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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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助けて。



臨床心理士・嵯峨敏也はある小学校の女性教諭に注目する。
彼女は独自の音楽療法を用いて不登校の児童たちを立ち直らせ、文部科学省からも
教育者として高い評価を受けていた。
が、彼女の一家を襲った惨劇が、彼女の人生を大きく変えてしまった。
凶悪な犯行に及びながらも決して罰せられることがない犯罪少年に、
彼女は激しく憎悪を燃やす。
やがて復讐の一線を越えたとき、彼女のなかに冷酷な“もうひとりの自分”が宿り始めた…。
「催眠」の本格的サイコミステリーに立ちかえりつつ、より一層のリアリズムに満ちた
精神医学と臨床心理学の世界を背景に、嵯峨の知識と能力の限りを尽くした活躍を描く
新機軸スリラー最高傑作。

***

面白かったー!

と、えらく単純な感想ですが、本当に面白いものを読むと案外
こんな言葉しか出てこなかったりするものです。
〝催眠〟〝後催眠〟に続く臨床心理士・嵯峨敏也シリーズの三作目にあたる本作、
私の中では他二作とは比較にならないほどダントツトップの面白さ。
〝催眠〟のように映画化とまではいかなくても、二時間ドラマぐらいには是非してほしい。
主人公・嵯峨が猟奇殺人犯と化してしまった女性に犯行を自白させるために仕掛けたトラップも、
その中身は多少読めてしまってはいたものの、それでも彼女が見事それにかかるシーンでは
あまりの爽快感(というより快感?)に思わずおお、とうめき声がもれてしまった。
古畑任三郎or杉下右京ばりの犯人への引っ掛けのうまさ。嵯峨かっこいい。
&ここまで良質なエンターテインメントを書き上げた著者の松岡氏、見事です。

まあひとつだけ難を言うなら、冒頭で〝彼〟が自殺してしまったのはちょっと
ご都合主義だったけどね。それ以外は心底楽しませてもらったので目をつぶります。

シリーズものではありますが、これだけ読んでも十分に楽しめます。
非常におすすめの一冊。

ていうかこの小説の表紙。。。ファーゴ?

fargo.jpg












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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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