人生の<小さな奇跡>の物語
夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。ひょんなことから、
「家族解散前の思い出」として〈岡田〉と名乗る男と
ドライブすることに──(第一章「残り全部バケーション」)他、
五章構成の連作集。
***
相変わらず、いい意味で子供が仕掛ける悪戯のような趣を持った
伊坂氏の物語。
こういう、童心を忘れずにいられる大人、それも作家としての
それなりの地位を得た今も尚それを持ち続けていられるひとというのは
本当に貴重だなと思う。
小粒な物語ではあるものの、伏線の張り方も相変わらず絶妙で、
その後を読者の想像に委ねるリドルめいた終わり方も
マンネリといえばマンネリなのだろうけどそれでも私はやっぱり好きだ。
私は今運転免許を取るために自動車教習所に通っているのだけれど、
オートマのクリープ現象を体感するたびに、作中に出てきた
「レバーをドライブに入れておけば勝手に進む」
という言葉を思い出してほくそ笑んでしまいそうな自分を感じた。
まあ、レバーをドライブに入れるのが難しく、普段はどうがんばっても
ニュートラルかパーキングにしかレバーが入らない、というのも
考えものではあるけれど。
深くは考えないでおく。
おすすめです。
夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。ひょんなことから、
「家族解散前の思い出」として〈岡田〉と名乗る男と
ドライブすることに──(第一章「残り全部バケーション」)他、
五章構成の連作集。
***
相変わらず、いい意味で子供が仕掛ける悪戯のような趣を持った
伊坂氏の物語。
こういう、童心を忘れずにいられる大人、それも作家としての
それなりの地位を得た今も尚それを持ち続けていられるひとというのは
本当に貴重だなと思う。
小粒な物語ではあるものの、伏線の張り方も相変わらず絶妙で、
その後を読者の想像に委ねるリドルめいた終わり方も
マンネリといえばマンネリなのだろうけどそれでも私はやっぱり好きだ。
私は今運転免許を取るために自動車教習所に通っているのだけれど、
オートマのクリープ現象を体感するたびに、作中に出てきた
「レバーをドライブに入れておけば勝手に進む」
という言葉を思い出してほくそ笑んでしまいそうな自分を感じた。
まあ、レバーをドライブに入れるのが難しく、普段はどうがんばっても
ニュートラルかパーキングにしかレバーが入らない、というのも
考えものではあるけれど。
深くは考えないでおく。
おすすめです。