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読書&執筆ホリックの書評&書き物ブログ。
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神はいる。
しかし、ここにはいない。




牧師の子に生まれ、神の愛を一途に求めた少年。だが、それは恐るべき悲劇をもたらすことに…。
もっとも神に近かったはずの魂は、なぜ荒野を彷徨うのか? 
ミステリーの限界を超えた新世紀の「罪と罰」!

***

同じ宗教的なものをテーマにした作品なら
花村萬月氏の〝王国記〟シリーズや
重松清氏の〝疾走〟のほうが
よほど神という概念をうまく描き出していると思う。

ありきたり&説教くさい、そしてあまりに同調しづらい思考ばかりが書かれた本作は
私にとっては読んでいて苦痛でしかなかった。
第二章だけが叙述トリックなのも最後の最後でベタすぎるトリック持ってくるのも
本作を無理やりミステリ仕立てにしようとしているようで
神のことを突き詰めたいのかミステリを書きたいのか
著者の意図がわからずどっちつかずでやたら中途半端に感じた。
オチもベタだし。

実は本作、だいぶ昔に最初の数十ページだけ読んで何となく嫌な予感がして放置し、
でも最近になって何を思ったかもう一度読み返してみようと手に取った次第なのですが、
一度目の勘は正しかった。そのまま読まずにいればよかった。

そもそも私は既存の神様を崇める性質じゃないから余計に肌に合わなかったのかも。
神様なんて自分の中か、実在する尊敬すべき人の中にしか自分は見出したことがないから。
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80年代産の道産子。本と書き物が生きる糧。ミステリ作家を目指し中。
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