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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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それこそが――神のゲームの、ルール。



天才建築家・驫木煬が山奥に建てた巨大な私邸“眼球堂”。
そこに招待された、各界で才能を発揮している著名人たちと、
放浪の数学者・十和田只人。
彼を追い、眼球堂へと赴いたライター陸奥藍子を待っていたのは、
奇妙な建物、不穏な夕食会、狂気に取りつかれた驫木…
そして奇想天外な状況での変死体。
この世界のすべての定理が描かれた神の書
『The Book』を探し求める十和田は、
一連の事件の「真実」を「証明」できるのか?
第47回メフィスト賞受賞作。

***

平成も25年になったこの時代に
〝読者への挑戦〟が表記されたバリバリの本格推理に出会えるとは。
嬉しかった。
しかも綾辻行人氏や島田荘司氏が書くような所謂〝館〟もの。
本格ファンには垂涎ものです。

ただいかんせん、私はメフィスト賞受賞作を読みすぎており
それらがたどるおおよその筋道が見えてしまっているので、
本作のトリックにも最後の最後で明かされる「驚愕の真相」にも
予測がついてしまったのが残念。
本作がメフィスト賞受賞作だということを知らないで読めば
きっともっともっと楽しめたのにな。

でも、若干ラノベっぽい文章はさておき、
これでもかというぐらいエンタメエンタメしている物語なので
一気に読み切ることが出来た。
眼球堂に集う天才たちは皆天才性があまり描かれておらず肩すかしだし、
最後でヒロイン・陸奥藍子が語っていたことは
正直物語に無理やりに辻褄を合わせるための言い訳にしか思えなかったけど、
そんな瑕疵にも眼をつぶってしまえるぐらい
本作は楽しませてもらった。

同著者の次回作が夏には刊行されるとのことで
今からとても楽しみ。

非常におすすめです。
ミステリファンの方は、是非。

蛇足:
本作のあるトリックが、去年書き上げて
今月中に応募しようと思っている拙作のトリックと被っていて
ちょっと動揺していたりします。。。
「既存のトリック」とか烙印を押されて落選しないことを、そして
万が一受賞できても2chあたりで「パクリだ」と糾弾されないことを
祈るばかりです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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