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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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なんてね



雪野原に立つ民家で、初めて会った者同士が一夜を過ごし、翌朝、死体発見
(『六つの玉』)。
姪に話して聞かせる、十五年前の「大学生・卒業研究チーム」爆死事件の真相
(『五つのプレゼント』)。
大学の補講中、マジック好きな外国人教授が死んだ、ESPカード殺人事件
(『四枚のカード』)。
中味を間違えた手紙と残された留守電が、エリート会社員殺害の真相を暴く
(『三通の手紙』)。
特注の掛軸は、凝ったイタズラが大好きな、地方の名士がが殺された謎を知っている
(『二枚舌の掛軸』)。
決定的な証拠がありありとそこに存在した、ベテラン作家邸殺人事件
(『一巻の終わり』)。

見た目は「太ったチャップリン」!? 林茶父が、今日もどこかで事件解決。

***

まずは〝五つのプレゼント〟から突っ込む。
ラストで探偵の姪が「自分の都合ばかりを優先して相手の迷惑を顧みない」と
某人物三人のことを中傷しているけど、言う対象間違ってない。。。?
一番迷惑なのはあのカップルだと思うんだけど。。。
しかも殺人犯と何の悪気もない(そして別にしつこくもしてない)友人らを悪く言うって一体。
クサれカップルが馬鹿すぎて不快&姪の感性がズレまくってて読後の印象最悪。

続いて〝二枚舌の掛軸〟。
漫画ならともかく文章だけでこのトリックを理解しろというのは拷問に等しい。
よほど神経が研ぎ澄まされてないか古美術に詳しい人じゃなきゃ
書かれていることはおそらく即座にはイメージしづらいんじゃないかと思う。
実際参照図もやたら細かく描かれてたし。
そこまでしなきゃいけないならいっそ誰かに頼んでコミカライズしてください。

〝一巻の終わり〟。
ラスト一ページには「おおっ」と思わされた。

全体的に及第点な印象。
乾氏ならもっと斬新な物語が書けそうなものだけどな。出版社からの縛りでもあったのかな。
探偵役が凡庸で魅力に欠けるのも残念なところ(手品を使って(もしくは手品の応用から何か
閃いて)事件解決! とかなら面白いのに手品師って設定がほとんど活かされてないし)。
唯一「なるほど」と思わされたのは、いろんな場所を駆け巡って人生経験豊かな人間のほうが
頭でっかちの安楽椅子探偵たちより本番(事件の謎解き)に強い、って論理かな。
(実際たいていの推理小説は、ミス研とか医者とか博士とかひきこもりとか多いしな)

どうでもいいけど表紙の主人公、どう見ても50代のオッサンにしか見えないんだけど。。。
(本当は30代半ば)
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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