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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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だいじょうぶ。ひとりじゃない。
だいじょうぶ。溶けている。




朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。
騙されて行った京都で、そんな彼らが遭遇する愛と冒険の日々…。
切ない恋心に胸を焦がしたことのある人なら、
自分の不誠実な生き方に後ろめたい想いを抱いて生きている人なら、
読んで涙せずにはいられない、花村萬月、鮮烈のデビュー作。
第2回小説すばる新人賞受賞作。

★収録作品★

 ゴッド・ブレイス物語
 タチカワベース・ドラッグスター

***

絡みつくような性描写。
咳払い。
赤面(自意識の過剰)。
神という概念。
音楽。
母性。
「とーちゃん」「ねーちゃん」と伸ばす子供の台詞。

花村氏は大好きな作家さんなのですがデビュー作を読むのは初めてで、
それでもやっぱり花村氏を思わせる上記のようなキーワードは随所に散りばめられていて
人の根源はそうそう変わらないものだなと何だか嬉しく思ったり。

ただ、やっぱり文章はどこか若書きで、本作における花村氏の筆致は
どこか金原ひとみさんを髣髴とさせるものがあった。
まあ、暴力&性を描くことが多いという点は似てるからな。

ストーリーとしては、ややご都合主義的な部分が多かったけど、
&主人公の心の動きが読みづらいきらいはあったけど、
デビュー作でここまで書けるのはやはりすごいんじゃないかと思う。

本作で唯一腑に落ちないのは、ヒロインのボーカリストの
「英語の歌では日本人に伝わらない」
と英語の歌詞をわざわざ日本語に直して歌ってみたりするそのスタンス。
私も歌詞はすごく大事なものだと思うけど、歌声やメロディに比べたら
瑣末なものだと思うし、現に本当にいい曲は意味がわからなくても胸を打つから
やはりそのメロディに一番ぴったりはまるリズムの歌詞で歌うのが一番と思う。
もちろん、歌詞を理解した上で聴けば感動もひとしおだけど。

でもヒロインの、かわいくて色気があって男前なキャラは好きです。

ところで本作に登場するシスターテレジアは花村氏の別の作品にも出てくるのですが、
実際教護院で過ごした経験を持つ花村氏のことだから
実在の人物なのかもな、ひょっとしたら。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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