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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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暗い場所で眠れ。



天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、
彼はある行動をとる。
二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。
あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた――。

***

要所要所にははっとさせられる台詞、描写があったりはするのですが、
全体的には模糊とした、テーマの見えづらい物語だった。
出来のあまりよくない純文小説、といったような。
各エピソードも過去にどこかで読んだようなものばかりだし、
この手の純文学的作品になくてはならない
狂的にインパクトのある見せ場がないことにも不満を感じた。
まほろ駅前多田便利軒〟でしをんさんの大ファンになり、期待していただけに残念。

「受けた傷は愛情では本当には癒えない」
という言葉の哀しさにはやられましたが。
よくテレビや何かでやっている「誰々の助けがあったから今の自分がいる」
みたいなドキュメンタリー、あれも結局、傷ついた本人が自分の力で回復したんであって
真の意味では他人に助けてもらうことは無理なんだよな。
余談ですが私の友人も、精神的に本当に参っていたときに恋人がアパートに訪ねてくるたび
「頼むから早く帰ってくれ」と内心思っていたそうだし(別に倦怠期とかいうわけでもないのに)。

何で皆こんなに独りぼっちなんだろう。
本作の登場人物たちを見て思いましたが、それは本の中の世界に限らず
言えることなんだろうな。

桜庭一樹さんの〝私の男〟に空気感が似ているので、あっちが好きな人は
読んでみるのもいいかも(私としてはあっちのほうがダントツで好きですが
まあそこは人それぞれだし)。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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