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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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手だけは、離さずに。



村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。
突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、
村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。
だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった――。
辻村深月が描く一生に一度の恋。

***

。。。辻村深月さんの小説を読んでつまらないと思ったのは今回が初めてかも知れない。
これが一生に一度の恋? にしては薄っぺら過ぎる(〝一生に一度の恋〟というコピーは
編集が考えたものだろうから著者を責めるのは間違ってるけど)。
脇キャラも、伏線(ぽいもの)を張るだけ張って何で出てきたのか意味もわからないまま
あっさりフェードアウトしていくし、フェードアウトといえば物語の流れ全体が
曖昧なままフェードアウトって感じだし(水没した村は結局何の意味があったんだろう?
ラストの比喩のためにだけ? それじゃあまりにあんまりな気が)。

辻村作品初の濡れ場には驚かされましたが。

にしても今作の一番の欠点は、本来魔性の女であるべきはずの由貴美の
〝魔性〟の部分が圧倒的に少なく、〝人間〟としての弱さ・脆さのほうが
強調されがちだったことだと思う。
そこらへんのバランスが悪く、物語の着眼点は非常にいいのに勿体ないなと思った部分。

決して駄作ではないのですが、辻村作品を読後いつも思う「また読み返したい」が
今回はなかったことが残念だった。

そしてこれは余談なのですが、
本作には今自分が書いている小説と表現が被っている場所が二箇所もあり、
「これ応募してパクリってことになって落とされたらどうしよう」と
戦々恐々としている今日この頃です。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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