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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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人の狂気は伝染する。



「この役立たず! 私のために、殉職しなさい!」
ドSな美人刑事・黒井マヤがパワーアップして帰ってきた!
シリーズ10万部突破のベストセラー最新作!

人気番組「クイズマスター」で活躍するクイズ王・瓜生正夫が、
喉を一直線にかき切られる残虐な手口で殺害された。
ライバルのクイズ王・阿南達郎にも「敗者に死を」と書かれた手紙が届く。
ドSで猟奇趣味の美人刑事・黒井マヤは、浜松から呼びつけた相棒の代官山脩介刑事、
マヤに虐げられながらも「姫様」と呼んでまとわりつく浜田学刑事とともに捜査を開始する。
やがて、阿南に恨みをもつ元部下の伊勢谷良美が容疑者として浮上するが、
彼女は同様の手口で殺害された認知症の母親を残し、失踪。
その自宅には「悪魔払い」を信仰するカルト教団の祭壇があった──。
ドS度200%アップで帰ってきた黒井マヤが、常に血だらけのドMな相棒を引きつれ、
大好物の「殺人現場」で大暴れする!

***

ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件〟の続編。

正直今までの七尾作品の中で一番面白かった。
文章は読みやすく、展開はいつにも増してスピーディーで
「今日はこのへんにしとくか。。。」が効かない。あっという間に読んでしまう。
ミステリというジャンルはもともと娯楽要素が強いものだけど、
本作は正にエンターテイメントという感じで、キャラクターや謎や物語展開を
存分に堪能して読むことが出来た。

前回は少し物足りなく感じていたヒロイン・マヤのドSっぷりが
レベルアップしていたことも非常に嬉しい要素だった。
(というかレベルアップしすぎていてちょっと怖いぐらいだった。
彼女の毒舌が自分に向いたらと思うと戦慄が走る)

個人的にツボだったのは、大好きな心理学ネタが内容に盛り込まれていたこと。
終盤で登場するある心理学的要素に、
「ああだから今回の副題はこのタイトルなのか!」
と大いに納得させられた。
犯人がふたり、というオチはミステリ読者が敬遠しがちなものだけど、
本作はそれが違和感なく物語のスパイスになっていた。
犯人のクライマックスでの行為に切ない思いを抱かされもした。

残念だったのは、せっかくレベルアップしたマヤの出番が思った以上に少なかったこと。
彼女はキャラが濃すぎるのであんまり出過ぎると全体のバランスが崩れる、と
七尾氏が危惧した結果なのかも知れませんが、もっともっと彼女のドSっぷりを見たかった、
というのが正直なところ。

でも楽しかったです。
私はいつも文章力や表現力、構成力を自分が小説を書く上での勉強として
いちいちチェックしながら読み進めるのが常なのですが、
本作はそういった余計なことを考えず完全に一読者として読むことが出来た。

おすすめです。

小説教室の先輩である七尾さん、本作は重版がかかり書店のベストセラーランキングにも
入っているとのこと。
七尾さん、本当におめでとうございます!
そして面白い物語をありがとう。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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