おかえりなさい。
「一緒に北海道に行かないか」。
女子大生の夏希の前に、10年前まで施設で一緒に暮らしていた司が突如現れ、
こんな誘いを持ちかけてきた。
ともに親から虐待を受け、捨てられた子供だった司と夏希は、強い絆で結ばれていたが、
この10年音信不通となっていたのだ。
ためらうことなくおんぼろのフォルクスワーゲンに乗り込んだ夏希・・・・・・。
こうして二人の「ひたすら北を目指す旅」がはじまった。
***
幼いころそれぞれ虐待を受けていた男女が
10年ぶりに再会し、北海道までの道のりを目指す、という基本的にはロードノベル。
虐待の描写は少しですがすさまじく、これまで児童虐待をテーマにした小説や
ノンフィクションを読んできた私でも目を背けたくなるほど。
けれどそのぶん、同じつらさや傷を共に抱えてきた男女ふたりの絆が
ひしひしと伝わってきます。
恋人とも兄妹とも友情ともつかない関係。
そんなくだらないジャンル分けを超越したところでふたりは繋がっているのでしょう。
陳腐な言い方をすれば〝魂〟の部分で。
物語のテーマや展開はひと昔まえのドラマのような感じで正直目新しさはないし、
ラストが若干ご都合主義的に展開しすぎな気もしましたが、
各登場人物の挙動や心理描写が丁寧に書き込まれていてしみじみとした心持ちで
読むことが出来ます。
小説教室の同期である、シンセイ(真生)さんの作品は
以前からうまいなあ、この方はプロでもいけるなと思っていたのですが、
本当にデビューされてしまった。
自分の目は確かだったと己の読解力を誰にともなく誇ってみたり。
おすすめです。
切ない物語が好きなひと、
人間の絆というのはいかなるものかを知りたいひとは是非。
それにしても、死にたい死にたいと思っているときに
一番大切なひとから「生きろ」と言われたら自分ならいったいどうするだろうか。
それもその大切なひとがもうすぐこの世から消えてしまうとわかっていたら。
答えは未だ出ません。。。
「一緒に北海道に行かないか」。
女子大生の夏希の前に、10年前まで施設で一緒に暮らしていた司が突如現れ、
こんな誘いを持ちかけてきた。
ともに親から虐待を受け、捨てられた子供だった司と夏希は、強い絆で結ばれていたが、
この10年音信不通となっていたのだ。
ためらうことなくおんぼろのフォルクスワーゲンに乗り込んだ夏希・・・・・・。
こうして二人の「ひたすら北を目指す旅」がはじまった。
***
幼いころそれぞれ虐待を受けていた男女が
10年ぶりに再会し、北海道までの道のりを目指す、という基本的にはロードノベル。
虐待の描写は少しですがすさまじく、これまで児童虐待をテーマにした小説や
ノンフィクションを読んできた私でも目を背けたくなるほど。
けれどそのぶん、同じつらさや傷を共に抱えてきた男女ふたりの絆が
ひしひしと伝わってきます。
恋人とも兄妹とも友情ともつかない関係。
そんなくだらないジャンル分けを超越したところでふたりは繋がっているのでしょう。
陳腐な言い方をすれば〝魂〟の部分で。
物語のテーマや展開はひと昔まえのドラマのような感じで正直目新しさはないし、
ラストが若干ご都合主義的に展開しすぎな気もしましたが、
各登場人物の挙動や心理描写が丁寧に書き込まれていてしみじみとした心持ちで
読むことが出来ます。
小説教室の同期である、シンセイ(真生)さんの作品は
以前からうまいなあ、この方はプロでもいけるなと思っていたのですが、
本当にデビューされてしまった。
自分の目は確かだったと己の読解力を誰にともなく誇ってみたり。
おすすめです。
切ない物語が好きなひと、
人間の絆というのはいかなるものかを知りたいひとは是非。
それにしても、死にたい死にたいと思っているときに
一番大切なひとから「生きろ」と言われたら自分ならいったいどうするだろうか。
それもその大切なひとがもうすぐこの世から消えてしまうとわかっていたら。
答えは未だ出ません。。。
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この記事へのコメント
まるで雪など降らなかったかのように/真生
ね、ayumiさん教室で見せてくれましたよね!
わたしもやっと読むことができた。。。
やっぱりうまいですねえ彼女は。。。
確かに腎臓移植の挿話が効いていた。
親に対する最大の裏切りを表すのに
これ以上ないってぐらいのエピソード
でしたよね。
暗い場所で眠れない、押入れの木を齧る、
そういった設定にも圧倒されました。
ああいうエピソードを生み出せるかどうかが
プロになれるかどうかの境目なんでしょうねー。
ともあれ、わたしは今日も
長編執筆がんばっております。
さっき今日のぶん書き終えました。
さて次は歌だ!
ayumiさんもゆっくりゆっくり
がんばってくださいね☆
応援してます^-^
わたしもやっと読むことができた。。。
やっぱりうまいですねえ彼女は。。。
確かに腎臓移植の挿話が効いていた。
親に対する最大の裏切りを表すのに
これ以上ないってぐらいのエピソード
でしたよね。
暗い場所で眠れない、押入れの木を齧る、
そういった設定にも圧倒されました。
ああいうエピソードを生み出せるかどうかが
プロになれるかどうかの境目なんでしょうねー。
ともあれ、わたしは今日も
長編執筆がんばっております。
さっき今日のぶん書き終えました。
さて次は歌だ!
ayumiさんもゆっくりゆっくり
がんばってくださいね☆
応援してます^-^
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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