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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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また、いずれ、どこかで。



T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。
杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、
実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。
眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?
『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。

***

前作〝幻惑の死と使途〟と対を成す作品。
前者が奇数章のみで構成されていたのに対し、本作は偶数章のみ。
二冊用意して交互に読んでいったりするのも結構面白いかも。
。。。というかそうしたほうがいいかも。
本作で主人公・犀川の妹が言っているとおり、この物語の事件は
「もやもやしてて地味でつまらない」ので(こんな台詞を言わせるあたり、
森氏も書いていて自覚があったんだろうか?)。
しかも読み終えてもどうも何かが釈然とせず、
「行間を読めってことか? でも読み取らなきゃいけない行間が多すぎ、ていうかむしろ
その読み取るべき行間のほうが本文より多いんだけど」
状態。
今までのS&Mシリーズで一番楽しめなかった(そもそも番外編的作品なので
二人の登場頻度低いけど)。

ちなみに序盤の杜萌の一人称の中に、ごくさり気なく決定的な伏線が張られているので
真相を自分で暴きたい人はそこを見逃さないようにしましょう(見落とす確率かなり大ですが。
いや、それよりもあの伏線だけで真相がわかったら超能力者だな)。

最後に、犀川の「名前が逆」発言は絶対アンフェアだったと思うな。
本来なら「立場」「役割」が逆、と表現すべきだと思うんだけど。

ミステリとしてはかなりアレだけど、人間ドラマの部分だけは割りと面白かったです。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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