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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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ただ歌を届けたかった。



拝啓、十五年後の私へ。
中学合唱コンクールを目指す彼らの手紙には、誰にも話せない秘密が書かれていた――。
読後、かつてない幸福感が訪れる切なくピュアな青春小説。

***

映画化してほしい。
というか映画化するんじゃないかと思う。
ちょっとズレた、変わった物語ばかり読んでいる私でも自然と笑みが零れるほど
良質な物語だった。中高生にも勧められる。
Angela Akiさんの〝手紙 拝啓~十五の君へ~〟が物語の主流を占めているのですが、
あの歌が読んでいる間中まざまざと脳裏に浮かび上がるようだった。

単に合唱部の動向を追うだけじゃなく、もちろん
中学生という多感な年ごろの子供たちが直面するさまざまな出来事も
丁寧に描かれていて、当時を思い出しながら臨場感を持って読み進めることが出来た。

合唱コンクールよりも、合唱コンクールのあとに起こるある出来事が
最高の感動をもたらしてくれた。
昨日、友人と金環食を見に多摩川河川敷まで行ったら男子高校生の集団がいて、
曇って顔を覗かせない太陽に向かって
「あいつ照れ屋だからな、隠れちゃったよ」
と大声で言って皆で笑ったり、
意味もなく追いかけっこを全力でし合ったり、
金環食が見えたときには
「おーすげえ! 本当にリングだああ!」
と言い合ったり、
そんな彼らがすごく眩しく見えたのですが、彼らを見たときと同じ感動を
本作は私にくれた。眩しい物語だった。

非常におすすめです。

ちなみにその男子高校生たちに写真を撮ってほしいと声をかけられ、
「今から皆でジャンプするんでその瞬間を撮ってください!」
と言われて彼らが一斉にジャンプした瞬間は今も脳裏に焼き付いて離れない。
この物語みたいに。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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