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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「非日常の楽しみならば、素敵なレストランがあるものね」



下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。
風変わりなシェフのつくる料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の
心と舌をつかむものばかり。そんな名シェフは実は名探偵でもありました。
常連の西田さんはなぜ体調をくずしたのか?
甲子園をめざしていた高校野球部の不祥事の真相は?
フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?
……絶品料理の数々と極上のミステリ7編をどうぞご堪能ください。

★収録作品★

 タルト・タタンの夢
 ロニョン・ド・ヴォーの決意
 ガレット・デ・ロワの秘密
 オッソ・イラティをめぐる不和
 理不尽な酔っぱらい
 ぬけがらのカスレ
 割り切れないチョコレート

***

のほほんとした雰囲気がかわいいミステリ。
店員たちにもそれぞれ個性があって楽しい。
ただ惜しむらくは、本作の探偵役であるシェフ・三舟が一番影が薄いこと。
何だかFF12のヴァンや逆転裁判4の王泥喜を彷彿とさせるような。。。(ゲームしない人
わからなくてすいません)
終始無言で(まあ無口という設定なので仕方ないですが)ラストにちょろっと出てきて
ぼそっと謎解決してまた引っ込んでいく、というのはあまりに登場頻度が。。。
あともう少し活躍させてあげてほしかった。

不服な点といえばもうひとつ、やっぱり料理ものを小説で書かれると、
料理名が出てきたときにどういう食べ物なのかさっぱりわからないところ。
単に言葉の響きだけを楽しめばいいのかもしれませんが、やっぱり盛り付けや素材に
魅力のあるフランス料理、絵的にも楽しめればなあとちょっと残念。
ヴァン・ショー(ホットワイン)は唯一知ってましたが、雑誌に連載時はいいだろうけど
単行本では毎回毎回一気に出てくるので「またかよ」とちょっと鬱陶しかった。

トリックや動機は基本的に女性作家ならではの発想のものが多いので、
女性のほうが本作は楽しめるしより登場人物たちの心情を理解できるかもしれません。

ちなみにフランス料理ものなら私は(マンガではあるけど)
こっち↓のほうがずっと面白かったな。おすすめ。

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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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