忍者ブログ
読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
[433]  [432]  [430]  [428]  [434]  [423]  [425]  [422]  [431]  [416]  [421
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それは失われた至福感にも似て。



200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは
調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?
一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。
大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる
前代未聞の奇妙な危機とは――。
すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。

***

塩の街〟に続く自衛隊三部作の二作目。

率直な感想。
つまらなかった。

〝塩の街〟のあのクオリティの高さは一体どこへ? と首をひねらざるを得ないほど
終始一貫つまらなかった。
何が言いたいのかもよくわからなかったし。
作中に込められたテーマを無理に読み取ろうとせずに単にエンタメとして読んでも、
出来の悪いB級SFのようでまったく入り込めなかった。
未知の生物との邂逅、その生物と人間たちの間に生じる軋轢、そして分かり合えない寂しさ、
そういった内容のものを読みたいのであれば、景山民夫氏の〝遠い海から来たCOO〟を
読んだほうがよっぽどいいです。

〝白鯨(本作中の宇宙人的存在)〟が人間からの爆撃で複数の単体に散ってしまった際、
それぞれの単体を人間でいう〝解離性同一性障害〟の交代人格に見立てて、
再び一つの〝白鯨〟に戻す、という展開になったときは「おお! 斬新!」と
ハラハラしたものでしたが、そこらへんの具体的な描写もないままいつの間にか白鯨一つに
戻ってるし。一体。。。
(しかも著者、解離性同一性障害の解釈間違ってるし。主人格は常にほかの交代人格たちを
見守る立場(ホスト役)にいるので、ほかの人格が表に出ている間主人格は意識を失くすって
ことはないです)

そしてタツミとミキの恋愛描写。恥ずかしすぎる。勘弁してください。
そりゃジュブナイル向けの小説をいい歳して手にとった私が悪いのかもしれませんが、
読んでてこっ恥ずかしいにもほどがある。
ミキ典型的なツンデレだし。
恋愛描写のサムさと言えば本作ラスト一行も「ああこんな本読まなきゃよかったほんと」と
脱力するに十分なものだったし。

おすすめしません。
十代の子とかは感動できるのかもだけど。
私もそれぐらいの歳のときに読みたかったなあ。。。

pic03601.jpg








PR
この記事へのコメント
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

secret(※チェックを入れると管理者へのみの表示となります。)
この記事へのトラックバック
TrackbackURL:
プロフィール
HN:
kovo
性別:
女性
自己紹介:
80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
アーカイブ
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
ブログ内検索
Copyright © 【イタクカシカムイ -言霊- 】 All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  Material by ラッチェ Template by Kaie
忍者ブログ [PR]