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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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バカなので無理です。



クワコーこと桑潟幸一准教授が、たらちね国際大学に転勤して最初の夏休み。
低偏差値大学の「受験生応援プログラム」というリクルート大作戦の一環として、
ティッシュ配りにあけくれていたクワコーへの、次なる指令は?
「ゆるキャラの恐怖」…大学対抗ゆるキャラコンテストに着ぐるみで出場せよ。
審査委員長はみうらじゅん、「おそろしき事がおこるぞよ」との脅迫状が届いて…。
「地下迷官の幻影」…セミの次はキノコだ!理想の食材を求めるクワコーは、
エロナマズ大王に恫喝され、学園に渦巻く権力闘争の暗流に巻き込まれる。
文壇のマエストロの脱力系ミステリー!

***

大好きなシリーズです。
真面目な文章で笑いをとってくる、ある意味夏目漱石の「坊ちゃん」的作風。
特に表題作「ゆるキャラの恐怖」には爆笑させてもらった。
強いて言えばユーモアミステリというジャンルに入るのでしょうが、
ミステリの要素はほんのり味つけ程度。それでも主人公・クワコーを初めとする
登場人物たちのキャラの濃さで存分に楽しむことが出来ます。
「地下迷宮の幻影」は表題作に比べてあまり面白くありませんでしたが、
タイトルが格好いいのにその意味するところがわかったときは
そのあまりのギャップに吹いた(そもそも「スタイリッシュな生活」という
副題が付いてるのに全然スタイリッシュじゃないところがいい意味ですごい)。
「インダギャイ」(意味は読めばわかります)には腹を抱えて笑った。
クワコーみたいな人間のことを「愛すべきバカ」というんでしょう。
セミとかザリガニ獲って食べちゃうし。それで食費浮かせてるし。
挙げ句毒キノコ食って病院送りになるし。
埼玉のザリガニについて熱く語って小学生に「サイタマン」とかあだ名付けられてるし。
もうほんと作者の奥泉さん、年に三冊ぐらいこのシリーズ出してくれないかな。

「駄目ぽ」とか「ヨロシコ」とか、出てくる大学生の言葉が古いにもほどがあるのが
ちょっと著者の年齢を感じさせますが、そこにさえ眼を瞑れば楽しめます。
シリーズ未読の方は是非一作目からどうぞ。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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