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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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「物理的には可能だ」



『虚像の道化師 ガリレオ7』を書き終えた時点で、
今後ガリレオの短編を書くことはもうない、ラストを飾るにふさわしい出来映えだ、と
思っていた著者が、
「小説の神様というやつは、私が想像していた以上に気まぐれのようです。
そのことをたっぷりと思い知らされた結果が、『禁断の魔術』ということになります」
と語る最新刊。

★収録作品★

 透視’みとお)す
 曲球(まが)る
 念波(おく)る
 猛射(う)つ

***

過去のガリレオシリーズに比べると科学風味が若干薄れていて、
最終話〝猛射つ〟などでは湯川の人間味(それも人情溢れる、というのではなく
怖い側面)を堪能することも出来ます。
ただ最終話は、ページ数の都合上しょうがないのかもしれないけれど
各登場人物のキャラやエピソードがどれも中途半端になってしまっていた感が
あったのが残念。
そして東野作品を読後必ず思うことだけど、
物語自体は面白いのに印象に残る文章がない。
文章が簡潔すぎるんだよな。
ものすごい才能を秘めた東野氏の、会心の一文というのに出会ってみたい、
というのがここ最近の私の願いです。

でもおすすめ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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