ねえ、神様。
小学四年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。
芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。
そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、
「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」と明かされる。
大嘘つき? それとも何かのゲーム?
数日後、芳雄たちは探偵団の本部として使っていた古い屋敷で死体を発見する。
猫殺し犯がついに殺人を?
芳雄は「神様」に真実を教えてほしいと頼むのだが…。
***
久々の再読。
やっぱ面白いわー。
ていうか最近、怖い子供が活躍する話ばっかり読んでるな自分。
漢字にぜんぶ振り仮名がふってある完全に子供向けのミステリである本作、
中身は「これ明らかに有害図書だろ笑」と突っ込みたくなるほどになかなかヘビー。
個人的には「麻耶氏よくやった!」と喝采を浴びせたいところですが。
だってオチが
「主人公の母親とクラスメイトの女の子が実はこっそりレズってて
それに〝神様〟である鈴木くんが天誅下して母親は焼死、女の子はでかい時計の針に貫かれ、
あまつ主人公は三十六までしか生きられない上に貰われっ子だと鈴木くんに教えられ。。。」
って、どんだけだよ。
これ、子供が読んだらオチの意味がわからなくて「え、結局どうなったの?」って
首傾げる子絶対いると思う。いや、傾げていい。わからなくていい。そのほうが安全。
ていうかそれが普通なんであって、こんな物語を理解して楽しめる子供がいたら
それはそれで怖い。
子供じゃない。
といろいろ書きましたがぜんぶ褒め言葉です。
私的には本作は密かな傑作だと思っている。
おすすめです。
(ただし小さい子に薦めてその子に悪影響出たとしても私のせいじゃないので悪しからず)
小学四年生の芳雄の住む神降市で、連続して残酷で意味ありげな猫殺害事件が発生。
芳雄は同級生と結成した探偵団で犯人捜しをはじめることにした。
そんな時、転校してきたばかりのクラスメイト鈴木君に、
「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ。」と明かされる。
大嘘つき? それとも何かのゲーム?
数日後、芳雄たちは探偵団の本部として使っていた古い屋敷で死体を発見する。
猫殺し犯がついに殺人を?
芳雄は「神様」に真実を教えてほしいと頼むのだが…。
***
久々の再読。
やっぱ面白いわー。
ていうか最近、怖い子供が活躍する話ばっかり読んでるな自分。
漢字にぜんぶ振り仮名がふってある完全に子供向けのミステリである本作、
中身は「これ明らかに有害図書だろ笑」と突っ込みたくなるほどになかなかヘビー。
個人的には「麻耶氏よくやった!」と喝采を浴びせたいところですが。
だってオチが
「主人公の母親とクラスメイトの女の子が実はこっそりレズってて
それに〝神様〟である鈴木くんが天誅下して母親は焼死、女の子はでかい時計の針に貫かれ、
あまつ主人公は三十六までしか生きられない上に貰われっ子だと鈴木くんに教えられ。。。」
って、どんだけだよ。
これ、子供が読んだらオチの意味がわからなくて「え、結局どうなったの?」って
首傾げる子絶対いると思う。いや、傾げていい。わからなくていい。そのほうが安全。
ていうかそれが普通なんであって、こんな物語を理解して楽しめる子供がいたら
それはそれで怖い。
子供じゃない。
といろいろ書きましたがぜんぶ褒め言葉です。
私的には本作は密かな傑作だと思っている。
おすすめです。
(ただし小さい子に薦めてその子に悪影響出たとしても私のせいじゃないので悪しからず)
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続いているし、続いていく。
太宰治の未完にして絶筆となった「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語!
「理不尽なお別れはやり切れません。でも、それでも無理やり笑って、バイバイと言うような、
そういうお話を書いてみました」(伊坂幸太郎)。
***
なるほどなー、〝グッド・バイ〟のキヌ子を伊坂氏に書かせるとこうなるわけかー。
実に面白い(←湯川口調で)。
太宰のほうも未完でかなり短いながらも主人公とキヌ子のやりとりに
大笑いさせてもらったけど(読んでから「おそれいりまめ」が口癖になった。。。)、
本作も要所要所でくすっと出来る。そしてラストはしみじみ。
伊坂作品(特に短編)にはラストをぼかして「あなたたち読者の想像におまかせしますよ」
的なものが多いけど、マンネリ化せず高揚した気持ちで読み終えられるのが不思議。
最近多くなってきて辟易していたダジャレの連発も、今回は控えめ(というかほぼ皆無?)で
気分よく読めた(とか言ってごめんなさい伊坂さん)。
ただ、第四話はちょっと悪ノリし過ぎだった気がするけど。
身近にガンの人間が多いので読んでて少し傷付いたし腹も立った。
「こんなん書いてるけど、もし身内や友人にガンの人間がいたらこの話書いてたかおまえ?」
と伊坂氏に対して思ってしまった。。。
(オチはすごい好きですが)
まあここ最近の伊坂作品の中では一番好きかも。
おすすめ。
届きますか、届きません。
片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み時に暴走しつつ現実の扉を開けてゆく
キュートで奇妙な恋愛小説。3年ぶりの注目作!
***
ついに来たよ綿矢さん。待ってたよ。
彼女も大人になったせいか、おっさん女みたいな〝下品さ〟を今回は作中に散りばめていて
それが非常に痛快で(〝下のふせん~ってか。〟には爆笑)、
これまでの作品の〝斬新ながらもどこか優等生くさい〟っていう負の特徴も消えていて
おっと思わされた。
でも前作にも感じた〝比喩表現をひねり過ぎ・乱用し過ぎ〟な点が読んでてちょっと疲れたけど。
(一つひとつは抜群にうまいんだけど、綿矢さんが文章に込めた気合いが透けて見えてしまう。
まあ自分ならではの文体を試行錯誤してるんだろうなー。。。)
今回すごいなと思ったのは、
「フラれたわけでも相手に彼女が出来たわけでも幻滅させられたわけでもないのに終わる恋」、
それを非常にリアルかつわかりやすく描ききってるところ。
恋する女は妄想人間、惚れた相手をどんどん美化してく。
あまつ相手に惚れる自分さえも美化していざ自己陶酔の世界へ。
それが破られ現実に立ち返る、その瞬間のあまりの呆気なさ。その描写が秀逸。
独り善がり「運命の恋」は怖いです。往々にしてこういうことが起きるから。
秀逸といえば
「この男は単純なんじゃなくて自分に惚れてるから単純になっちゃってるんだ」
というひと言には眼からウロコボロボロ落ちました。なーるほど!
(まったくモテない私にも思い当たる節があったよ。。。)
オチは無難にまとまってしまってて残念。
あとヒロインの挙動・感情の流れにリアリティがあまりないことも。
彼女が最終的に選んだ〝恋のかたち〟、
私なら絶対選ばない(選べない)けど、まああれはあれでアリなんだろうな。
リスクや後悔を怖れない人だけがとれるかたち、なのだろうとそう思う。
読んで損はない小説です(爆笑も出来ます)。
余談:
本作のタイトルはやっぱりヒロインがポジティブに本命男・イチを跳ね除けた、って解釈で
いいんだよね? まあそこには怒りと開き直りも当然含まれてるのでしょうが。
そして〝ニ〟の本名、あれ〝ピンキリ〟から来てるんだよねたぶん?
片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み時に暴走しつつ現実の扉を開けてゆく
キュートで奇妙な恋愛小説。3年ぶりの注目作!
***
ついに来たよ綿矢さん。待ってたよ。
彼女も大人になったせいか、おっさん女みたいな〝下品さ〟を今回は作中に散りばめていて
それが非常に痛快で(〝下のふせん~ってか。〟には爆笑)、
これまでの作品の〝斬新ながらもどこか優等生くさい〟っていう負の特徴も消えていて
おっと思わされた。
でも前作にも感じた〝比喩表現をひねり過ぎ・乱用し過ぎ〟な点が読んでてちょっと疲れたけど。
(一つひとつは抜群にうまいんだけど、綿矢さんが文章に込めた気合いが透けて見えてしまう。
まあ自分ならではの文体を試行錯誤してるんだろうなー。。。)
今回すごいなと思ったのは、
「フラれたわけでも相手に彼女が出来たわけでも幻滅させられたわけでもないのに終わる恋」、
それを非常にリアルかつわかりやすく描ききってるところ。
恋する女は妄想人間、惚れた相手をどんどん美化してく。
あまつ相手に惚れる自分さえも美化していざ自己陶酔の世界へ。
それが破られ現実に立ち返る、その瞬間のあまりの呆気なさ。その描写が秀逸。
独り善がり「運命の恋」は怖いです。往々にしてこういうことが起きるから。
秀逸といえば
「この男は単純なんじゃなくて自分に惚れてるから単純になっちゃってるんだ」
というひと言には眼からウロコボロボロ落ちました。なーるほど!
(まったくモテない私にも思い当たる節があったよ。。。)
オチは無難にまとまってしまってて残念。
あとヒロインの挙動・感情の流れにリアリティがあまりないことも。
彼女が最終的に選んだ〝恋のかたち〟、
私なら絶対選ばない(選べない)けど、まああれはあれでアリなんだろうな。
リスクや後悔を怖れない人だけがとれるかたち、なのだろうとそう思う。
読んで損はない小説です(爆笑も出来ます)。
余談:
本作のタイトルはやっぱりヒロインがポジティブに本命男・イチを跳ね除けた、って解釈で
いいんだよね? まあそこには怒りと開き直りも当然含まれてるのでしょうが。
そして〝ニ〟の本名、あれ〝ピンキリ〟から来てるんだよねたぶん?
「ねえ、死んでくれない?」
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。
きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、
彼の死体は忽然と消えてしまう。
一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。
僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。
あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
***
久々再読。
やっぱりトンデモミステリは何度読んでも面白い(〝翼ある闇〟ももう何度も読み返してるし)。
それにしてもこれ、表紙の爽やかさとあらすじの面白さに惹かれて
小学生とかが手に取ったらちょっとやばいんじゃないかな的な。。。
内容モラルギリギリだし。
大人が読めばいろんな意味で〝面白く〟読めるんだけど。
個人的な感想としては、ものすごく丁寧な小説のプロットを読んでいるような感じだった。
こう進めようか、いやそれじゃ詰めが甘い、ならこうしようか、お、いい感じ。。。
そんな著者の心の声が本書を通して聞こえてくるような(だから物書き目指すひとにはおすすめ)。
また同時に、主人公の少年・ミチオが、自分や自分を取り巻く人間たちとの関わりや
生きていく上で起こった出来事(要するにこの物語)をどう帰結させるか悩んでいるところが面白い。
(ミチオは本来なら著者に操られる側の〝キャラクター〟なのに。
まあ〝ミチオ〟という名前からして、彼は著者〝道尾〟氏の象徴、つまるところ分身なのでしょうが)
動物が動物とは思えない動きをするところ(たとえば自分の掌を見つめたり)は
ちょっとアンフェアだと思うけど、かなり斬新な小説です。
中には「ふざけんな」と本を壁に直行なひともいるのでしょうが私は好きだ。
怖くて子供には薦められないけど。
(内容じゃなく、本作を読んだ子供への精神的影響が怖い)
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。
きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、
彼の死体は忽然と消えてしまう。
一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。
僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。
あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
***
久々再読。
やっぱりトンデモミステリは何度読んでも面白い(〝翼ある闇〟ももう何度も読み返してるし)。
それにしてもこれ、表紙の爽やかさとあらすじの面白さに惹かれて
小学生とかが手に取ったらちょっとやばいんじゃないかな的な。。。
内容モラルギリギリだし。
大人が読めばいろんな意味で〝面白く〟読めるんだけど。
個人的な感想としては、ものすごく丁寧な小説のプロットを読んでいるような感じだった。
こう進めようか、いやそれじゃ詰めが甘い、ならこうしようか、お、いい感じ。。。
そんな著者の心の声が本書を通して聞こえてくるような(だから物書き目指すひとにはおすすめ)。
また同時に、主人公の少年・ミチオが、自分や自分を取り巻く人間たちとの関わりや
生きていく上で起こった出来事(要するにこの物語)をどう帰結させるか悩んでいるところが面白い。
(ミチオは本来なら著者に操られる側の〝キャラクター〟なのに。
まあ〝ミチオ〟という名前からして、彼は著者〝道尾〟氏の象徴、つまるところ分身なのでしょうが)
動物が動物とは思えない動きをするところ(たとえば自分の掌を見つめたり)は
ちょっとアンフェアだと思うけど、かなり斬新な小説です。
中には「ふざけんな」と本を壁に直行なひともいるのでしょうが私は好きだ。
怖くて子供には薦められないけど。
(内容じゃなく、本作を読んだ子供への精神的影響が怖い)
Aren't they four hearts?
冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女。
ありえない二人の物語は、美貌の中国人モデルや、部下の社員らを巻き込み
予測不能の展開に…。
旬のエンターテインメント作家がフジテレビ月9ドラマのために書下ろした、話題沸騰の恋愛劇。
***
道尾氏は本当に
虫好きだな。
小ネタギャグ好きだな。
個性的なおっさん書くの好きだな。
書く人物に独り言多いな。
そしてドラマと全然内容違うな(ドラマは初めのほうしか観てないけど。。。)。
道尾氏独特の世界観をテレビ局からの細かいテコ入れで
没個性&地味にされてしまってて本作は好きになれなかった。
というか道尾氏にはラブストーリーってジャンルがそもそも合わないのだと思う。
それ以前に制約を受けて書く、ということが向いてないのだと思う。
自由に書いてこその本領発揮。
テレビドラマに添った文章書かせたいんなら東野圭吾氏とか石田衣良氏あたりに
任せておけばいい気がした。
それにしても作中のテレビCM考えたの誰なんだろう?
局側じゃなく道尾氏本人だとしたら相当にセンスあるけど(ラストシーンの「これ何に見える?」の
答えも)。
ラブストーリーとしてもミステリとしてもヒューマンドラマとしても中途半端。
あまりおすすめしません。
(花火屋のおじちゃんだけは好きだけど)
冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女。
ありえない二人の物語は、美貌の中国人モデルや、部下の社員らを巻き込み
予測不能の展開に…。
旬のエンターテインメント作家がフジテレビ月9ドラマのために書下ろした、話題沸騰の恋愛劇。
***
道尾氏は本当に
虫好きだな。
小ネタギャグ好きだな。
個性的なおっさん書くの好きだな。
書く人物に独り言多いな。
そしてドラマと全然内容違うな(ドラマは初めのほうしか観てないけど。。。)。
道尾氏独特の世界観をテレビ局からの細かいテコ入れで
没個性&地味にされてしまってて本作は好きになれなかった。
というか道尾氏にはラブストーリーってジャンルがそもそも合わないのだと思う。
それ以前に制約を受けて書く、ということが向いてないのだと思う。
自由に書いてこその本領発揮。
テレビドラマに添った文章書かせたいんなら東野圭吾氏とか石田衣良氏あたりに
任せておけばいい気がした。
それにしても作中のテレビCM考えたの誰なんだろう?
局側じゃなく道尾氏本人だとしたら相当にセンスあるけど(ラストシーンの「これ何に見える?」の
答えも)。
ラブストーリーとしてもミステリとしてもヒューマンドラマとしても中途半端。
あまりおすすめしません。
(花火屋のおじちゃんだけは好きだけど)
あの「無」の状態がもうじき訪れる。
目覚めると、そこは30年後の世界だった。
『イニシエーション・ラブ』『リピート』に続き、今度は未来へ…6年ぶりの長篇書き下ろし。
***
つまらなかった。
テーマは壮大なのに展開が地味。
心理描写もなんか適当だし。
ていうかこのオチならあらすじと〝スリープ〟ってタイトルは騙しじゃないか?
そしてラスト、亜里沙のこと天使天使言い過ぎ。山田悠介〝リアル鬼ごっこ〟の
「豪華、豪華、とにかく豪華」「暗い、暗い、とにかく暗い」を思い出してしまった。
(しかも連発する割にその〝天使らしさ〟が全然伝わってこないし。。。)
乾氏、やっぱり〝イニシエーション・ラブ〟は超せないのか。。。
次回作に期待。
オマケ:
こんな歌出してたとは。
目覚めると、そこは30年後の世界だった。
『イニシエーション・ラブ』『リピート』に続き、今度は未来へ…6年ぶりの長篇書き下ろし。
***
つまらなかった。
テーマは壮大なのに展開が地味。
心理描写もなんか適当だし。
ていうかこのオチならあらすじと〝スリープ〟ってタイトルは騙しじゃないか?
そしてラスト、亜里沙のこと天使天使言い過ぎ。山田悠介〝リアル鬼ごっこ〟の
「豪華、豪華、とにかく豪華」「暗い、暗い、とにかく暗い」を思い出してしまった。
(しかも連発する割にその〝天使らしさ〟が全然伝わってこないし。。。)
乾氏、やっぱり〝イニシエーション・ラブ〟は超せないのか。。。
次回作に期待。
オマケ:
こんな歌出してたとは。
けっして忘れない。
本読みのプロが選んだベストはこれ。
古今東西の短編小説から不思議な味わいの傑作を集めたアンソロジーシリーズ、
第1弾のテーマは「時をかける恋」。
タイムカプセルに入った恋人のもとに通い続ける恋、
時間と場所をこえて何度もめぐりあう男女の恋、
ひとたび眠るといつ目覚めるかわからない彼女との一瞬の再会を待つ恋――。
★収録作品★
美亜へ贈る真珠/梶尾真治
エアハート嬢の到着/恩田陸
Calling You/乙一
眠り姫/貴子潤一郎
浦島さん/太宰治
机の中のラブレター/ジャック・フィニイ
***
普段はラブストーリーなんざ
「ふ~ん、そんなのどこが面白いの?」σ(・・ ̄ ) ホジホジ
というスタンスで見下している私ですが、
本作にはやられた。
〝美亜へ贈る真珠〟なんかあまりの感動と切なさっぷりに
再読にも関わらず背中ゾクゾクーってなったし、
〝眠り姫〟もラストがちょっとベタベタすぎることを抜かせばもうむちゃくちゃ面白くて
主人公と〝彼女〟の感情に完全にシンクロして読んでたし(でもちょっとアニメ映画
〝ほしのこえ〟に似てる。←〝美亜に贈る真珠〟も。ていうか
〝ほしのこえ〟のほうが似てるのか)、
〝机の中のラブレター〟も大王道なのにもう勘弁してってほど染みた。
〝浦島さん〟はラストに収束されている〝恋愛(あるいは人生)とはこういうものだよ〟的な訓示に
「ははあ。。。なるほどそうだよなあ。。。」と唸らされる(物語自体はそう面白くないけど)。
〝エアハート嬢の到着〟はベッタベタすぎるのと長編からシングルカットしてる作品なせいか
どうもすっきりしないまま読了。
〝Calling You〟は既読であまり好きな話ではないせいか何も感じなかった。。。
(「時をかける恋」って括りさえなければ、〝未来予報〟なんか乙一作品の中では
ダントツ一位のラブストーリーなんだけどなあ。。。未読の方是非読んでみてください)
かなりおすすめのアンソロジー。
恋人へのプレゼントとかにもいいかも。
(内容はちょっと悲恋が多いけど。。。)
オマケ:
おすすめラブストーリー〝ほしのこえ〟。
アニメなんかまったく観ない自分が感動しました。
是非どうぞ(ロボット出てきたからって引かないでお願い!)。
わたしたちは、たぶん、
宇宙と地上に引き裂かれる恋人の、
最初の世代だ。
本読みのプロが選んだベストはこれ。
古今東西の短編小説から不思議な味わいの傑作を集めたアンソロジーシリーズ、
第1弾のテーマは「時をかける恋」。
タイムカプセルに入った恋人のもとに通い続ける恋、
時間と場所をこえて何度もめぐりあう男女の恋、
ひとたび眠るといつ目覚めるかわからない彼女との一瞬の再会を待つ恋――。
★収録作品★
美亜へ贈る真珠/梶尾真治
エアハート嬢の到着/恩田陸
Calling You/乙一
眠り姫/貴子潤一郎
浦島さん/太宰治
机の中のラブレター/ジャック・フィニイ
***
普段はラブストーリーなんざ
「ふ~ん、そんなのどこが面白いの?」σ(・・ ̄ ) ホジホジ
というスタンスで見下している私ですが、
本作にはやられた。
〝美亜へ贈る真珠〟なんかあまりの感動と切なさっぷりに
再読にも関わらず背中ゾクゾクーってなったし、
〝眠り姫〟もラストがちょっとベタベタすぎることを抜かせばもうむちゃくちゃ面白くて
主人公と〝彼女〟の感情に完全にシンクロして読んでたし(でもちょっとアニメ映画
〝ほしのこえ〟に似てる。←〝美亜に贈る真珠〟も。ていうか
〝ほしのこえ〟のほうが似てるのか)、
〝机の中のラブレター〟も大王道なのにもう勘弁してってほど染みた。
〝浦島さん〟はラストに収束されている〝恋愛(あるいは人生)とはこういうものだよ〟的な訓示に
「ははあ。。。なるほどそうだよなあ。。。」と唸らされる(物語自体はそう面白くないけど)。
〝エアハート嬢の到着〟はベッタベタすぎるのと長編からシングルカットしてる作品なせいか
どうもすっきりしないまま読了。
〝Calling You〟は既読であまり好きな話ではないせいか何も感じなかった。。。
(「時をかける恋」って括りさえなければ、〝未来予報〟なんか乙一作品の中では
ダントツ一位のラブストーリーなんだけどなあ。。。未読の方是非読んでみてください)
かなりおすすめのアンソロジー。
恋人へのプレゼントとかにもいいかも。
(内容はちょっと悲恋が多いけど。。。)
オマケ:
おすすめラブストーリー〝ほしのこえ〟。
アニメなんかまったく観ない自分が感動しました。
是非どうぞ(ロボット出てきたからって引かないでお願い!)。
わたしたちは、たぶん、
宇宙と地上に引き裂かれる恋人の、
最初の世代だ。
声のする方へ帰っておいで。
これは愛の短篇集だ――乙一
怪談専門誌『幽』2号から7号までに連載された6篇の怪談短編に、書き下ろし作品を加えた
愛と哀しみの短編集。幻想的な異界への境界と、親と子を描いた叙情的な物語は、
怪談ファンのみならず幅広い読者の支持を得る。待望の初単行本。
★収録作品★
長い旅のはじまり
井戸を下りる
黄金工場
未完の像
鬼物語
鳥とファフロッキーズ現象について
死者のための音楽
***
正直各話とも内容にはそこまで目新しい印象は受けないんだけど、この著者は
そういった物語たちを輝かせるセンスが並じゃない。
何気ない食材で極上の料理を作り上げてしまう人、
とりたてて高価というわけでもない服を組み合わせてモデル並にセンスよく着こなす人、
見た目は普通なのに表情や仕草や喋り方で自らを魅力的に魅せる人、
シンプルなメロディを戦慄するほど感動的な楽曲にアレンジしてしまう人、
そういった才能を本作の著者からは感じた。
個人的に一番よかったのは〝鬼物語〟。
ラストの語りかけで全身に寒気が走った。
それ以外にも最終話以外は全部よかったと思う(〝死者のための音楽〟は
ちょっと狙いすぎの感が。。。
あとは〝鳥と~〟の中盤で主人公がファフロッキーズ現象について調べるのが意味不明。
だって全然関係ないし)
ちなみに本作の著者があの有名な二文字の作家だと知って驚きました。
女性名で書いてるのね。
初期の朱川湊人氏、常川光太郎氏が好きな人には是非読んでほしい作品。
おすすめです。
余談:
正直この本で一番怖いのは内容じゃなくスピン(しおりのひも)だと思う。
(初めて見た瞬間思わず「うおあっ!」とか叫んだ)
これは愛の短篇集だ――乙一
怪談専門誌『幽』2号から7号までに連載された6篇の怪談短編に、書き下ろし作品を加えた
愛と哀しみの短編集。幻想的な異界への境界と、親と子を描いた叙情的な物語は、
怪談ファンのみならず幅広い読者の支持を得る。待望の初単行本。
★収録作品★
長い旅のはじまり
井戸を下りる
黄金工場
未完の像
鬼物語
鳥とファフロッキーズ現象について
死者のための音楽
***
正直各話とも内容にはそこまで目新しい印象は受けないんだけど、この著者は
そういった物語たちを輝かせるセンスが並じゃない。
何気ない食材で極上の料理を作り上げてしまう人、
とりたてて高価というわけでもない服を組み合わせてモデル並にセンスよく着こなす人、
見た目は普通なのに表情や仕草や喋り方で自らを魅力的に魅せる人、
シンプルなメロディを戦慄するほど感動的な楽曲にアレンジしてしまう人、
そういった才能を本作の著者からは感じた。
個人的に一番よかったのは〝鬼物語〟。
ラストの語りかけで全身に寒気が走った。
それ以外にも最終話以外は全部よかったと思う(〝死者のための音楽〟は
ちょっと狙いすぎの感が。。。
あとは〝鳥と~〟の中盤で主人公がファフロッキーズ現象について調べるのが意味不明。
だって全然関係ないし)
ちなみに本作の著者があの有名な二文字の作家だと知って驚きました。
女性名で書いてるのね。
初期の朱川湊人氏、常川光太郎氏が好きな人には是非読んでほしい作品。
おすすめです。
余談:
正直この本で一番怖いのは内容じゃなくスピン(しおりのひも)だと思う。
(初めて見た瞬間思わず「うおあっ!」とか叫んだ)
それは〝死〟にも通じる虚ろ。
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた――。
1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、
何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。
不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、
いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!
この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?
秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。
***
読みやすい文体でぐいぐい読める。
ただそれとは裏腹に物語の展開が非常に遅い。
700Pを半分にしてそのぶん中身を詰めてほしかった。
ラスボスも簡単にわかるし。
ホラーなのかミステリなのかどっちつかずで損してる気も(これら両ジャンルを見事なまでに
融合させられる作家さんというのも存在しますが←麻耶雄嵩〝蛍〟とか)。
でもそれなりに独特の世界観に魅了されたのも確か。
表紙も内容を飾るのに一役買っている。
中高生向けの夏休み映画にしたら映える物語なのではと思った。
まあまあおすすめ。
(でも、同じ『死んだのは誰だ?』系の話なら、私は〝冷たい校舎の時は止まる(/辻村深月)〟
を推すけど)
黄泉の黄昏の、うつろなる蒼き瞳の。
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた――。
1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、
何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。
不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、
いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!
この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?
秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。
***
読みやすい文体でぐいぐい読める。
ただそれとは裏腹に物語の展開が非常に遅い。
700Pを半分にしてそのぶん中身を詰めてほしかった。
ラスボスも簡単にわかるし。
ホラーなのかミステリなのかどっちつかずで損してる気も(これら両ジャンルを見事なまでに
融合させられる作家さんというのも存在しますが←麻耶雄嵩〝蛍〟とか)。
でもそれなりに独特の世界観に魅了されたのも確か。
表紙も内容を飾るのに一役買っている。
中高生向けの夏休み映画にしたら映える物語なのではと思った。
まあまあおすすめ。
(でも、同じ『死んだのは誰だ?』系の話なら、私は〝冷たい校舎の時は止まる(/辻村深月)〟
を推すけど)
黄泉の黄昏の、うつろなる蒼き瞳の。
おまえを、一生許さない。
僕は藤山真介。徳田と河合、そして転校していった友達は、
本が好きという共通項で寄り集まった仲だったのだ――。
町おこしイベントの失敗がもとで転校を余儀なくされる同級生、横行するいじめ、
クラス中が熱狂しだした「植物占い」、友人の行方不明…。混沌とする事態のなか、
夏休みの親子キャンプで真介たちが目の当たりにした驚愕の事実とは!?
子どもたちの瑞々しい描写と抜群のストーリーテリングで全選考委員をうならせた
第八回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
***
〝告白(/湊かなえ)〟がヒットするなら、これもヒットしてもおかしくないんじゃないか?
とそんな風に思える本作。
一筋縄ではいかない子供たち、恐ろしい大人、壮大な殺人計画――
これだけでも十分に内容かぶってるし。
まあ本作が映画化されたらR18指定つきかねないけど。。。
一歩間違ったら人権団体に訴えられかねないモラルすれすれのテーマを
こうまで見事に書ききれる実力はただ「すごい」のひと言。センスあるよなあ。。。
ラスト一行はかなり怖いです。精神にきます。人間不信になります。うあーξ(思い出しシャウト)
本作の世界観は圧倒的なリアリティをもって迫ってくるけど(まあ誕生日のくだりは別として)、
現実世界の人間はもう少し人間の心を忘れない存在でいてほしい。
そうでなきゃ哀し過ぎる。
子供に薦めたいような、
子供にだけは薦めたくないような、
そんな一冊。
もしこれを題材に読書感想文を書く子供がいたら本気で尊敬する。
ちょっと誰かに挑戦してみてほしい笑
後味悪過ぎるけど面白いです。
僕は藤山真介。徳田と河合、そして転校していった友達は、
本が好きという共通項で寄り集まった仲だったのだ――。
町おこしイベントの失敗がもとで転校を余儀なくされる同級生、横行するいじめ、
クラス中が熱狂しだした「植物占い」、友人の行方不明…。混沌とする事態のなか、
夏休みの親子キャンプで真介たちが目の当たりにした驚愕の事実とは!?
子どもたちの瑞々しい描写と抜群のストーリーテリングで全選考委員をうならせた
第八回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
***
〝告白(/湊かなえ)〟がヒットするなら、これもヒットしてもおかしくないんじゃないか?
とそんな風に思える本作。
一筋縄ではいかない子供たち、恐ろしい大人、壮大な殺人計画――
これだけでも十分に内容かぶってるし。
まあ本作が映画化されたらR18指定つきかねないけど。。。
一歩間違ったら人権団体に訴えられかねないモラルすれすれのテーマを
こうまで見事に書ききれる実力はただ「すごい」のひと言。センスあるよなあ。。。
ラスト一行はかなり怖いです。精神にきます。人間不信になります。うあーξ(思い出しシャウト)
本作の世界観は圧倒的なリアリティをもって迫ってくるけど(まあ誕生日のくだりは別として)、
現実世界の人間はもう少し人間の心を忘れない存在でいてほしい。
そうでなきゃ哀し過ぎる。
子供に薦めたいような、
子供にだけは薦めたくないような、
そんな一冊。
もしこれを題材に読書感想文を書く子供がいたら本気で尊敬する。
ちょっと誰かに挑戦してみてほしい笑
後味悪過ぎるけど面白いです。
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kovo
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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