日」。
「よく晴れた○曜日」。
から始まってばっかりの文章は、狙ってやってるにしても単調すぎて少しは変えてくれよと
思ったけど。
あと、歌の歌詞みたいに同じ表現を反復するのも、話ごとに繰り返されると
「もういいよ。しつこいよ」と思ってしまう。
次回作でもやったとしたらいよいよ鬱陶しいので著者は自粛すべきだと思う。
なかなかおすすめです。
穴、穴、穴。
なぜか穴に入る魅力に目覚めた僕は、ホースや同僚の口を手始めに、
どんな穴でも入りたくなるようになった。その欲望の果てにあるものは――?
奇妙な味わいが癖になる日本ホラー小説大賞短編賞受賞作!
★収録作品★
穴らしきものに入る
金骨
よだれが出そうなほどいい日陰
エムエーエスケー
赤子が一本
***
素っ頓狂なホラー短編集。
どれもが異様な世界観なのに、そこに息づく登場人物たちはそのことにさして疑問も持たず
活動しているものだから、読むうちにこちらもその独特な価値観の中に引き込まれてしまう。
それがなかなかに楽しい。味のある物語を書く個性的な作家さんだと思う。
表題作以外には、〝よだれが出そうなほどいい日陰〟〝エムケーエスケー〟が
純文学の味わいすら感じさせる意外と深みのあるいい物語だった。
「日陰に恋をする」なんて奇抜で斬新なアイデアだと思うし、
脱いでも脱いでもマスクを被ったまま、という奇病にかかった男が
ラストではマスクを被っていない自分に違和感を感じるところなど、
大衆に染まりやすく型にハマりやすい日本人の性質を風刺していて楽しかった。
「○曜日」。
「よく晴れた○曜日」。
から始まってばっかりの文章は、狙ってやってるにしても単調すぎて少しは変えてくれよと
思ったけど。
あと、歌の歌詞みたいに同じ表現を反復するのも、話ごとに繰り返されると
「もういいよ。しつこいよ」と思ってしまう。
次回作でもやったとしたらいよいよ鬱陶しいので著者は自粛すべきだと思う。
なかなかおすすめです。
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女を殺せば殺すほど、あの人に会えると信じていた。
母校の高校事務局から届いた一冊の同窓会名簿。
資産家の両親を亡くし、莫大な遺産を受け継いだ鳴沢文彦は、
すぐさま同学年の比奈岡奏絵の項を開いた。10年前、札幌在住だった彼女の連絡先が、
今回は空欄であることを見て取ったその瞬間、彼は自分でも不可解なほどの困惑と
女性への強烈な憎悪を覚え、やがて連続殺人鬼へと変貌する。
誘拐、拉致、凌辱の様子を撮影し殺害する。冷酷の限りを尽くした完全殺人の計画は
何のためだったのか――。
一方、突如起こった連続殺人に翻弄される刑事・城田理会らは、
わずかに残された手がかりを元に犯人を追う。
鳴沢の暴走を城田は止めることができるのか?
青春の淡い想いは、取り返しのつかないグロテスクな愛の暴走へと変わる……。
R-18ミステリ。
***
台詞回しが悪い意味で漫画っぽく、また数行も読まないうちに同じ表現が出てきたりと
「本気で書いてるの?」と思わず訊きたくなってしまうような本作。
主人公が連続殺人を犯すための御膳立ても揃いすぎていて、何だかそれが馬鹿馬鹿して
正直あまりのめりこめなかった。
ラストの真相には驚いたけど、そのラストへ収束するに至る過程における
伏線があまりに少なく、唐突感が拭えないのも確か。
もうちょっと、「そういえばあのときああだったな。。。」と思える裏打ちがほしかった。
あとレイプの被害女性が皆強すぎ。レイプされながらあんなベラベラ軽快に喋れるとは
とても思えない。読んでいて悲壮感がなかった。
「産んで~、俺の子供産んで~」のレイパーの台詞にはおぞけが立つほど嫌悪を感じたけど。
(あの台詞は主人公が考え付いたものなんだろうか? それとも彼の甥のオリジナル?
何にせよものすごくキモいことに変わりはないけど)
読み終わったあと本作のタイトルを見ると「ああ、そういう意味だったのか。。。」と
切なさ、というか感慨が湧いたのは確かですが。
まあまあかな。
駄作ではないしかといって決して名作と呼ぶにはふさわしくない。
ほどほどの佳作といったところだろうか。
それにしてもこの話、連城三紀彦の某短編にパクったんじゃないかってほどそっくりなんだよな。
あっちは間違いなく名作なので、本作を読むぐらいならあちらを読むことを強く推奨します。
母校の高校事務局から届いた一冊の同窓会名簿。
資産家の両親を亡くし、莫大な遺産を受け継いだ鳴沢文彦は、
すぐさま同学年の比奈岡奏絵の項を開いた。10年前、札幌在住だった彼女の連絡先が、
今回は空欄であることを見て取ったその瞬間、彼は自分でも不可解なほどの困惑と
女性への強烈な憎悪を覚え、やがて連続殺人鬼へと変貌する。
誘拐、拉致、凌辱の様子を撮影し殺害する。冷酷の限りを尽くした完全殺人の計画は
何のためだったのか――。
一方、突如起こった連続殺人に翻弄される刑事・城田理会らは、
わずかに残された手がかりを元に犯人を追う。
鳴沢の暴走を城田は止めることができるのか?
青春の淡い想いは、取り返しのつかないグロテスクな愛の暴走へと変わる……。
R-18ミステリ。
***
台詞回しが悪い意味で漫画っぽく、また数行も読まないうちに同じ表現が出てきたりと
「本気で書いてるの?」と思わず訊きたくなってしまうような本作。
主人公が連続殺人を犯すための御膳立ても揃いすぎていて、何だかそれが馬鹿馬鹿して
正直あまりのめりこめなかった。
ラストの真相には驚いたけど、そのラストへ収束するに至る過程における
伏線があまりに少なく、唐突感が拭えないのも確か。
もうちょっと、「そういえばあのときああだったな。。。」と思える裏打ちがほしかった。
あとレイプの被害女性が皆強すぎ。レイプされながらあんなベラベラ軽快に喋れるとは
とても思えない。読んでいて悲壮感がなかった。
「産んで~、俺の子供産んで~」のレイパーの台詞にはおぞけが立つほど嫌悪を感じたけど。
(あの台詞は主人公が考え付いたものなんだろうか? それとも彼の甥のオリジナル?
何にせよものすごくキモいことに変わりはないけど)
読み終わったあと本作のタイトルを見ると「ああ、そういう意味だったのか。。。」と
切なさ、というか感慨が湧いたのは確かですが。
まあまあかな。
駄作ではないしかといって決して名作と呼ぶにはふさわしくない。
ほどほどの佳作といったところだろうか。
それにしてもこの話、連城三紀彦の某短編にパクったんじゃないかってほどそっくりなんだよな。
あっちは間違いなく名作なので、本作を読むぐらいならあちらを読むことを強く推奨します。
夜の中へ。
失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、
男はその断片的“事実”に戦慄する。
自分は本当に愛する妻子を殺した男なのか?
そしていま若い女との幸せな生活にしのび寄る新たな魔手。
記憶喪失の男を翻弄する怪事の背景は?
蟻地獄にも似た罠から男は逃げられるか?
希代の名探偵・御手洗潔の最初の事件。
***
再読。
御手洗潔は私が初めて恋をした探偵で、
それはフィクションの存在としてではなくもう本当に実在する相手に対するように恋に落ちていて、
彼の登場シーンでは「キター!!」と冗談抜きで心臓がどきどきするし
彼が優しさを垣間見せたりちょっとおちゃめ&まぬけだったりした日には
単なる天才だけじゃないその絶妙な人間性に「あー惚れ直したわ~」などと思ったりしたものだった。
本作は御手洗潔最初の事件にして、助手兼語り部である石岡くんとの馴れ初めを描いた
記念すべきストーリー。
正直トリックはヘタすればバカミスになってしまいそうな突拍子もないものだし
主人公の言動にも「いや普通そうはしないし考えないし」とつっこみたくなるところはたくさんあるけど、
私の行っている小説学校の先生の「島田荘司氏の著作は、『何じゃそりゃ!?』と
いうようなトリックでも『まあ島田さんだからな~』と許せてしまう」の言葉どおりに
不思議と許せてしまう。
面白い、が先に立って些細な瑕疵は気にならなくなってしまう。
特に、脳科学者になって以来そのひょうきんで破天荒なキャラクターをあまり見せなくなってしまった
御手洗潔の人間的魅力がたっぷり堪能出来る本作は、私にとっては宝物とも言える
非常に貴重な一冊。
「君、僕だって一人ぼっちだ」
の台詞には「だったら私が今すぐ行ってやるよ」とばかりにもんどりうちそうになった。
御手洗シリーズ、先日古本屋でようやくコンプリートしたつもりが〝摩天楼の怪人〟だけ
持ってないことに気付いたので、ネットで頼んだ。来るのが楽しみ。
非常におすすめです。
Chick Corea"The Romantic Warrior"。
失われた過去の記憶が浮かび上がるにつれ、
男はその断片的“事実”に戦慄する。
自分は本当に愛する妻子を殺した男なのか?
そしていま若い女との幸せな生活にしのび寄る新たな魔手。
記憶喪失の男を翻弄する怪事の背景は?
蟻地獄にも似た罠から男は逃げられるか?
希代の名探偵・御手洗潔の最初の事件。
***
再読。
御手洗潔は私が初めて恋をした探偵で、
それはフィクションの存在としてではなくもう本当に実在する相手に対するように恋に落ちていて、
彼の登場シーンでは「キター!!」と冗談抜きで心臓がどきどきするし
彼が優しさを垣間見せたりちょっとおちゃめ&まぬけだったりした日には
単なる天才だけじゃないその絶妙な人間性に「あー惚れ直したわ~」などと思ったりしたものだった。
本作は御手洗潔最初の事件にして、助手兼語り部である石岡くんとの馴れ初めを描いた
記念すべきストーリー。
正直トリックはヘタすればバカミスになってしまいそうな突拍子もないものだし
主人公の言動にも「いや普通そうはしないし考えないし」とつっこみたくなるところはたくさんあるけど、
私の行っている小説学校の先生の「島田荘司氏の著作は、『何じゃそりゃ!?』と
いうようなトリックでも『まあ島田さんだからな~』と許せてしまう」の言葉どおりに
不思議と許せてしまう。
面白い、が先に立って些細な瑕疵は気にならなくなってしまう。
特に、脳科学者になって以来そのひょうきんで破天荒なキャラクターをあまり見せなくなってしまった
御手洗潔の人間的魅力がたっぷり堪能出来る本作は、私にとっては宝物とも言える
非常に貴重な一冊。
「君、僕だって一人ぼっちだ」
の台詞には「だったら私が今すぐ行ってやるよ」とばかりにもんどりうちそうになった。
御手洗シリーズ、先日古本屋でようやくコンプリートしたつもりが〝摩天楼の怪人〟だけ
持ってないことに気付いたので、ネットで頼んだ。来るのが楽しみ。
非常におすすめです。
Chick Corea"The Romantic Warrior"。
わたし達はきっと。
やっと酉乃の本心を受け止める事ができたと思ったクリスマスのあの日。
勢いと雰囲気の力を借りて告白した僕は、なんと彼女の返事はおろか、
連絡先さえ聞き忘れたまま冬休みに突入してしまった。もしかして迷惑だった?
悶々と過ごす僕に、新年早々織田さんたちからのカラオケの誘いがかかる。
そこで起こったちょっとした事件の謎を解くべく、僕は『サンドリヨン』へと向かうが…。
バレンタインチョコをめぐる事件をはじめ、学園内外で巻き起こる謎をセンシティブに描く、
マジシャン・酉乃初の事件簿、第二幕。
★収録作品★
アウトオブサイトじゃ伝わらない
ひとりよがりのデリュージョン
恋のおまじないのチンク・ア・チンク
スペルバウンドに気をつけて
ひびくリンキング・リング
帰り道のエピローグ
***
〝午前零時のサンドリヨン〟に続く、酉野初シリーズ第二弾。
正直一作目よりは面白くない。
ミステリのトリックも小鉢もんが多い。ラストの真相(名前のトリック)にも無理があるし、
何だか全体に若者に媚びている印象を受ける。
ところどころのクサい主人公のモノローグには悪いけど鳥肌が立ってしまった。
(文章表現がうまいところもあることはあるんだけど、その寒さが相殺する)
キャラクターにはかなり魅力があるからたぶん次回作も読んでしまうんだろうけど。
ミステリ初心者や若い世代にはおすすめです。
やっと酉乃の本心を受け止める事ができたと思ったクリスマスのあの日。
勢いと雰囲気の力を借りて告白した僕は、なんと彼女の返事はおろか、
連絡先さえ聞き忘れたまま冬休みに突入してしまった。もしかして迷惑だった?
悶々と過ごす僕に、新年早々織田さんたちからのカラオケの誘いがかかる。
そこで起こったちょっとした事件の謎を解くべく、僕は『サンドリヨン』へと向かうが…。
バレンタインチョコをめぐる事件をはじめ、学園内外で巻き起こる謎をセンシティブに描く、
マジシャン・酉乃初の事件簿、第二幕。
★収録作品★
アウトオブサイトじゃ伝わらない
ひとりよがりのデリュージョン
恋のおまじないのチンク・ア・チンク
スペルバウンドに気をつけて
ひびくリンキング・リング
帰り道のエピローグ
***
〝午前零時のサンドリヨン〟に続く、酉野初シリーズ第二弾。
正直一作目よりは面白くない。
ミステリのトリックも小鉢もんが多い。ラストの真相(名前のトリック)にも無理があるし、
何だか全体に若者に媚びている印象を受ける。
ところどころのクサい主人公のモノローグには悪いけど鳥肌が立ってしまった。
(文章表現がうまいところもあることはあるんだけど、その寒さが相殺する)
キャラクターにはかなり魅力があるからたぶん次回作も読んでしまうんだろうけど。
ミステリ初心者や若い世代にはおすすめです。
それがこいつの正体だ。
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた
連続女性殺人事件のプロローグだった。
比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。
そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。
が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見され、
事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。
死んだ男の正体は?
少年と老人が辿り着いた意外な結末とは?
宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
***
漫画家の津田雅美さんが自著のなかで
「この小説のタイトルが〝模倣犯〟であることを知ったときの驚きといったらなかった」
的なことを言っていたのでかなり楽しみに読み進めていたのですが。。。
え?
たったこれだけの理由でタイトルが模倣犯?
。。。上下二段組み1300Pを読んだ時間を返してほしい。
確かに面白いは面白かったけど、人間描写も深みがあってよかったけど、
これだけのボリュームで読む必要のあるものとは思えない。
正直津田雅美さんに騙された。
ラスト、犯人簡単にボロ出し過ぎだろ。
それ以外にも、頭がいいはずなのに穴だらけの行動するし。
徐々に犯人を犯人たらしめる証拠が出てきて、それを使って追いつめるのかと思いきや
犯人勝手に自爆して自分で全部喋っちゃうし。
何だったんだこの小説はいったい。
おすすめしません。
公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた
連続女性殺人事件のプロローグだった。
比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。
そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。
が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見され、
事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。
死んだ男の正体は?
少年と老人が辿り着いた意外な結末とは?
宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。
***
漫画家の津田雅美さんが自著のなかで
「この小説のタイトルが〝模倣犯〟であることを知ったときの驚きといったらなかった」
的なことを言っていたのでかなり楽しみに読み進めていたのですが。。。
え?
たったこれだけの理由でタイトルが模倣犯?
。。。上下二段組み1300Pを読んだ時間を返してほしい。
確かに面白いは面白かったけど、人間描写も深みがあってよかったけど、
これだけのボリュームで読む必要のあるものとは思えない。
正直津田雅美さんに騙された。
ラスト、犯人簡単にボロ出し過ぎだろ。
それ以外にも、頭がいいはずなのに穴だらけの行動するし。
徐々に犯人を犯人たらしめる証拠が出てきて、それを使って追いつめるのかと思いきや
犯人勝手に自爆して自分で全部喋っちゃうし。
何だったんだこの小説はいったい。
おすすめしません。
どこにもしまえず横たわる、私の全部。
興味のおもむくまま、今日の気分のまま。
大好きな藤子・F・不二雄先生のこと、はじめて書いた小説のこと、
幼い頃の思い出、趣味のショッピング、料理、映画のこと…。
デビューから書きためた33編のエッセイとルポ10編に加え、
ショートショートと短編小説4編を特別収録。
***
エッセイなのですが、小説も何篇か収録されているのでレビュー。
エッセイとしてはあまり面白くなかった。
何だか著者の文章が優等生過ぎてかたっ苦しい。
さくらももこさんや中島らも氏の爆笑エッセイで鍛えられている身としては不満が残る。
かといって沢木耕太郎氏やよしもとばななさんの含蓄溢れる内容ともまた違うし。
「どこそこ行って何々した~」「友達と云々~」だけではホームビデオを見せられているのと大差ない。
ネオカルチャーめぐりといってもそこまで大したものでもないし。
ギリシャの島々を巡ってどうのこうの、のくだりでは「けっ」とへどが出そうになった(やっかみ半分)。
収録されている小説も、あまりに小ぶりで感動といったものはない。
辻村深月さんは大好きな作家さんですが、本作は買わなくてよかったと思った。
興味のおもむくまま、今日の気分のまま。
大好きな藤子・F・不二雄先生のこと、はじめて書いた小説のこと、
幼い頃の思い出、趣味のショッピング、料理、映画のこと…。
デビューから書きためた33編のエッセイとルポ10編に加え、
ショートショートと短編小説4編を特別収録。
***
エッセイなのですが、小説も何篇か収録されているのでレビュー。
エッセイとしてはあまり面白くなかった。
何だか著者の文章が優等生過ぎてかたっ苦しい。
さくらももこさんや中島らも氏の爆笑エッセイで鍛えられている身としては不満が残る。
かといって沢木耕太郎氏やよしもとばななさんの含蓄溢れる内容ともまた違うし。
「どこそこ行って何々した~」「友達と云々~」だけではホームビデオを見せられているのと大差ない。
ネオカルチャーめぐりといってもそこまで大したものでもないし。
ギリシャの島々を巡ってどうのこうの、のくだりでは「けっ」とへどが出そうになった(やっかみ半分)。
収録されている小説も、あまりに小ぶりで感動といったものはない。
辻村深月さんは大好きな作家さんですが、本作は買わなくてよかったと思った。
踊ろうよ。
借金で浜名湖に入水しようとしていた浅井久平は、
同じく自殺を図る不思議な子どもヒカリと出会った。
ヒカリは最先端科学センターから逃げ出してきた天才だという。
半身半疑ながらも一緒に逃避行を始めた久平。
一方、内閣官房から指令を受けた警察はヒカリの捜索を開始。
だが、ヒカリはネットを駆使して逆にみずから誘拐を装い、100億円を要求した。
果たしてヒカリたちは現金を奪取し、偽装誘拐を完遂できるのか?
第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。
***
ドラマでやっているのを観て興味を持って読んでみた次第。
冒頭には惹きつけられるものがあるのだけど、
話が進むごとに失速していって読むスピードもどんどん遅くなり、
終盤にさしかかるころには数日読まずに放置してしまっていた。
本作最大の見せ場である誘拐も、「そんなやり方でうまくいくわけないだろ」って方法(しかも
方法として説得力がなく、面白味もない)で大金ゲットしちゃうし。
そして全体にクサい。ちょっとじんわりするところもあるにはあるのだけど、
「臭っ!」と読んでるこっちが照れてしまうようなシーンのほうが多かった。
これをミステリと呼ぶことにも正直抵抗がある。
あまり楽しめなかった。
借金で浜名湖に入水しようとしていた浅井久平は、
同じく自殺を図る不思議な子どもヒカリと出会った。
ヒカリは最先端科学センターから逃げ出してきた天才だという。
半身半疑ながらも一緒に逃避行を始めた久平。
一方、内閣官房から指令を受けた警察はヒカリの捜索を開始。
だが、ヒカリはネットを駆使して逆にみずから誘拐を装い、100億円を要求した。
果たしてヒカリたちは現金を奪取し、偽装誘拐を完遂できるのか?
第30回横溝正史ミステリ大賞テレビ東京賞受賞作。
***
ドラマでやっているのを観て興味を持って読んでみた次第。
冒頭には惹きつけられるものがあるのだけど、
話が進むごとに失速していって読むスピードもどんどん遅くなり、
終盤にさしかかるころには数日読まずに放置してしまっていた。
本作最大の見せ場である誘拐も、「そんなやり方でうまくいくわけないだろ」って方法(しかも
方法として説得力がなく、面白味もない)で大金ゲットしちゃうし。
そして全体にクサい。ちょっとじんわりするところもあるにはあるのだけど、
「臭っ!」と読んでるこっちが照れてしまうようなシーンのほうが多かった。
これをミステリと呼ぶことにも正直抵抗がある。
あまり楽しめなかった。
仕掛ける。何を? 戦いを。
〈わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ……〉
中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。
舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。
愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。
完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。
さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。
死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。
平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。
やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは……?
***
〝扉は閉ざされたまま〟のヒロイン・碓氷優佳がみたびの大活躍。
眼と鼻の先で起こった殺人事件をたった二時間の間に鮮やかに解いちゃいます。
起こる事件は小粒だし謎解きもそんなに驚愕するほどのものではないけど、
それなりに綺麗にまとまっていて楽しく読むことが出来た。
本作は女性心理を巧みに扱ったミステリなので、女性が読んだほうが面白いかも知れない。
(まあ、女でも「それはないんじゃ。。。」と突っ込みたくなる部分も多々あるのですが)
男性は「女ってこうなのか。。。怖!」と思いながら読むのがおすすめ。
主人公・夏子と親友の姫乃が共に恋をしていた相手、ファリード・チャンとの過去の描写が
もっとあったほうがいいとも思ったけど、
ラスト一行には思わず「うひょう」と奇声を発してしまいました。
まあおすすめです。
〈わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ……〉
中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。
舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。
愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。
完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。
さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。
死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。
平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。
やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは……?
***
〝扉は閉ざされたまま〟のヒロイン・碓氷優佳がみたびの大活躍。
眼と鼻の先で起こった殺人事件をたった二時間の間に鮮やかに解いちゃいます。
起こる事件は小粒だし謎解きもそんなに驚愕するほどのものではないけど、
それなりに綺麗にまとまっていて楽しく読むことが出来た。
本作は女性心理を巧みに扱ったミステリなので、女性が読んだほうが面白いかも知れない。
(まあ、女でも「それはないんじゃ。。。」と突っ込みたくなる部分も多々あるのですが)
男性は「女ってこうなのか。。。怖!」と思いながら読むのがおすすめ。
主人公・夏子と親友の姫乃が共に恋をしていた相手、ファリード・チャンとの過去の描写が
もっとあったほうがいいとも思ったけど、
ラスト一行には思わず「うひょう」と奇声を発してしまいました。
まあおすすめです。
生きろ。
広島で奈津を探すも叶わず、失意のまま東京へ戻ってきた閻魔。
その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。
一方、不老不死の『鬼込め』を求める者たちは
信正に代わり牟田家を継いだ惠子にまで魔の手を伸ばす。
死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。
自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、
梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。
戦後復興期の日本で閻魔と夜叉が再び出会う。
***
〝裏閻魔〟シリーズ二作目。
相変わらずこの著者は魅力的なキャラクターを生み出すのがうまい。
悪童・善哉のキャラにはときめかされたし、終盤での彼の振舞いには切なくもさせられた。
閻魔も相変わらず魅力いっぱい。時代が進んだぶん彼のやりきれなさ・苦悩が深まったようで、
本人は苦しんでいるのにこう言っちゃなんだけど
色気(と、それに伴って)人間的深みが増したように感じた。
閻魔と同じ不老不死の鬼込めを持つ夜叉の内面描写も要所要所にあって、
前作のファンには楽しめる内容になっているのではと思う。
唯一難点を挙げるなら、第三の宝生・ドヤ蜘蛛があっさり死にすぎ。
もっと活躍するのかと思ったら。。。
まあ全体としては面白かったけど。
ただ、この調子でだらだら何巻も出されるのだけはごめんかな。
閻魔の人生はもうちょっと見ていたいけど、作品としての質が落ちるぐらいなら
すぱっと〆てもらいたい。そう長く続けるような類の物語でもないと思うし。
何はともあれシリーズ三作目が楽しみです。
広島で奈津を探すも叶わず、失意のまま東京へ戻ってきた閻魔。
その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。
一方、不老不死の『鬼込め』を求める者たちは
信正に代わり牟田家を継いだ惠子にまで魔の手を伸ばす。
死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。
自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、
梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。
戦後復興期の日本で閻魔と夜叉が再び出会う。
***
〝裏閻魔〟シリーズ二作目。
相変わらずこの著者は魅力的なキャラクターを生み出すのがうまい。
悪童・善哉のキャラにはときめかされたし、終盤での彼の振舞いには切なくもさせられた。
閻魔も相変わらず魅力いっぱい。時代が進んだぶん彼のやりきれなさ・苦悩が深まったようで、
本人は苦しんでいるのにこう言っちゃなんだけど
色気(と、それに伴って)人間的深みが増したように感じた。
閻魔と同じ不老不死の鬼込めを持つ夜叉の内面描写も要所要所にあって、
前作のファンには楽しめる内容になっているのではと思う。
唯一難点を挙げるなら、第三の宝生・ドヤ蜘蛛があっさり死にすぎ。
もっと活躍するのかと思ったら。。。
まあ全体としては面白かったけど。
ただ、この調子でだらだら何巻も出されるのだけはごめんかな。
閻魔の人生はもうちょっと見ていたいけど、作品としての質が落ちるぐらいなら
すぱっと〆てもらいたい。そう長く続けるような類の物語でもないと思うし。
何はともあれシリーズ三作目が楽しみです。
どこもかしこも繋がっている。
『卒業したら、つきあってくれますか』
答案用紙の片隅に書き込まれていた告白。あれから4年、翠はまだ薫の答えを待っていた。
「イエスかノーの二択だから簡単でしょ」「今さら?」「再テストだよ」――
祖父の遺体に残された謎を追う薫と、彼に好意をよせるかつての教え子・翠。
二人の探索と恋のゆくえは?――
***
ひどく個性的で素敵にエロティックな小説です。
ただでさえ個性豊かな登場人物たちが、
物語が進むに連れて更に個性的な一面を見せてくれるので
読んでいて飽きが来ない。
死んだ祖父の身体に刺青されていた〝百合子〟とは誰かを突き止めるために東奔西走する
主人公、という展開はミステリを彷彿とさせますが、
ところどころで、そして特にクライマックスで頂点を極める艶めかしいシーンは
耽美かつドキドキもの。
それに反して主人公と彼の元教え子である翠のやり取りはコミカルかつ爽やかで、
全体的に非常にバランスのいい物語に仕上がっています。
著者の坂井希久子さんは前から好きな作家さんなのですが、
初の長編、非常に楽しく拝読させてもらいました。
おすすめです。
『卒業したら、つきあってくれますか』
答案用紙の片隅に書き込まれていた告白。あれから4年、翠はまだ薫の答えを待っていた。
「イエスかノーの二択だから簡単でしょ」「今さら?」「再テストだよ」――
祖父の遺体に残された謎を追う薫と、彼に好意をよせるかつての教え子・翠。
二人の探索と恋のゆくえは?――
***
ひどく個性的で素敵にエロティックな小説です。
ただでさえ個性豊かな登場人物たちが、
物語が進むに連れて更に個性的な一面を見せてくれるので
読んでいて飽きが来ない。
死んだ祖父の身体に刺青されていた〝百合子〟とは誰かを突き止めるために東奔西走する
主人公、という展開はミステリを彷彿とさせますが、
ところどころで、そして特にクライマックスで頂点を極める艶めかしいシーンは
耽美かつドキドキもの。
それに反して主人公と彼の元教え子である翠のやり取りはコミカルかつ爽やかで、
全体的に非常にバランスのいい物語に仕上がっています。
著者の坂井希久子さんは前から好きな作家さんなのですが、
初の長編、非常に楽しく拝読させてもらいました。
おすすめです。
プロフィール
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kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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