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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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今、どこの海にいますか。



藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。
高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。
戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。
皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき――。

***

人間が普段隠してる感情をもうあからさまに剥き出しに描き出す作家さんなので
読んでいて結構辛かった。
しかも(自分語りは好きじゃないけど)今回の主人公が自分と性格被りすぎていて
その元彼も自分が過去に好きだった人と(あそこまでひどくはないけど)キャラ被りすぎで
「あまりに人間として最悪なのでむしろこいつがどこまで堕ちるのか観察してたい」
と主人公が元彼に抱く気持ちに共感してしまってそんな自分が何か嫌だった。

物語としては、私がこの作家さんが大好きで全作何度も読み返しているので
物語の創作パターンがある程度読めてしまっているのでオチもすぐわかってしまい
感動すべきクライマックスも「ああやっぱりね」としか思えなかったけど、
それでも素敵な話でした。
中盤の主人公の母親の「掃除してくれたのにごめんね」と荷解きのくだりにはやられた。
あれは卑怯だろ誰だって泣くだろ。

ちなみに主人公はドラえもんの映画の中で〝海底鬼岩城〟が一番好きと言ってましたが
私は〝宇宙小戦争〟が一番好きです。
大人になって改めて見返して、武田鉄矢そっくりの宇宙人が出てきたときには爆笑しましたが。

余談ですが小学生のとき、どっかの僧侶みたいに貯めた5円と50円をヒモに通して首から提げて
本屋にドラえもんのひみつ道具百科買いに行って店のおばさんに
「がんばって貯めたの?」と微笑まれたことはこっ恥ずかしくもいい思い出です。
大学時代〝自分の尊敬する人〝を英語でレポート書いて一人ずつ皆の前で発表することに
なったとき、〝藤子不二雄先生の生涯〟みたいな本をわざわざ買って彼の人生を熱く語ったのも
振り返れば懐かしい。

って私自分で思ってるより藤子不二雄さん好きだな。

おすすめです。



おまけ:
ドビュッシー〝沈める寺〟。


  クラシック版もすごく好き。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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