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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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今夜は震えて眠れ――。

 

闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、
ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。
白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた
巻島史彦警視だった――。史上初の劇場型捜査が幕を開ける。
第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、
2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。

***

よくできた二時間ドラマでした。。。というのが率直な感想。
はっきり言って映画化されたり大きい賞を獲るほどの出来ではない。
面白くて一気に読めたけど、深みも含蓄も感じられない、単なるエンターテインメント。

だいたいが警察がテレビ局とタッグを組み、捜査官がテレビに出ることで
犯人をあぶり出そうというのが目的であるはずなのに、結局最後は
主人公(捜査官)がテレビに出ようが出まいが犯人捕まってたんじゃないの? オチ。
テレビを通しての主人公と犯人とのやり取りも、はじめは面白く読めるけれど
それが延々淡々と続くので後半に差し掛かるころにはダレてきた。
テレビ越しの正義VS.悪のバトルを楽しみたいなら、本作よりも
デスノートのほうがはるかにおすすめ。

ていうか、事件解決の決め手が奇跡的偶然二連発のおかげってどうよ?
二度目の偶然にはまあまだ眼をつぶるとしても、最初のはご都合主義すぎるだろ。

ちなみに個人的には、
犯人VS.主人公
より、
犯人VS.植草(主人公と同じく刑事)
のほうがよっぽど面白かった。

前にレンタルで映画版を借りかけたことがあるけど、借りなくてよかった。

最後に、重箱の隅をつつくようでなんですが、著者の雫井氏、ネーミングセンスやばいです。
犯人が〝バッドマン〟て。。。
主人公の若いころのあだ名が〝ヤングマン〟て。。。
犯人の手紙に毎回書かれている「フハハハハハ」も正直サムいし。。。
〝黄泉がえり〟で、原作では〝マーチン〟だった女性歌手が、映画では
〝RUI〟に変更されていたときの物悲しさを感じちゃったよ。。。

蛇足ですがこの小説、舞城王太郎氏がリメイクして書いたら
かなり面白いかもしれないと思ってみたり(いや真剣に)。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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