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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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女を殺せば殺すほど、あの人に会えると信じていた。



母校の高校事務局から届いた一冊の同窓会名簿。
資産家の両親を亡くし、莫大な遺産を受け継いだ鳴沢文彦は、
すぐさま同学年の比奈岡奏絵の項を開いた。10年前、札幌在住だった彼女の連絡先が、
今回は空欄であることを見て取ったその瞬間、彼は自分でも不可解なほどの困惑と
女性への強烈な憎悪を覚え、やがて連続殺人鬼へと変貌する。
誘拐、拉致、凌辱の様子を撮影し殺害する。冷酷の限りを尽くした完全殺人の計画は
何のためだったのか――。
一方、突如起こった連続殺人に翻弄される刑事・城田理会らは、
わずかに残された手がかりを元に犯人を追う。
鳴沢の暴走を城田は止めることができるのか?
青春の淡い想いは、取り返しのつかないグロテスクな愛の暴走へと変わる……。
R-18ミステリ。

***

台詞回しが悪い意味で漫画っぽく、また数行も読まないうちに同じ表現が出てきたりと
「本気で書いてるの?」と思わず訊きたくなってしまうような本作。
主人公が連続殺人を犯すための御膳立ても揃いすぎていて、何だかそれが馬鹿馬鹿して
正直あまりのめりこめなかった。
ラストの真相には驚いたけど、そのラストへ収束するに至る過程における
伏線があまりに少なく、唐突感が拭えないのも確か。
もうちょっと、「そういえばあのときああだったな。。。」と思える裏打ちがほしかった。
あとレイプの被害女性が皆強すぎ。レイプされながらあんなベラベラ軽快に喋れるとは
とても思えない。読んでいて悲壮感がなかった。
「産んで~、俺の子供産んで~」のレイパーの台詞にはおぞけが立つほど嫌悪を感じたけど。
(あの台詞は主人公が考え付いたものなんだろうか? それとも彼の甥のオリジナル?
何にせよものすごくキモいことに変わりはないけど)

読み終わったあと本作のタイトルを見ると「ああ、そういう意味だったのか。。。」と
切なさ、というか感慨が湧いたのは確かですが。

まあまあかな。
駄作ではないしかといって決して名作と呼ぶにはふさわしくない。
ほどほどの佳作といったところだろうか。



それにしてもこの話、連城三紀彦の某短編にパクったんじゃないかってほどそっくりなんだよな。
あっちは間違いなく名作なので、本作を読むぐらいならあちらを読むことを強く推奨します。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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